ヘルマン・ヘッセ 庭仕事の愉しみ
何か最近、歳のせいでしょうか、庭という文字をみると反応してしまいます。
映画でもそうなんですけど、本屋に行ったら、見つけてしまいました。
ヘルマン・ヘッセ「庭仕事の愉しみです」
こちらではこのごろようやくひどく暑くなってきました。そしてほとんどの日に私のやれることといえば、毎日の庭仕事だけです。つい先頃、雷雨がひどい雹を降らして、ほとんどすべてのものを打ち砕いてしまいました。ですから、することなら充分にあるのです。トマトの株に水をやるときとか、一本の美しい草花の根本の土をやわらかくするときには、芸術家がしばし抱く「こんなことをして意味があるのか?」とか「こんなことがいったい許されるのだろうか?」といったようなあの呪わしい感情を持つことはありません。決して。それどころか、私たちは自分の行為に満足しています。そしてこういう満足感はときどき必要なんです。
(1935年初夏 アルフレート・クービンあての手紙より)
芸術家ならずとも、分かる様な気がするのですが....
ヘッセの水彩画も良いですね。
草思社文庫
2011年6月10日 第一刷発行
著者 ヘルマン・ヘッセ
編者 フォルカー・ミヒェルス
訳者 岡田朝雄
発行所 草思社
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