礒江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの鬼才
練馬区立美術館で10月2日まで開催。
これほど時代を超えた写実があろうか。礒江毅は夭折した。だが、絵は残った。--佐伯泰英(作家)
磯江毅(1954-2007)は大阪に生まれ、大阪市立工芸高校を卒業後18才単身でスペインに渡り、30年という長い間、油彩による写実絵画を探求してきました。
王立美術館でデッサンの基礎を学び、プラド美術館に通って、デューラーやフランドル派の画家たちの名画の模写に没頭しました。1970年代、新たなリアリズム表現を求める画家の活動の中心となったマドリッドでアントニオ・ロペス・ガルシアといった画家たちと交流しマドリッド・リアリズムの俊英画家秀グスタボ・イソエとして認められ、80年代にはその運動を担う一人として活躍していきます。
礒江の言葉です。
「リアリズム絵画とは、実体とはフィジカルなものだけど、徹底した描写によってメタフィジカルな世界が見えてくるのを待つ哲学です」
さらに礒江は、存在の実感を探求、深化するために、解剖学を学び直し、リアリティーの極限に挑み続けます。
1996年からは日本にもアトリエを構えて、大学教授として教育、日本の作家と交流し日本にリアリズム絵画を根付かせたいと活動を続けましたが、2007年に53才の若さで急逝します。
展覧会場には、礒江毅の重厚な世界が広がっていました。
存在と時間を丹念に描き込んだ、表現への恐ろしいほどの根気と執念をじっくりと、その作品で.....
深い眠り 1994 95
新聞紙上の裸婦 1993 94
静物(柘榴と葡萄とスプーン) 1994
サンチェス・コタンの静物(盆の上のあざみとラディッシュ) 2000 01
静物(鶉)1996
アーリーレッド 2004
画像はチラシからの引用です。
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