映画(DVD) 夏時間の庭
DVDが出始めのころ、一度借りてきたのですけれど、途中まで観て(何故か、あまり興味が続かなかった)返してしまった作品。
こういう事ってよくあります。
もう一度、今度は最後まで観ようと思って借りてきました。
かけがいのないもの、個人それぞれで違いますが、皆持っているに違いありません。
時と共に失うもの(失わざるを得ないもの)、郷愁をしみじみ感じさせてくれます。
フランスのオルセー美術館開館20周年を記念して製作されたこの映画には、一部を除いて、本物の美術品が使われている事でも話題になりました。
エレーヌはパリ郊外の小さな町ヴァルモンドワに独りで住んでいる。三人の子供とその家族が久しぶりに集まって、広大な庭でエレーヌの誕生日を祝っている。この大邸宅は三人の大叔父で画家のポール・ベルティエが生前使っていたものだ。
長男はパリに住む経済学者、長女アドリエンヌはニューヨークを中心に世界を飛び回るデザイナー、次男は中国で仕事をしている。
誕生祝いを楽しむ中、母エレーヌは長男を呼び邸宅に飾られ、また使っている美術品を、自分の死後売って欲しいと.....長男は縁起でもない話に苛立ちながら、子供たちに引き継いで、なにも売らないつもりだと言う。
そして、企画している大叔父の回顧展でまた集まる事を約束して、子供三人とその家族は、あわただしく帰っていく。
時は経ち、母エレーヌは回顧展の後、突然亡くなってしまう。
三兄妹は母の残した遺産、家と膨大な美術品の取り扱いと向き合うこととなる。長男フレデリックはそれらを手放すつもりはなかったが、アドリエンヌはアメリカ人の恋人ジェームスとの結婚を決め、ジェレミーも中国に住宅を購入して、生活の拠点を移すことにしたと告げる。もうあの家に家族が揃う事もなくなるだろうし、美術品も含めた膨大な遺産を相続するにはその相続税を収めることも容易ではないことが分かった。
三人は邸宅を売却、美術品をオルセー美術館に寄贈することで合意し、後日、美術館の職員たちが家から全てを持ち去っていく。
いよいよ、家を譲り渡すことになり、長男フレデリックの娘シルヴィーが大勢の友達を招いてパーティーを開く事になった。大勢の若者たちが、バイクのエンジン音を轟かせて集まり、大音量で音楽をながし踊り楽しむ。
シルヴィーはボーイフレンドと二人で仲間を離れ庭の奥へと走っていく.....祖母の思い出が詰まったこの庭と全てが亡くなっていくことに涙を流す。
製作年度: 2008年
上映時間: 102分
スタッフ
監督 オリヴィエ・アサイヤス
製作総指揮 クレール・ドルノア
プロデューサー マラン・カルミッツ ナタネール・カルミッツ シャルル・ジリベール
脚本 オリヴィエ・アサイヤス
撮影 エリック・ゴーティエ
美術 フランソワ=ルノ・ラバルト
キャスト(役名)
ジュリエット・ビノシュ (アドリエンヌ)
シャルル・ベルリング (フレデリック)
ジェレミー・レニエ (ジェレミー)
エディット・スコブ (ヘレン)
ドミニク・レイモン (リサ)
ヴァレリー・ボヌントン (アンジェラ)
アリス・ド・ランクザン (シルヴィー)
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