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2011.07.24

開館50周年子念「美を結ぶ。美を開く。」Ⅱ 不滅のシンボル 鳳凰と獅子

Houousisi
六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階のサントリー美術館で7月24日まで開催されています。
今日が最終日ですね。
かなり前に観てきた展覧会ですが、書きかけてそのままにしていました。

考えてみれば、鳳凰と獅子、あまり意識せず、なんとな接してきましたが、このような形で焦点を当ててくれると今更ながら、そうなんだ、と。
「鳳凰は、優れた天使が世に現れる兆しとして、古代中国で生み出された空想の鳥」
「獅子は、日本に棲息しないライオンを原型とし、矢張り中国から唐獅子という半ば空想上の動物として伝わった」
そうなんですよね、我々は普段、定義づけなどあまり考えないで、鑑賞していますが、こういう形で具体的に分かり易く展示して見せてくれると、嬉しいですよね。中国への憧憬から宗教、儀礼や民族、芸能に取り込まれて、絵画や工芸の意匠として繰り返し使われ、そのイメージは、今に至るまで高貴なシンボルとして継承されてきたんですね。(HPの解説の一部を引用しています)

展示作品は多岐にわたり、よくもこれだけ集めてくれたものだと感心してしまいます。
入り口で阿形、吽形の狛犬がお出迎えで、嬉しいですね。
1950年の火災から、ただ一点、逃れた金閣寺の鳳凰が展示されていますが、三島由紀夫の小説を思い出したりで感慨深いものがありました。
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鳳凰(旧金閣所在 室町時代 鹿苑寺蔵)

国宝文殊菩薩渡海図(6月27日まで展示されていました)の展示期間に間に合ってよかったです。この作品は、その物語性と構成がすばらしく感激です。
Houousisitokai
国宝 文殊菩薩渡海図(鎌倉時代 醍醐寺蔵)

銅鏡、絵画、彫像、器、神宝、茶道具、うち掛け、能舞台、時代地域、多岐に渡り集めたこの天覧会すばらしかった。
展覧会の構成は以下の通り。
第1章 暮らしの中の鳳凰と獅子―御輿・獅子舞・狛犬
第2章 古代における鳳凰と獅子―銅鏡や磚をめぐって
第3章 獅子舞と狛犬―正倉院の頃から始まる守護獣の歴史
第4章 仏教における獅子―文殊菩薩像を中心に
第5章 鳳凰降臨― 彫像や神宝にみる高貴なシンボル
第6章 よみがえる鳳凰― 東アジアにおける鳳凰図の展開
第7章 工芸にみる鳳凰と獅子― 唐物や茶道具を中心に
第8章 屏風に描かれた鳳凰と獅子―「唐獅子図屏風」から若冲まで
第9章 獅子の乱舞―芸能と獅子をめぐって
第10章 江戸文化にみる鳳凰と獅子―色絵陶磁器から水墨画まで
第11章 蘭学興隆から幕末へ―洋風画と浮世絵をめぐって
第12章 不滅のシンボル―人間と共に生きる鳳凰と獅子


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桐鳳凰図屏風(狩野探幽筆 六曲一双 江戸時代 17世紀 サトリー美術館蔵)


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獅子図(小田野直武 江戸時代 個人蔵)


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大獅子図(竹内栖鳳 四曲一隻 明治35年(1902) 藤田美術館蔵

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国宝 金銅獅子唐草文鉢(奈良時代 護国之寺蔵)

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