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2011.05.22

拓本とその流転

Takuhonn

この展覧会は東京国立博物館で5月15日まで開催されていました。(終了しています)


書道は小学校での記憶しかないのですが、書家の展覧会はよく行きます。
書聖王羲之の作品は各種展覧会でも目玉になりますので、その名前は自然に覚えてしまいます。
蘭亭での曲水の宴は屏風絵、巻物でよく見かけまが、その時に作られた詩集の序文の草稿が蘭亭序です。王羲之はこれを書いたときに酔っていたと言われ、後に何度も清書をしようと試みたが、草稿以上の出来栄えにならなかったと言い伝えられています。
その《蘭亭序-呉柄本-》の展示もありました。

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蘭亭序-呉柄本- 王羲之
(東京国立博物館蔵)

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十七帖-上野本- 王羲之
(京都国立博物館蔵)

隷書、楷書、行書、草書等、書法それぞれに魅力はあります。
残念ながら、漢文、古文となると書かれた内容を読みこなす能力は全くないのですが、草書となると更に、もう.....。
かつて、拙ブロクで「良寛書字 無意識のアンフォルメル」という吉本隆明氏の一文をご紹介しましたが、その墨跡には人となり、思想までが、もろに表現されています。

拓本そのものは、よく見かけますが、こんなに歴史があり奥深いののだったとは、今回の展覧会、門外漢の私にとって新たな視点を与えてくれた貴重な機会となりました。
台東区立書道博物館との連携企画です。
書道博物館にも行ってみようかな。

以下にチラシの解説を引用させて頂きました。
 

古代の中国では、簡便な方法で複写をする拓本の技法が考案されました。現存する最古の拓本は、敦煌の蔵経洞(第十七窟)で発見された唐時代の「温泉銘」ですが、拓本の起源はそれ以前にさかのぼると考えられます。しかし唐時代の拓本は、ごくわずかしか残されていません。
 広義には、歴代の石刻を「碑」と総称しています。碑は隷書や楷書など、荘重で整斉な書体が多く用いられます。一方、書法を伝えるために木や石に名筆を刻したものを「帖」といい、行書や草書など実用の書体が多く占めています。
 宋時代には、上質の紙や墨が製造されるようになり、拓本の技法も多様になります。上等な拓本は、工芸意匠の粋を尽くした、えも言われぬ美しさがあり、収蔵家の垂涎の的となりました。
 毎年恒例となった東京国立博物館と台東区立書道博物館との連携企画、今回は、書の学習において最も基本となる中国の著名な拓本を、その流転にも目を向け、さまざまなエピソードをまじえてご紹介します。原石がすでに亡佚した貴重な唐拓・宋拓や、王義之の名品など、世界有数の拓本を一望できる貴重な機会です。本展を通して、拓本の持つ魅力を存分にお楽しみください。

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