ドーミエとグランビル展
この展覧会は5月29日までの開催です。
今日までですよね。
ドーミエの作品を所蔵している美術館って多いような気がするんですけど、どうでしょう。
多くの美術館でよく見かけます。
今回は、解説文をよく読みながら一点一点鑑賞してきました。
スペースの限られた展覧会場ですから、作品点数もそんなに多くはありませんから。
当時のフランスは7月革命(1830年)で即位した国王ルイ・フィリップの治世下にありました。
まさに混乱と変革の時代、新聞、雑誌等が続々と創刊された、ジャーナリズム勃興期でもありました。
そんな時代に、シャルル・フィリポンが週刊誌「ラ・カリカチュール」や風刺新聞「ル・シャリヴァリ」を創刊。
風刺画を多用した紙面は、識字率がそう高くない時代には、人気だったのでしょうね。
当時発明されたばかりだった最新技術である石版画(リトグラフ)の存在も大きい。
発表の場を得た、オノレ・ドーミエ(1808〜1879)、そして通称グランヴィル(ジャン・イニャス・イジドール・ジェラール)(1803〜1847)は、7月革命で王位についたルイ=フィリップとその閣僚を題材にユーモアと痛烈な批判をともなう戯画を作成発表した。しかし、政治的な作品は言論弾圧法の発令により中断される事になる。
その後ドーミエドーミエはその視点を都市の社会風俗に移し、翻弄されながらもしたたかに生きる中産階級や労働者、平凡な庶民の姿を描き、画壇やアカデミズムとは異なるジャーナリズムの世界からレアリスム運動を推し進めてゆきます。
一方のグランヴィルは、風刺画の時代から用いていた動物や植物を擬人化する手法を挿絵の分野で発展させ、その幻想的な世界は『不思議の国のアリス』の挿絵画家ジョン・テニエルにも影響を与え、現在ではシュルレアリズムの先駆的作品として位置付けられています。
(以上は、チラシの解説等を参考にしました)
しかし、この政治風刺画は強烈ですね。
日本の新聞各紙にも政治漫画はありますけど、これだけの存在感は...無理でしょうね。
国民性もあると思いますが。
展示されている政治、社会風刺画には、当時の空気が流れていてとても面白いですよね。
オノレ・ドーミエ《悪夢》1832年
オノレ・ドーミエ《写真術を芸術の高みまで引き上げるナダール》プールヴァール 1862年
吹くがよい、決して消せないから
ラ・カリカチュール 1834年
当世風変身譚』より
1829年刊
画像はチラシから。
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