五百羅漢 増上寺秘蔵の仏画 幕末の絵師狩野一信」展
3月15日開催予定が大震災で4月29開催に変更になりました。
待ちに待った展覧会、30日に行ってきました。
常設展は5月1日からです。
13時前から16時頃まで会場内にいましたが、結構空いていてゆっくり見る事が出来ました。
100幅の作品を丹念に観ていくと、矢張り3時間程度は必要になります。
羅漢の、表情の違いを丹念に観ていくととても面白いですよ。
説教する時の羅漢、議論、六道を巡る羅漢、天道往き帰りの表情、神通力を発する表情等々、行かれる方は比較してじっくり観てきてください。
着物も彩色豊かに丹念に描かれていて見事、羅漢さんて顔に似合わずオシャレ.....
背景も同様に見事に描かれていますです。
10年の歳月を経て完成して訳ですから、徐々に画法の緻密さ等に変化が見て取れます。
病を得てからの作品、そして96幅まで描いたところで一信は亡くなります。
その後4幅は、一信の下絵を元に妻と弟子で仕上げたとされています。
流石に、平面的で顔の表情に動きがなく、描く力量の差は如何ともし難い印象です。
作品は基本的に2幅一対で全体が構成されています。
大きな括りで1幅から20幅では、羅漢の日常生活が描かれています。
名相(みょうそう)、浴室、受戒、布施、論議、剃度、伏外道、というわけです。
第10幅 浴室
21幅から40福までが六道です。
地獄、鬼趣、畜生、修羅、人(にん)、天
このあたりが、ドラマチックでとても面白いですよね。
第38幅 六道 天
天女と羅漢ツーショット、何かにやけたようで......
41幅から50幅が十二頭陀
羅漢の最も重要な十二の修業が描かれたいます。
羅漢の生き生きとした表情がとても良いですよ。
第48幅 十二頭陀 但三衣
仕事の喜び?いい顔してます。
51幅から60幅が神通。
これはもう奇想天外、ビームをバンバン飛ばして、悪鬼をやっつけ、苦しむ民衆を救います。
第51幅 神通
頭頂から、噴水が!!
61幅から70幅は禽獣、解説には、さながら動物園と書かれています。
第68幅 禽獣
71幅から74幅は龍供(りゅうぐ)
竜宮への行程が描かれています。
第74幅 龍供
75幅は、洗仏等
76幅は、洗舎利
文字通りです。
第76幅 洗舎利
77幅から80幅は堂伽藍。
こちらも文字通り、寺院建立の為の設計から、建設までの諸作業が描かれています。
第80幅 堂伽藍
81幅から90幅が、七難
地震、台風、羅刹(ここでも羅刹を追い払うビームを羅漢が照射)悪鬼、刀杖、賊、枷鎖、盗。
第84幅 七難 風(ふう)
91幅から100幅が四州、所謂、須弥山を中心とする仏教の東西南北の四州(四つの島)のあり様が描かれています。
第100幅 四州 北
その他、増上寺以外の作品として、東博の羅漢図、成田山新勝寺の十六羅漢図(双幅)、逸見家伝来資料の興味深い資料展示もあります。
その中には、安政の大地震に対する記述もあります。
ちらし
この展覧会は、江戸東京博物館で7月3日まで開催されています。
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