映画(DVD) カティンの森
第二次世界大戦中、ソ連赤軍による、ポーランド人捕虜虐殺事件(カティンの森事件)を取り扱った映画です。
殺害された軍人は一万数千人とされるが、諸説あるようです。
2010年4月ポーランド政府専用機が墜落し、レフ・カチンスキ大統領が死亡したという事故、最近の事ですので覚えている方も多いと思いますが、この事件の追悼式典に向かう途中だったんですよね。
スタッフ
プロデューサー : ミハウ・クフィェチンスキ
監督 : アンジェイ・ワイダ
原作 : アンジェイ・ムラルチク
脚本 : アンジェイ・ワイダ、ヴワディスワフ・パシコフスキ、プシェムィスワフ・ノヴァコフスキ
音楽 : クシシュトフ・ペンデレツキ
撮影 : パヴェウ・エデルマン
編集 : ミレニャ・フィエドレル、ラファウ・リストパト
製作 : アクソン・スタジオ、TVP、ポーランド映画協会、ポーランド・テレコム
キャスト
マヤ・オスタシェフスカ :アンナ
アルトゥル・ジミイェフスキ:アンジェイ大尉 - アンナの夫
ヴィクトリア・ゴンシェフスカ : ヴェロニカ(通称ニカ) - アンジェイとアンナの娘
マヤ・コモロフスカ :アンジェイの母
ヴワディスワフ・コヴァルスキ :アンジェイの父・ヤン教授
アンジェイ・ヒラ :イェジ中尉 - アンジェイの戦友
アグニェシュカ・グリンスカ :イレナ - ピョトル中尉の妹
マグダレナ・チェレツカ :アグニェシュカ - ピョトル中尉、イレナの妹
アグニェシュカ・カヴョルスカ :エヴァ - 大将とルジャの娘
アントニ・パヴリツキ :タデウシュ(トゥル) - アンナの甥
アンナ・ラドヴァン : エルジュビェタ - タデウシュの母
1939年、ポーランドはドイツ軍とソ連軍に侵攻され、すべてのポーランド軍将校はソ連の捕虜となった。アンジェイ大尉の妻アンナは娘ニカと、夫を探し歩いている。そんな場面でこの映画は始まります。
やっと探し当てて再会するのだが、その目前で、東部へ連行されていく。
アンナは夫の両親の住む家に戻るが、大学教授の義父はドイツに逮捕され、そののち収容所で病死したとの連絡を受ける。残されたアンナ、娘ニカそして義母はアンジェイの生存を信じて帰還を待ち続ける。
1943年4月、独ソ不可侵条約を破ってドイツ軍はソ連領に侵攻した。ドイツ軍が、元ソ連領のカティンの森の近くで、一万数千人のポーランド将校の死体を発見した。ドイツは、これを1940年のソ連軍の犯行であることを大々的に報じた。
ドイツが敗北し大戦が終結した1945年以後、ポーランドはソ連圏として復興の道を歩み始めた。そしてソ連はカティンの森事件をドイツ軍の仕業であると反論し、事件の真相に触れることはタブーとなった。
パルチザンとして戦った親類、そしてカティンで親族を失った遺族らは、厳しい現実に直面することになる。
そんな中、カティンの森事件の生き残りでアンジェイ大尉の友人イェジがアンナの前に現れるが、やがてソ連側の証人となったことを恥じて自殺してしまう。そしてアンナに遺品として届けれれたイェジの日記から事件の場面(連行虐殺)が回想されていく。
巨匠アンジェイ・ワイダ監督の父もこの事件の犠牲者。
映画の冒頭、「両親に捧げる アンジェイ・ワイダ」というテロップが流れます。
以下の場面がこの映画を象徴的に表していると....。
兄ピョトルの碑(カティン事件はソ連が...と記した)を建てようとしてポーランド当局に連行されたレイナは「ドイツの犯罪だと」調書に書けと強要されて「私はドイツと5年間闘った、あなたはたった5分で.....。教えて私はどこの国にいるの」と....。
映画は、本当にいろいろな事を教えてくれる。
お薦めですよ。
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