ルオーと風景 パリ、自然、詩情のヴィジョン
世界のどこにもない景色が、ここにあります。
チラシのコピーです。
確かに、風景を描きながらそこには、ルオーの精神世界が展開されているようです。
秋、夕暮れの景色を多く描いていますが、そこには、時に貧しい村人、親子が描れていて、有形無形のキリストが、寄り添い、優しい光が包みこんでいます。
今回も出展されていますが、ブリジストン美術館所蔵の作品の中で、最初に好きになった絵がルオーの郊外のキリストでした。
《郊外のキリスト》1920-1924年
ルオーの描くキリスト、道化師も好きですが、風景画は大好きです。
風景画の構図、マチエール、見事な色調が表現する精神性は、観る人を釘ずけにして離さない魅力を持っています。
最初の展示コーナーの、師モローの作品を想起させる作品「ゲッセマニ」、バルビゾン派の作風を残す「人のいる風景」、こちらも興味深く観てきました。
美術館のスペースの関係もあって、コンパクトですが、画学生の頃の作品から晩年まで風景画を中心にその変遷を概観できる展覧会です。
以下、展覧会の構成です。
第Ⅰ章 巨匠に倣いて
第Ⅱ章 生きた芸術へ-自然・田園の風景
第Ⅲ章 古びた町外れ-パリの郊外
第Ⅳ章 「伝説的風景画」へー版画集『ユピュおやじの再生』から『受難』まで
第Ⅴ章 歓喜のヴィジョン-聖書風景
子供向けの企画「ルオーの王国」が同時開催されています。
《ブルターニュの風景》1915年
《秋の終わりⅡ》1952年
《ヴェルサイユの秋》1947-1948年
《夕暮れ》1942年
今回の展覧会は、沢山のルオー作品を収集している出光美術館、パナソニック汐留ミュージアム、そしてジョルジュ・ルオー財団、ポーラ美術館、清春白樺美術館から出展されていました。
震災の影響で、展示予定の作品が、数点写真パネルに替えられていました。
どの美術館も一緒ですよね。
この展覧会は、7月3日までパナソニック汐留ミュージアムで開催。
展示用照明が全てLEDに替えられています。
ロッカーもバーコード式に変わっていました、コイン不要で便利。
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