20世紀フランス絵画の挑戦 アンフォルメルとは何か?
ブリジストン美術館に行く度に、ジャン・フォートリエの作品の前の椅子に座って暫く眺めていました。
「フォートリエノ作品、もっと観る事の出来る機会がないかなあ」なんて思いながら。
旋回する線
ジャン・フォートリエ
この展覧会、とても刺激的でした。
作品の、質感、色彩、構図?画家の個性が画面から飛び出してきそうです。
さて、アンフォルメルの定義。
直訳で「不定形なるもの」なのでしょうが、前衛的絵画運動としてのアンフォルメルとは。
第二次世界大戦後のパリ。ジャン・フォートリエやヴォルスは厚塗の画面に大胆な筆触を施した絵画を描き、ジャン・デュビュッフェもまた壁面を思わせる粗い下地に落書きするかのように掻き削った新たな抽象絵画の試みを始めました。批評家のミシェル・タピエは、彼ら3人を先駆とする奔放な絵画をフランス語で「不定形なるもの」を意味する「アンフォルメル」という名前で呼びました。
図録”ごあいさつ”冒頭文からの引用です。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 抽象絵画の萌芽と展開
抽象の源流を印象派にまで遡って19世紀後半から20世紀前半にかけて、その後まもなくあらわれる新しい抽象画の登場を準備した画家の作品が展示されています。
モネ、セザンヌ、モンドリアン、ピカソ、カンデンスキー、ミロ等々、ブリジストン美術館所蔵のお馴染み作品が展示されています。
第2章 「不定形」な絵画の登場 —フォートリエ、デュビュッフェ、ヴォルス
いよいよ本題です。
第二次世界大戦末期ドイツの占領下にあったパリで、フォートリエ、デュビュッフェ、ヴォルス等は、不安な時代における芸術のあり方を模索し、その心象の表出方法として、伝統的概念にとらわれない新しい表現による作品を創造した。評論家ミシェル・タピエは、若い芸術家を中心に生まれつつあった抽象的で表現主義的な動きを「アンフォルメルとして理論ずけ、発展させることを試みた。
人質
ジャン・フォートリエ
レジスタンス活動にかかわり潜伏しているときに描かれた作品。
頭部のマチエールと配色による内面表白は見事です。
暴動
ジャン・デビュッフェ
第3章 戦後フランス絵画の抽象的傾向と「アンフォルメルの芸術」
戦後の美術がアメリカを中心に動いてきたという現況にあって、忘れてはならないエポックとして、「アンフォルメルの芸術」の動き、発展を大きな括りで紹介しています。
絵画、26May 1969
ピエール・スーラージュ
母と子
カレル・アベル
赤い鬼
菅井汲
無題
ジョルジュ・マチウ
アンス・アントゥング
T.1692-U.6
ちらし
ブリジストン美術館で7月6日まで開催。
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