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2011.04.06

手紙(小説、映画DVD)

両親のいない家庭で育った剛志は、弟の直貴が生きがいだ。
弟直貴を大学進学させるために、引越しの仕事をしていたが、体を壊して失職してしまう。
どうにかしなければと焦る剛志は、引っ越しで訪れたことがある資産家で優しそうな、おばあさんの家に盗みに入ってしまう。
そこに、おばあさんが突然現れる。剛志は、無我夢中で刺殺してしまう。

収監された、剛志は監獄から直貴に手紙を送り続ける。
直貴は生活費に困り、アパートも追い出されてしまう。
高校の先生の配慮で、食堂に勤めるが、兄剛志の事情が分かると、居られなくなってしまう。

やがて、直貴は派遣で仕事を得る。
そして、同じ工場に勤める由美子と知り合う。
直貴は、無視しようとすが、由美子は何故か、執拗にに接近してくる。

その工場でも兄のことで、寮生活の仲間と喧嘩して出ることになる。
そのけんか相手は大検を受けて、通信教育で大学入学をと計画していた。
そして、参考書を直貴に譲ってくれたのだ。

直貴は通信制の大学に入学する。
酒場で、アルバイトをしながら通信教育を受けていた直貴は、スクーリングで知り合った寺尾のバンドに参加することになる。
合コンで知り合った企業の重役の女性との恋、天涯孤独と偽ってしまうが、結局、兄の存在が発覚して、手切れ金....別れさせられる。

その間も由美子は、直貴を離れようとしない。
実は、由美子も不幸な家庭に育ち、一人ぼっちなのだ。

直貴のボーカルは人気を呼び、有力なディレクターによってデビューという算段になる。
ここでも、やはり兄のことで、直貴はメンバーから外れることになる。

直貴は、バンドを諦めて、電気量販店に勤める、兄は海外に住んでいると偽って。
ある盗難事件をきっかけに直貴の嘘がばれてしまう、そして配置転換。
こんな時でも、由美子は直貴が勤める会社の社長に直訴状をおくり、直貴を助ける。

直貴は、由美子の愛情を素直に受け止め結婚する。
子供が生まれ社宅に住んだ直貴家族に、またまた、兄の存在が影を落とす。
釈放されたら、殺人犯の兄が、身を寄せるという噂が.....
周りの人たちが、敬遠するようになる。
直貴の家族は孤立してしまう。
何よりも、娘の将来が不安に.....

勤める会社の社長の助言のあり、直貴は、兄との完全な別を決意し、最後の手紙を送る。
その後、果たせなかった、兄に殺された、おばあさんの家族を訪れる。
遺族には、兄からの手紙が送りつずけられたいた。
「もうこれで事件のことは終わりにしましょう」と言われる。
そして剛志から遺族に宛てた最後の手紙を渡される。
そこに書かれていたのは......

バンドを組んでいた寺尾から、突然連絡があり、刑務所で慰問活動をしているので手伝ってくれないかと.....
この物語の最後、感動的な結末が.....

Tegami0001
東野圭吾著  文春文庫


さて、映画DVD
小説全体のトーンとして、重たい空気が流れ続けるのですが、映画はその空気が薄まっている感じ。
一つに、直貴がミュジシャン(ボーカル)としての成功を一時考えていて、ラストの慰問の場面もミュジシャンとして参加。
ところが映画は、漫才師に設定していることが関係しているように思います。

ラストの家族三人で、幸せそうに歩く後ろ姿は、いらないかも?
ラストは、小説の方が良い。

沢尻エリカ さんって役者なんですね?
私の今の日本映画に関する知識はこの程度です、悪しからず。

Tegami
製作年 2006年
上映時間:121分
配給 ギャガ・コミュニケーションズ

監督 生野慈朗

出演 山田孝之 (武島直貴)
玉山鉄二 (武島剛志)
沢尻エリカ (白石由美子)
吹石一恵 (中条朝美)
尾上寛之 (寺尾祐輔)

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