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2011.04.24

ヴィヨンの妻(小説、映画(DVD))

私が盛んに太宰治の作品 を読んだのは高校生の時、大昔です。
沢山の小説の内容が交錯していて、ヴィヨンの妻の内容が詳らかに思い出せない。
まだ整理していない、地震で崩れた本棚の本から探すのも億劫、電子ブックで(青空文庫)再読しました、30分もあれば読めます。

映画のタイトルは「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」です。
1400170545

監督 根岸吉太郎
脚本 田中陽造
製作年: 2009年
製作国: 日本
日本公開: 2009年10月10日
上映時間: 1時間54分
配給: 東宝


キャスト(役名)
松たか子 (佐知)
浅野忠信 (大谷穣治)
室井滋 (巳代)
伊武雅刀 (吉蔵)
光石研
山本未來
鈴木卓爾
小林麻子
信太昌之
新井浩文
広末涼子 (秋子)
妻夫木聡 (岡田)
堤真一 (辻)


時代背景は戦後の混乱期。
東京小金井の小説家大谷の家に夜、飲み屋から五千円を盗んで逃げ出した大谷を追いかけて、飲み屋夫婦の吉蔵と巳代がやってきた。大谷は飲み屋夫婦と口論、大谷の妻佐知が、とりなす間に、大谷は夫婦をナイフで脅かして家を出てしまう。
妻佐知が家に夫婦を上げ、事情を聴いて、思わず笑ってしまう。
過去数年にわたって無銭飲食していたのだ。
大谷30歳、佐知26歳。
翌日、佐知はなんとか警察沙汰だけは許してもらおうと、吉蔵と巳代が経営する飲み屋・椿屋へ出向く。
本当は何のあてもないのに、「今日中に5000円返せることになっている」と言ってしまう。
苦労を重ねてきた佐知は、どんな窮地に陥っても、明るく耐えられる女性になっていた。
夫が踏み倒した過去の酒代の肩代わりに、その日から椿屋で働らかせてもらうことにする。
直ぐに、佐知の美しさと明るさに客の評判を得ることに....客からはチップをもらうようになる。
大谷は盗んだ5000円をバーに仲間を連れて行き飲んでしまう、そんな事情を察したママが肩代わりして椿屋に大谷と表れて吉蔵に手渡す。
その後佐知人気で椿屋は大繁盛。
大谷は、家に殆んど戻らない、酒を飲んでは借金を作り、浮気を繰り返すという生活。
たまに家に帰ってくると、女々しく、佐知に救いを求めてくる。
「女には幸福も不幸もないのです。男には不幸だけがあるんです」なんて呟やいたりする。
「タンポポ一輪の誠実」この言葉が終盤の伏線にもなっている。

そうかと思うと、さちが貰ったチップを、全て奪って家を出てしまう。
佐知は、椿屋で大谷に会えるだけでもうれしいと思うようになる。
そんな中、佐知に好意を持つ工員・岡田(大谷のファンでもある)、かつて佐知が思いを寄せていた弁護士・辻が現れる、辻は今でも佐知を思っている。
やがて、大谷は以前飲み倒した、そして大谷から離れられないバーの女・秋子と心中事件を起こしてしまう……。


小説と全く同じ内容で映画は進行するのですが、後半で、小説に無い場面が挿入されています。
太宰の小説の内容だけでは、エンターテイメントとしては物足りないと考えたのかもしれません。
佐知と岡田との関係もチョット違いますし、弁護士・辻との関係、秋子との心中未遂も、小説にはありません追加部分ですよね。
~桜桃とタンポポ~の部分ですよね。
監督は、松たか子のイメージからこの物語を作ったそうです。
大谷役の浅野忠信がチョット.....私には。

拙ブログで過去に紹介したと思いますがこんな本もあります。
Tamagawajyusuuiblog
梶原悌子著
2002年第一刷
作品社

Dazaren
野原一夫著
1989発行
新潮社

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