駒井哲郎1920-1976 心の造形物語
町田市立国際版画美術館で6月12日まで開催されています。
第Ⅰ部(5月8日迄)第Ⅱ部(5月11日から6月12日)に分けて500点余り展示されます。
資生堂名誉会長福原義春氏が収集した秀品の展示です。
巡りめぐって、来年世田谷美術館にも巡回するようです。
レンブラント展と違って、こちらは空いてますからね、創作イメージに、どの様な技法を駆使して作品を作っているのか、検証しながらじっくり鑑賞できます。
疲れたら展示会場のベンチ、または、休憩室の開放感ある窓から豊かな緑を眺めて眼を休めながら。
展覧会の構成は以下の通りです。
4月9日(土)~5月8日(日)
第Ⅰ部 若き日のエッチャ-の夢1935-1960
第1章 銅版画への道(1935-1948頃)
第2章 夢の開花(1948-1953)
第3章 夢の瓦解そして再生
第4章 充実する創作:詩画集「からんどりえ」迄(1959-1960)
第5章 新たな表現を求めて(1961-1966)
第6章 充実の刻(1967-1970)
第7章 未だ見果てぬ夢、色彩の開花(1971-1973)
第8章 白と黒の心象風景乱舞する色彩(1974-1976)
5月11日(水)~6月12日(日)
第Ⅱ部 夢をいざなう版の迷宮
章建ては前期と同じですが、作品が全て入れ替わるようです。
展示構成から分かるように、駒井哲郎15歳のエッチィングによる作品からほぼ時系列で紹介されています。
若き日に、銅版画に魅せられて西田武雄の画塾に休日の度に通って制作に励んだ作品。
東京美術学校での卒業作品、そして本格的な創作活動、絶賛されての画壇へのデビュー。
フランスへの留学、直に接した西洋版画から味わった挫折感、そして、尊敬する長谷川潔に進められて入学したパリの国立美術学校でエンビレーイング技法の習得、帰国後の自己再発見と再生。
文学者、詩人との交流、挿画、詩画集の共同制作等々仕事範囲の広がりと交友。
あらゆる版画技法の試行、1版多色刷り、モノタイプ、エンボス、グアッシュ、素描も...
銅版画のパイオニアと称される、版画家人生の挿話も含め、その時々の作品が光彩を放っています。
私は、夢シリーズや束の間の幻影、あたりの作品が好きです。
それと、詩人とのコラボ作品がすばらしいと思いました。
もう、すばらしいの一言です。
~夢と現実、すべてが私にとっては夢でもあり現実でもあるのだ~
5月11日からの第Ⅱ部にも行って約500点全て観ようと....
船着き場のある風景(エッチィング)15歳の頃の作品
束の間の幻影(サンドペーパーによるエッチィング)
garcon少年(アクアチントほか)
R婦人の肖像(アクアチントほか)
『からんどりえ』より《Juin「球根たち」》(サンドペーパーによるエッチィングほか)
題名不詳 モノタイプ
チラシ表
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