歴史を描く-松園・古径・靭彦・青邨-
この展覧会は山種美術館で17日まで開催されていました。
既に終了した展覧会です。
以下の章に分けての展示でした。
第4章の「松園が描く江戸のよそおい」は作品の素晴らしさに加え、照明も工夫されていて、素晴らしい空間でした。
上村松園 牡丹雪
第1章 神話と文学の世界
第2章 平家物語と武者絵の世界
第3章 歴史を彩った人々
第4章 松園が描く江戸のよそおい
私がこの美術館で何度も拝見し、何時観ても素晴らしいと思っている松園の作品「砧」、第3章のコーナーに展示されていました。作品の前の椅子に腰かけてゆっくり観ることができました。
能の名曲「砧」に題材を得ています。
九州筑前のの何某の妻は、訴訟のため京に上った夫の帰りを待ちわび
「遠く離れ囚われの身の夫を恋い慕い、秋の夜寒に高楼に上り砧を打つと、その音が万里離れた夫の元の届いたという中国故事」にならって砧を打ったという場面です。
立ち姿、目線、面立ちが、思いを見事に表現していますよね....素晴らしいですよね。
歴史、物語に取材した作品は、背景を思い浮かべながら観ることができ、絵画そのものの美しさに加え、感情移入ができてとても楽しいものです。
安田靭彦 出陣の舞
桶狭間の戦いの前に、信長が清州城で幸若舞「敦盛」を舞ったという、あまりにも有名な場面を描いています。
人間五十年 天下のうちをくらぶれば 夢幻の如く也、で始まる例の場面ですよね
次の展覧会「ボストン美術館名品展」に清長の名前があり、そちらが気になって、この展覧会はあまり期待しないで観に行ったのですが、とても良かった、楽しかった.....
実は、私が通った小学校、中学校のすぐ近くに山種美術館は引っ越してきたのですが、このことも、この美術館に通う一因になっています。
チラシ以外の画像は、図録、山種コレクション名品選からの引用です。
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