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2011.02.12

吉田修一著 小説「悪人」

この類の本は最近全く読んでいないのですが.....
たまたま、Sonyの電子ブックReader storeで売上一位にランクされていたので、購入して(ダウンンロードして)読んでみました。ちなみに、紙媒体の八掛け程度の値段でした。
電子ブックで1054ページです(文字サイズSで)

実は、ベストセラーであることも、映画化されていたことも最近知りました。

確かに、情景描写も上手いし、今この時の社会、風俗を取り扱っているし、随所に、うまく伏線が埋め込まれていて、読みやすいし、面白かったですよ。
構成を練りに練った、小説ですよね。
一つ気になったのが峠で、佳乃を車からけり出した、大学生が逃げ隠れする理由が今一つ説得力に弱さがあるのかな~と思いました。
映画は、多分観ません、先が読めてしまうとつまらないですものね....いや、観るかもDVDで.....?

話は、九州の一地方の情景描写から始まる、そして、石橋佳男の理髪店の何処にもありそうな日常生活が描かれていく、そんな中、保険会社の外交員として働いている、佳乃から電話がかかってくる、週一度は電話する約束になっているのだ。佳乃は友達と食事に出かけることになっていて、そそくさと電話を切ってしまう。

佳乃は、会社借上げのアパートに住み込んでいる友達二人と食事に出かける。
食事の後、約束があるのでと一人である場所に向かう、友達の一人が「もしかして増尾くん?」と尋ねる。
佳乃は、ハッキリとは答えないが、二人は確信する。
増尾は湯布院で旅館を経営する裕福な家庭に育った大学四年生。

実は、佳乃は出会い系サイトで知り合った、清水祐一と会う約束をしていた。

約束の時間をかなり過ぎて、人通りのない街並みを歩いて約束の駐車場に向かった佳乃は偶然増尾に出くわす。
佳乃は、長い時間待たせた祐一に一言残して彼の車には乗らず、増尾の車に乗って走り去ってしまう。
祐一は、その車を追尾することになる。

走り進んだ峠道にはほとんど車は走っていない。
そして、急に止まった増尾の車から佳乃が放り出される........
そして、いよいよ話が核心に向かって急展開していく.......

以上は、小説の進行とは、少々異なります、悪しからず。

母に捨てられて、祖父母と暮らす清水祐一、理髪店の娘佳乃、その親の石橋佳男。

何かに寄り添いたくて、出会い系サイトで前に会話したことのある祐一に連絡をとり、行動を共にすることになる紳士服店に勤める双子の未婚女性光代。
それぞれが背負った人生を背景に、ある事件をきっかけに物語は錯綜していく。

下手な解説で申し訳ありません、まあ、内容をご存知の方も多いと思いますが、一応ここまでにしておきます。

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コメント

美輪さん、コメントを頂き有難うございます。
なかなか、読み応えがありましたよ。
映画は、日本アカデミー賞候補にもなっていますよね、どうなりますか?

投稿: 美輪さんへ | 2011.02.13 23:27

そのうち読んでみたいと思っている一冊&映画です。友達も凄くいいと言っていたし、いつか是非。

投稿: 美輪 | 2011.02.12 22:21

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