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2011.02.18

今期芥川賞受賞作品を読んでみました 西村賢太著 苦役列車

選評を読むと、概ね撰者の方々の評判は良いようです。

私小説ですが、このジャンル、今この時代に、読者をつかめるのかな~、という気がしないでもありません。
「こんなの、分かった話で、俺の現実の方がリアルに厳しいよ」と言われそうです。

専門家?が文章表現力、情景描写、内容の特質性等々鑑みて選んだ作品ですので、一定の読み応えがあるのは確かだと思うのですが、如何せん、どうも通常は使わない単語が頻繁に使われているのが気になりました。
私の語彙の貧困なのかもしれませんが、話の流れが、スーット脳に沁み込んでいく心地よい感じがありませんでした。

日雇労働で日々を糊塗している北町貫太は、仕事も気ままに、行ったり休んだり。そんな生活を、中学を卒業してこの歳(19歳)まで続けている。生来、人付き合いの苦手な貫太は友達もなく、家賃滞納で追い出され、安アパートを転々として生活している。
そんなある日、仕事現場に向かうバスの中で、専門学校生の日下部と知り合うことになる。
昼休みに、気さくに声をかけてきた日下部と同い年ということもあって、意気投合、その後、仕事帰りに飲屋によったり、風俗で遊んだりするようになる。
話し相手を得た貫太は暫く、まじめに働き、仕事の内容も向上し行くのですが........

日雇労働の実体を織り交ぜながら、貫太という19歳の青年の自虐的挿話が連綿と続く小説。

Kueki

著者記者会見動画

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