生誕100年 随筆家・白洲正子ーあざやかなる生の軌跡
文化の日、神奈川近美葉山館で古賀春江展を観てから、町田市民文学館に行きました。明治時代に生を受け、同じ14歳で画家になるべく東京に出た春江、そしてアメリカに留学した正子。
春江は西欧の潮流に学び、画風をカメレオンのごとく変化させます、そしてシュールなあの代表作「海」を描きます。早世な春江、そして、88歳まで生きた正子は帰国後、日本の美に没入し多くの随筆を書きます。何か不思議な縁を感じた一日でした。
広いとは言えない(はっきり言うと狭い)迷路のような展示会場ですが、一時間以上かけてじっくり観てきました。
幼少期の「お能」体験に始まり、武相荘転居後、河上徹太郎の白洲家への疎開に始まる小林秀雄、青山二郎らとの交友を経て開花した作品世界を、愛用の品々や自筆原稿とともに紹介されています。
正子の人生は憧憬に値しますよね、生まれ育ったし環境の違いはいかんともしがたいのですが.....
「私達の歴史は、たとえ無意識にせよ、私たちと共にある、私たちみんなの中に生きている、そう自覚することが、生きていることの意味」(「夕顔」)ーHPから引用させて頂きましたー
古典を猛烈に読み返したくさせてくれた展覧会。
以下の構成での展示です。
Ⅰ生い立ち
Ⅱ鶴川での日々
Ⅲなんじ、自らを知れ
Ⅳ行くべき道
Ⅴ隠れ里を訪ねて
Ⅵ老木の花
Ⅶ目のさめるような手紙
矢張り、55年のわたって住んだ町田市の名誉市民、地元にちなんだ展示が散見。
町田版画美術館(救いのほとけ展23日まで)、本展(12月19日まで)、武相荘と一日かけて回るのも良いかもしれんさえんよ。
| 固定リンク
« bloggie..... | トップページ | »
コメント