長谷川等伯展
休暇をとって、金曜日にいってきました。
冷たい風が吹いていた日。
そして、フィギアスケート決戦の日。
忘れられない一日になりました。
この展覧会は、東京国立博物館で3月22日迄開催されています。
館内の、ソファーに腰掛けて、12時から14時半ごろまで、ワンセグでフィギアスケートを観戦。ハンカチーフで盛んに眼頭を拭いている「おじさん」を見かけた方、それは私ですよ。
気落ちした心を持ち直して、いよいよ等伯展へ。
第一会場。
第一章能登の絵仏師長谷川信春、いきなりの行列。
ということで、まず会場を一周。
比較的空いている所から順次鑑賞。
等伯といえば、松林図屏風。
もう頭にこびりついている方は多いはず。
この展覧会、等伯という絵師の全貌を把握できる絶好の機会に違いありません。
第一章の絵仏師信春期の精緻な作品は、私の等伯作品イメージをガラッと変えてくれた。
驚きの一言です。
第2章 転機の時-上洛、等伯の誕生-
信春は、33歳の時、妻と幼い息子を連れて、上洛。
18年の雌伏の時を過ごし51歳で千利休を施主として増築・寄進された大徳寺山門の壁画制作を要請される。まもなく、「等伯」号を使い始める。
花鳥画、水墨画、人物画。
オールマイティー「等伯」の時期。
第3章 等伯をめぐる人々-肖像画-
信春期の精緻な作品と繋がる、細かな描写で描かれた肖像画はこれも見ものです。
等伯をめぐる人々に思いを巡らせて。
第四章 桃山謳歌-紺碧画-
狩野永徳のテリトリーに割り込もうと画策、競い合った時期。
もう一つの、ハイライトといってもよいコーナー。
楓図壁貼付が展示されてきます。
松に秋草図屏風
波濤図
花鳥図
柳橋水車図屏風
と続きます。
楓図壁貼付、松に秋草図屏風は三歳で没した秀吉の愛児・鶴丸の鎮魂の意を込めたものと....。
雅、散りばめられた花々、緑、装飾性、大胆な樹形表現。
ご堪能を.....。
第五章 信仰のあかし-本法寺と等伯-
熱心な法華経信者であった等伯。
功徳院日通との深いかかわりを書上等で展示して見せている。
若くして没した愛息への意もあったのだろう、仏涅槃図はその大きさもあってか圧巻。
第六章 墨の魔術師-水墨画への傾倒-
第四章の紺碧画の世界から一変、墨の世界に入っていく。
支持者からの意向、牧谿の作品からのインスピレーションかもしれないとされる。
漢画風の作品が並びます。
出光美術館の竹虎図屏風、竹鶴図屏風の展示もあります。
竹鶴図屏風の世界は、松林図屏風に繋がってきます。
第七章 松林図の世界
もう、言うことはありませんよね。
画家の目指すところは、その場の空気そのものを二次元平面に定着させることだとすれば、
もう完璧。霧の中の松林、霧に包まれてその場に私が存在する。
長々と書いてきました。
頭の中が混乱してきたので、これまでにします。
もう一度参戦してきます。
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コメント
国宝「松林図屏風絵」(東京国立博物館収蔵)と「月夜松林図屏風絵」(京都国立博物館収蔵)は石川県能美市内のかつての名勝「根上の松」から写生した絵であると主張しています。(「根上の松」はヤンキースで活躍した松井秀喜選手の実家のすぐ近くです。)
次のような文章や写真や図で実証しています。
Facebookページ「霊峰白山」で公開していますので、ぜひご覧下さい。。
長谷川等伯の名画、国宝「松林図屏風絵」(東京国立博物館収蔵)と同じ構図で「月夜松林図屏風絵」(京都国立博物館収蔵)というのあります。
9月27日に、能美市根上の「根上の松」から「中秋の名月」が「奥獅子吼山」の上に昇った時の様子を撮影することが出来ましたが、これは「松林図屏風絵」も「月夜松林図屏風絵」も共に、夕靄ごしに「根上の松」から南東方向の白山(二曲一双の中央が白山)を望んだ絵であることを証明するものであります。「月夜松林図屏風絵」では山は描かれていなく、二曲一双の左端に月の出直後の満月(「根上の松」からは真東の方向)が描かれています。これには白山が描かれていないので、「中秋の名月」の翌日の十六夜の月、先日9月28日のような「スーパー・ムーン」かもしれません。
位置関係を考察すると理にかなっていることが解ります。
投稿: 後藤朗 | 2015.11.10 20:02
elmaさん、コメントを頂きありがとうございます。
等伯の人生のドラマを見せてもらいました。
ストーリが浮かんでくる企画展は、本当に飽きない。
一週間いても、新たな発見がありそうです。
良い展覧会あったらどんどん紹介してくださいね。
投稿: elmaさんへ | 2010.03.01 21:18
こんばんは、makoさん!
私も、土曜日に行ってきました。そこそこの混み具合でしたね。金曜日に休暇がとれるmakoさんが、うらやましいです。
圧巻の展示物。行ってよかった展覧会でした。すべてのコーナーの各々の作品が新鮮に移りました。精緻さと大胆さで、描かれた屏風や障壁画。長谷川等伯という絵師の作品の素晴らしさを味わうことができましたね。
二度も「お出かけ」でしたか?飽きない作品が多かったように思います。私も、もう一度でかけようかなぁ!
投稿: elma(自分磨き日記) | 2010.02.28 20:31