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2009.06.08

マーク・ロスコ 瞑想する絵画

Rosukoblog

こういう機会は、もう無いのかと....そう思うと、行かなければと。
やっと、やっとです。
開催期間が延長され6月11日まで、川村記念美術館で開催されています。
しつこいようですが、遠かった。

マーク・レスコは言います。

神聖な体験を求めるなら、それはここにある。
世俗的な体験を求めるなら、それもここにある
私は、どちらでも構わない。
人間の抱く感情の「スケール」、人間とのドラマに関わっていく
出来る限りそれを描こうとしています。

一時間ニ時間と見続ける内に、私の心に沈殿している色に繋がる体験、経験が具体的なイメージとして、はっきりは伴わないのですが頭のどこかで触れあって、何か高揚感を覚えます。
感情が高まってきます。
不思議な体験でした。
忘れがたい展覧会になりました。


Rosuko2blog


上手く説明できそうも無いので、以下に川村記念美術館の解説を引用させていただきます。

マーク・ロスコは、1903年、ロシアのドヴィンスク(現在のラトヴィア共和国、ダウガフピルス)に生まれました。少年期に家族でアメリカに移住し、名門イェール大学に進みますが二年で中退し、1923年にニューヨークに出て画家を目指すようになります。最初は室内の人物や地下鉄の駅などの都会の風景を暗い色調で描き、次いで古代神話にちなむ題名をつけたシュルレアリスム風の絵画を手がけたのち、1940年代の半ば過ぎから具象を離れ、ついには大きな画面にぼんやりとした雲のようなかたちが浮かぶスタイルに到達します。抽象でありながら、光をはらんだ色面が醸し出す神秘性・叙情性に満ちたその絵画は、たちまち世間の注目を集め、ロスコはアメリカを代表する人気画家となったのです。

名声に浴するかたわら、ロスコは「自分の絵画空間」を手に入れる夢を抱きはじめます。それは、他の画家の絵とは一緒にされず、自作だけが部屋の壁に掛けられ、自分の思いどおりに照明や展示がなされた部屋のことでした。そうすることではじめて、ロスコの絵は息づき、複数の作品が音楽のように響き合って、鑑賞者をすっぽりと包み込むことができるからです。

本展に出品されている〈シーグラム壁画〉は、ロスコが初めて空間を与えられ、そのために手がけた連作です。しかし、注文を受けた場所は、セレブリティたちが夜ごと着飾って豪華な食事とおしゃべりを楽しむ、ニューヨークのシーグラムビル内にある最高級レストラン「フォー・シーズンズ」の一室であり、そのスノッブな雰囲気を気に入らなかったロスコは、一度は喜んで引き受けた話を断り、完成した30枚の絵は行き場を失ってしまいます。

それ以前に手がけていた作品と異なり、壁のように大きな横長の画面に、窓枠を思わせるかたちが配され、深い赤茶色、オレンジと黒を基調に描かれた〈シーグラム壁画〉は、より深遠な、未知なる世界にわたしたちを誘います。古代の遺跡にも似たその圧倒的な存在に包まれて、自身を省み、心を彷徨わせ、瞑想にひたる――そうした空間の実現を、ロスコはどれほど待ち望んでいたことでしょう。そしてついに1970年、9点の〈シーグラム壁画〉は大西洋をわたり、ロンドンのテート・ギャラリーに終の棲家を見出しました。また、7点は1990年の開館以来、川村記念美術館の一室に展示され、このアジア唯一のロスコ・ルームは多くの人々に親しまれています。

このたびの展覧会では、50年以上にわたって散逸したままだった〈シーグラム壁画〉の半数となる15点が初めて一堂に会し、あらたなロスコ空間を創り上げます。おそらく二度と見ることができない千載一遇の機会となることでしょう。そのほか、〈シーグラム壁画〉のための展示模型や関連作品、〈シーグラム壁画〉以前の大作、以降に制作された幻の連作など13点と、本邦初公開となるロスコの書簡などをあわせてご紹介し、晩年のロスコ芸術の真髄に迫ります。

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