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2008.06.28

映画 素足の1500マイル 

31084772


監督 フィリップ・ノイス
原作 ドリス・ピルキングストン
出演 エヴァリン・サンピ
    ローラ・モナガン
    ティアナ・サンズベリー

上映時間 94分
2002年 オーストラリア     

オーストラリアに入植してきたイギリス人は
彼らの土地を、取り上げたばかりでなく
ほんの数十年前まで、アボリジニーの子供たちを、家族から引き離し
隔離し、白人化政策を行っていた。

いわゆる10万人ともいわれる『盗まれた世代』と呼ばれる人々。
収容所から、親のもとには二度と帰れず。
労働力として教育され、白人家庭に引き取られたりしてきた。
アイデンティティーを失った人々の存在は今でも社会問題となっている。

(この映画のあらすじ)
1931年の西オーストラリア。
先住民アボリジニと白人の間に生まれたモリー、妹デイジー、従妹グレーシーは白人社会に適応させるための
{隔離同化政策}により、拉致され施設に収容される。
モリー姉妹の父は、ウサギ除けの延々と続くフェンスを作りにきた白人だ。

しかし、収容された三人は生まれた土地、母への思いは強く、脱走する。
モリーは頭のいい子.....例のフェンスに沿って故郷を目指す。
実に、2400キロの道を歩き続ける、時に、出会った人々に助けられ。
時に、嘘をつかれながら.....
従妹グレーシーは、だまされて収容所に連れ戻されてしまう。
そして.....

ラストのシーンで、ご本人が登場し、その後の、不幸な歴史が語られる。

白人社会の一部、とキリスト教の一部が繰り返してきた過去の歴史、この国も例外ではなかったわけだ。
考えてしまった映画。

モリーの娘が書いた原作本の映画化。

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コメント

elmaさん、コメントを頂きありがとうございます。

このような映画は、我々が失ってしまった何かを、気づかせてくれる様に思います。

映画も、いろいろなことを教えてくれますね。
これからも、良い映画にめぐりあえます様に....

>ところで、「エミリー・ウングワレー展」は、ご覧になりましたか。

未だです。
皇太子ご夫妻も行かれたようですね。
どうしよう、と思っています.....

投稿: elmaさんへ | 2008.07.06 21:12

おはようございます、makoさん!

makoさんのブログと「エミリー・ウングワレー展」の繋がりで、この映画を観てみました。後半、砂漠をフラフラしながら歩いていく映像が、印象に残りました。「精霊の鳥がいつでも、見守ってくれている」という教え、そして、母親の子の安全を願う儀式・・・。そして、白人を押し返してしまう気迫。いい映画でしたね。

ところで、「エミリー・ウングワレー展」は、ご覧になりましたか。

投稿: elma | 2008.07.06 08:10

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