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2008.02.06

映画 カポーティ

39m

製作年 : 2006年
製作国 : アメリカ
配給 : ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 : 114分

監督 : ベネット・ミラー
脚本・製作総指揮 : ダン・ファターマン

出演 : フィリップ・シーモア・ホフマン 、 キャサリン・キーナー 、 クリス・クーパー 、 クリフトン・コリンズJr. 、 ブルース・グリーンウッド

冷血を執筆するカポーティを追っかけた映画。


農家の一家4人が惨殺された事件の記事を新聞から切り抜く彼は、この事件を雑誌の記事を書くことを思いつく。編集者に話を持ちかけたカポーティは事件のあったカンザス州に向かう。

社交界ではしゃぐ彼と事件を追うカポーティが交互に現れる。
カポーティの独特な人柄の好演が面白い。

そして、犯人との接触、取材。
時には、自分の小説家としての名声を使い、金を渡し......

次第に、犯人の一人ペリー・スミスに思い入れをしていく。
優秀な弁護士の紹介までして、ペリー・スミスの心をつかんでいく。

カポーティの本心はどこにあるのか、本を完成させるためなのか?
彼を救いたいのか?

死刑の判決を受けた、犯人の二人の控訴が次々と認められると、カポーティは次第に追い込まれていく。
小説が完成しないからだ。
そして、いよいよ.....

完成するまでに6年の歳月がたった。
冷血の後、彼はほとんど作品を発表しなくなった。

ノンフィクション作品を書き上げようとする、作家の傲慢と苦悩を感じさせてくれた佳作。


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コメント

うしろの正面さん、コメントを頂きありがとうございます。

>ペリーを鏡を見るようにして見ているカポ-ティ自身の闇を、冷徹に、でも哀れみを以って描いている映画(脚本)、とても良かった。

同感です。
映画の導入部から、途中までは進行が緩慢な感じで、どうかな?
と思いながら見ていましたが、ペリーと面会して、控訴が認められていく場面あたりからがぜん本領発揮の映画だと思いました。

大絶賛とはいえませんが、良い映画ですよね。


投稿: うしろの正面さんへ | 2008.02.06 12:46

私も見たばっかりですよー。
「冷血」読んで「これがノンフィクションノベルの傑作??いまいちピンとこないのは、現代の深い闇から生まれるような犯罪を見聞きしすぎているせいか?」と思っていたのですが、映画を見て、何故二人(特にペリー)があんな犯罪を犯したのか、そしてカポーティがタイトルを「冷血」にしたのか、わかりました。
大抵原作を読んでから映画を見るとがっかりするものですが、よく出来てると思いました。まあ、これは「冷血」じゃなくて「カポーティ」なので当たり前といえば当たり前ですが。
ペリーを鏡を見るようにして見ているカポ-ティ自身の闇を、冷徹に、でも哀れみを以って描いている映画(脚本)、とても良かった。

投稿: うしろの正面 | 2008.02.06 12:25

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