土田ヒロミのニッポン
正月の挨拶に、菩提寺に行って、その後、恵比寿の写美に行ってきました。
2月20日まで開催されています。
上田ヒロミ氏ご本人のレクチャーを聴きながら鑑賞しました。
写美の重点収集作家である氏の、フリーランスになってから現在までの作品を時系列で展示しています。
以下、画像はチラシからの切り取りです。
part1 日本人
「俗神」-過去に繋がる私-(1968-75)
フリーランスになる際、自分自身を検証するために撮り続けた作品。
日本人の原点を見据えるように、土俗的な風景、人物をアップでとらえています。
「砂を数える」-拡大する経済 都市化する私-(1975-89)
首都圏中心に個人を特定しない、ひいたフレームで群衆をとらえています。
時代の、心理をとらえようと撮り続けたように思います。
「パーティー」-バブル経済 踊る私-(1980-90)
パーティに見る集団をとらえています。
振り返ってみると、日本人が奢りきった、醜悪な時代だったのかもしれません。
「新・砂を数える」-新世紀 fake化する私-(1995-2004)
モノクロから、カラーに変化します。
そして、デジタル技術で、画面を丹念に作っています。
真と偽の境界を狙った面白い世界。
作者自身が必ず映しこまれています。
「続・俗神」-日本の祭りを記号化-(1980-2004)
大判カメラで撮影したネガを、スキャンしてインクジェットでプリントした作品。
この明快さは銀塩の持つ情報量が決め手だということです。(データ処理だけで30分以上掛かるようです)
デジタルカメラでは、表現できないそうです。
メリハリのいい画面に関心。
partⅡ ヒロシマ
「ヒロシマ三部作」(1976-79)
被爆体験記「原爆の子」に登場し、30~40歳になった107人の被爆者を訪ね歩いた作品。
広島遺跡を訪ねた作品、及び、原爆遺品を撮影した作品。
生きることの重さが伝わってくるシリーズ。
partⅢ Dailyセルフポートレイト
1986年から毎日、自分を撮り続けた作品。
老いること、変わりゆく自分を記録し続けている。
写真表現の多様性、面白さを実感させてくれる展覧会だと思いました。
アマチュアとの大きな違いを実感。
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