麦の穂をゆらす風
監督:ケン・ローチ
脚本:ポール・ラヴァティ/プロデューサー:レベッカ・オブライエン
キャスト
キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド他
[2006年/アイルランド=イギリス=ドイツ=イタリア=スペイン/126分/カラー/1:1.85/ドルビーSRD]
原題:The Wind That Shakes The Barley (大麦を揺らす風)
アイルランドの独立運動、内紛のなか、生きることの苛烈さを、圧倒的な力で見せてつけられた。
友情、兄弟、恋人、全てを、翻弄してしまう現実、村一番の秀才、医師ダミアン青年の守り続けたものとは.....。
秀作です。
映画の魅力を、この作品は再確認させてくれました。
以下はHPの解説をそのまま引用させていただきました。
予備知識なく観たい方は読まないでください。
1920年、アイルランド南部の町、コーク。
医師を志す青年デミアンは、ロンドンの病院での仕事が決まり、アイルランドを離れようとしている。故郷を離れる前に、デミアンは友人たちとハーリングを楽しむ。ゲームが終わり、デミアンは別れの挨拶のためぺギー一家を訪れた。ペギー一家は、両親を早くに亡くしたデミアンにとって家族のような存在だった。するとそこへブラック・アンド・タンズがあらわれる。デミアンたちがハーリングをやったことを咎め、厳しく侮辱的な尋問を始めたのだ。若者たちの中、ぺギーの孫で17歳になるミホールは、“マイケル”という英語名を名乗ろうとせず、アイルランド名を言ったばかりに、ブラック・アンド・タンズの暴行を受け、殺されてしまう。ミホールの葬儀の日。村の女性が、「麦の穂をゆらす風」を歌って若者の死を悼んだ。イギリスへの抵抗、そしてアイルランド独立のために、若者たちは武器をとって戦うことを話し合う。かつて神学校に行っていたデミアンの兄テディは、そんな若者たちのリーダー的な存在。しかしデミアンは、イギリス軍の強大な武力の前に何ができるのかと疑問を投げかける。そんなデミアンに、ミホールの姉シネードは落胆を隠そうとしなかった。
デミアンがロンドンへ出発する日。駅で見た光景が、彼の気持ちを変える。
イギリス兵士を列車に乗せることを、駅員、運転士、車掌が拒否。彼らは兵士に手酷い暴力を受けるが、断固として態度を変えず、兵士たちに乗車をあきらめさせたのだ。
デミアンは、医師になる道を捨て、兄テディとともにアイルランド独立をめざす戦いに身を投じることを心に決める。これまで暴力にはまったく縁のない生活をおくり、人の命を助ける医者になりたいと願っていたデミアン。そんな彼が、銃を手に敵の命を奪うようになるまで、たいして時間はかからなかった。戦いは悲惨だった。敵も味方も命を失う。裏切りもある。しかし村の人々は彼らの戦いを助け、シネードもまたその闘争に加わり、彼らの戦いを支えた。デミアンは、長く独立への戦いをつづけている男ダンに出会う。彼は、あの日見た、列車の運転士だった。デミアンはダンから、この戦いがアイルランドの貧しい人々を救うためのものであるべきだということを学ぶ。
戦いは日に日に激しくなり、シネードとぺギーらが暮す家が焼き討ちにあう。しかし、独立をめざす激しいゲリラ戦は各地でイギリス軍を苦しめ、ついにイギリスは停戦を申し入れ、戦いは終結する。ようやく自由と平和を手にする時が来たと喜ぶデミアンたち。アイルランドの音楽とダンスで、村の人々が自由を祝ったその夜、デミアンとシネードは初めて結ばれた。
だがデミアンたちの喜びはつかの間だった。イギリス軍は撤退し、イギリスとアイルランドは講和条約を結んだが、その内容はアイルランドを完全な自由にするものではなかったのだ。イギリスは“アイルランド自由国”を認めたものの、それは英連邦の自治領としてだった。イギリスはアイルランドから得られる利益を手放そうとせず、イギリス国王は総督として権限を持ちつづけ、しかも北の6つの郡はイギリスに残りアイルランドは分断されることになった。
アイルランドの指導者たちの中で、この条約に賛成するものと反対するものに分かれて対立が始まる。それはやがてアイルランド人同志が戦う内戦へと向かってしまう。条約を自由へのステップと考えて賛成する兄テディ。完全な自由と貧しい人々の幸福を求めて条約に反対する弟デミアン。内戦とはつまり、かつて共に戦った仲間たちが、隣り合う者たちが、そして家族や兄弟が、敵味方に分かれ傷つけあうことを意味していた……。
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コメント
elmaさんコメントを頂きありがとうございます。
世界中で、紛争が絶えません。
つくずく、平和な時代、この国に生きる幸せを感じます。
この映画は、いろいろなことを考えさせてくれます。
お勧めですよ。
elmaさんにとっても、良い年になりますようにお祈りいたします。
来年もよろしくお願いたします。
投稿: elmaさんへ | 2007.12.31 17:05
おはようございます、makoさん!
「麦の穂をゆらす風」を探してみましたが、「レンタル中」のようです。人気があるのですね。
「家の鍵」もいつ行っても同じく「レンタル中」・・・。残念です。
アイルランドと聞くとウィスキーを連想してしまいます。そして、「もし僕らの言葉がウィスキーであったなら」(村上春樹著)エッセイです。
ウィスキーの綴りには、「Whiskey」「Whisky」の二つがあるようですね。この区別をつけられるように、答えを探してみますね。今年は、いろいろな映画を楽しませていただき、ありがとうございました。
makoさんにとって、2008年がよい年になりますように・・・。
投稿: elma | 2007.12.31 09:49