カラフル・ワールド! 版画と色彩展
多摩地区の美術館めぐり、今回は、町田市立国際版画美術館です。
この展覧会と、常設展示を含めて、この美術館ならではの展覧会になっています。
都心のメジャー美術館もいいのですが、このような空間を独り占めできる幸せは、こちらの方が、はるかに優れています。
作家も含めて、メジャーだけじゃつまらない!!
9月30日まで開催されています。
以下、HPの解説を引用させていただきながら、感想を記します。
【展覧会構成】
「色を塗る」 ドイツの書籍挿絵 15世紀~16世紀、フランスの民衆版画など
「色を刷る」
◎木版画 16世紀イタリアのキアロスクーロ(濃淡刷り)19世紀ドイツの多色刷り木版画
日本の多色刷り技法:吉田穂高「ロドペの白い家」版木と刷りなど
吉田穂高「ロドペの白い家」は版木と摺りの過程を展示しています、じっくり見比べてきました、この版からこんな見事なすりが得られるのだな、
プロの仕事はすごいなと感心させられます。
◎銅版画―華麗な18世紀フランス版画
この時代の細密な版画は本当にドラマティック
◎色彩の饗宴―19世紀
石版画の多色刷り:ショッター=ボイス、ヴァロットン、シェレ、ミュシャ、トゥールーズ=ロートレック、ボナール、 ドニ、スタンランなど
木口木版の多色刷り:グリナウェイ、クレイン、ドイルなど
ドニの版画にこのような作品があったのは知りませんでした、まるで色鉛筆で描いたような柔らかなタッチ、「愛」
という主題がすんなりと入ってくる名作です。
そして、ミュシャ、トゥールーズ=ロートレック、ボナールおなじみの作家も個性的で良い
「色を伝える――博物誌の世界」
◎ゴーティエ=ダゴティの解剖図(18世紀)
◎植物図譜『フローラの神殿』(19世紀)、『蘭花譜』(1946年刊 2005年部分再刊)、鳥類誌『オーデュボンのアメリカの鳥』(1827~1838年 ※ファクシミリ版=複製)
◎エジプト誌(18世紀末~19世紀)
「光と闇――――まぼろしの色」
ジョン・マーティン(メゾチント)、オディロン・ルドン(石版画)、長谷川潔(メゾチント)
駒井哲郎(エッチング)、丹阿弥丹波子(メゾチント)など
長谷川潔、駒井哲郎)、丹阿弥丹波子の作品は、この美術館で何度も観てきたので.....。
ジョン・マーティンの失楽園はすばらしいですよ
オディロン・ルドンの作品展は今、Bunkamuraミュージアムで開催中ですね、どうしよう
展示総数 版画約130点
版画の歴史を振り返ると、色鮮やかな版画をもとめて、人々は実にさまざまな工夫をこらしてきたことがわかります。この展示では、版画に色彩を導入するための努力のあとを、主にヨーロッパの版画を中心にたどります。また同時に、カラフルな世界とは逆の、モノクロームの世界にこだわった作品も展示します。
ヨーロッパの版画はその始まりから、色彩と深いかかわりがありました。15世紀の古い木版画からすでに、筆で色を塗ったものが多く作られたのです。筆で色を塗ることを手彩色(てざいしき)といいます。手彩色は型紙(ステンシル)などを利用して合理化され、民衆版画などでも多く行なわれました。
本展ではこういった古いヨーロッパの版画から、版を刷りかさねることで色彩を表現する多色刷り木版画、また、ひじょうに手間のかかる銅版画の多色刷り、水彩画やパステル画にしか見えない不思議な版画、そして本格的な色刷りの道をひらいた石版画(リトグラフ)、さらには解剖図や植物図譜にいたるまで、さまざまな時代の版画を「色彩」というポイントでチョイスして展示します。そこには「これが版画?」と誰もが驚く色鮮やかな世界が広がっています。夏休み企画として小・中学生にも楽しめる展示をめざします。ぜひご覧ください。
| 固定リンク
コメント