マルレーネ・デュマス ブロークン・ホワイト
かなり前から、チケットを購入して観に行くのを楽しみにしていたのですが、とうとう最終日前日となり、慌てての出陣となりました。それも夕方です。
7月1日で終了です。
さて、観ての感想です。
どうしよう.....。
彼女が生まれ育った、南アフリカ、学んだアムステルダムを抜きにして語れない作家なのかもしれません。
南アフリカでは、かつて日本人は名誉白人という不名誉な言われ方をしていたと記憶しています。
公共バスの中でも白人と黒人の乗車スペースが区画されていたとも聞いていました。
彼女は言います。
「いま私たちの怒りや悲しみ、死や愛といった感情をリアルに表現してくれるのは写真や映画になってしまった。かつては絵画が担っていたそのテーマをもういちど絵画の中に取り戻したい」
彼女が、描く顔には笑いがありません、たらしこみの技術をうまく使って、情念を表現しています。
怒り、悲しみ、哀愁。
直接訴えるのではなく、染み込むように......。
眼の描き方、表現に注目です。
今回の、展覧会のタイトルにあるブロークン・ホワイトは荒木経惟さんの写真を基にして描いています。
荒木さんの情感とデュマスさんの女性としての情感の微妙な違いが面白かった。
(荒木さんの写真も展示されています)
さて、彼女は私と同世代の方です。(それにしても貫禄ありますねー)
これからどの様に、変化していくのか楽しみです。
油彩の色彩にも注目です。
上手いと思います。
展覧会場に入って直ぐは、どうしようと思い、見終わった後になんとなく忘れがたい作家になるかもしれない
と感じる展覧会は結構あります。
私にとって、そのような作家になるかもしれません。
でも、人によって、好き、嫌い両極に分かれるかなー
以下は、チラシからの切り抜きです。
女
レザーブーツ
ブロークン・ホワイト
ビフォー・オア・アフター革命
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コメント
うしろの正面さん、コメントを頂きありがとうございます。
>不条理に対する怒りを形にするのは簡単なことにも思えますが、一瞬で表現できない絵画を手段にする場合、大変なエネルギーが要るのではないかと思います。
絵画の方が、表現手段の幅は広いような気がします。しかし、難しいですね、いざ、自分がどのような方法で、人々に感応してもらえる絵画をとなると.....。
我々は、一部の表現者の作品しか見られないわけですが、埋もれた作家の中に、心底、共感できる作家がいるのかもしれませんよね。
投稿: うしろの正面さんへ | 2007.07.03 04:28
いろいろなところで見聞きして、これは絶対好きだ、見に行きたいが・・・と思っていましたが、またしてもmakoさんの記事で疑似体験させていただきました。お世話になっております。(笑)
そして、やっぱり見に行くんだったと思いました。
不条理に対する怒りを形にするのは簡単なことにも思えますが、一瞬で表現できない絵画を手段にする場合、大変なエネルギーが要るのではないかと思います。
ほんとだ、貫禄ありますね。これなら、出来るかもしれん。
貫禄(内面の充実が外に表れている)が先か、作品が先か?・・・同時進行ですね。きっと。
投稿: うしろの正面 | 2007.07.02 12:50