列車に乗った男
2002年 フランス/監督:パトリス・ルコント/ジャン・ロシュフォール/ジョニー・アリディ
寂れた街の駅に、頭痛を抱えた一人の男が降り立った。
薬屋に入ったその男と、初老の紳士の眼が合う。
男は、アスピリンを買って店を出る。
「発泡剤を渡しやがった」
「水がいるね」「うちで呑むかね」
男は、彼の家で薬を飲み、ホテルを探すが、寂れた街のホテルは休業していた。
男は、彼の家に戻り
「土曜日にある仕事があるんだ」
その日まで、お世話になりたいと申し出る。
「私も土曜に予定があるんだ」
彼にも、ある重要な予定があった。
彼は、しゃべり続け、男はあくまでも寡黙だ。
彼は、退官教授、生まれてからこの日まで、この屋敷で生活し、同ことの繰り返しの人生だ。
男は、頼む、
「スリッパを履かせてくれないか、履いたことがないんだ」
流れ者人生なのだ。
あまりにもかけ離れた人生、男と彼は、お互いに憧れの人生を感じあう。
そして土曜日がやってくる。
男は、銀行に向かい、彼は病院に向かう。
そしてラストシーン、お互いの人生が交錯する。
役者よし、映像よし、音楽よし、勿論監督よし、良い映画です。
凝った話なんかありません、二人の男の醸し出す心象、それ引き立てる映像、アングル、音楽。
長編詩のような......。
私も列車に乗りたくなった........。
久しぶりのフランス映画鑑賞です。
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