アンリ・カルティエ・ブレッソン 知られざる全貌
幸せなことに、このところ、良い展覧会に続けて遭遇しています。
私にとって、今年の印象に残る展覧会の上位に位置するかもしれないと思っています。
この展覧会のキーワードは以下の三点だと思います。
造形芸術にとっての幾何学は作家にとっての文法である。(アポリネール)
(会場の壁に書いてありました)
グレーの色調
眼と心をひとつにして決定的瞬間が起こるのを待つ
叔父の影響で、画家を目指し勉強したアンリ・カルティエ・ブレッソン(HCB)は、ライカと出会い、写真に目覚めます。
戦前、ヨーロッパでの作品を基にしてニューヨークで個展を開きますが、評判は芳しくなかったようです。
その後、メキシコ、アメリカ、スペインで写真を撮影しています。
この時期、映画撮影にもかかわります。
第二次世界大戦を地下抵抗運動に従事したHCBは、キャパらとともに「マグナム」を結成します。
HCBはアジア地区担当として、インド、中国、インドネシアで歴史的瞬間に遭遇、写真を撮り続けます。
これらの写真を、戦後発表し、世界の写真家に大きな影響を与えることになる。
そして晩年、少年時代の絵画の世界に戻ります。
私は、美しい写真によってこそ、より情景、心象が際立つことを学んできましたが、まさに、この作品群は
「一点たりとも退屈な作品はありません」と言い切っても良いくらいです。
撮るという行為と、プリント作業、写真におけるこだわりの原点のような作品群です。
写真の面白さ、美しさを堪能させてくれる展覧会です。
さあ、どうします。
私は、もう一度行きます。
2階の、ギャラリー4ではアンリ・ミショー展 ひとのかたち
この展覧会もお勧め。
4階の特集展示では、木村伊兵衛、ケーテ・コルビッツの作品が見られます。
充実したとても良い日になりました。
以下は、雑誌を撮影したものです、分かりづらいと思います、すみません。
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コメント
うしろの正面さん、コメントを頂きありがとうございます。
こだわりを持って撮り、作品を作り続ける。
うしろの正面さんと共通しているのではないですか。
うしろの正面さんの作品にも、何時も感嘆させられます。
時間が出来たら、お出かけください、お勧めです。
撮った写真を見ていただいて、たった一人でも、喜んで
いただけたらうれしい。
それで私は満足。
投稿: うしろの正面さんへ | 2007.07.12 21:14
写真を撮り始めたわりには巨匠と言われる人たちのことを何も知らずにいます。
アンリ・カルティエ・ブレッソンは昨年テレビの「美の巨人」で初めて知りました。
いずれ、見る機会が来るだろうと思っていましたが、やっとというかついにというか、その時がきた訳ですね。
私にどんな影響を与えてくれるかとても楽しみです。
makoさん、大絶賛ですね。この記事読んで行く気にならない人はいない!近美から感謝状もらってもいいですね。
雑誌は「Pen」ですね。
あー、アンリ・カルティエ・ブレッソンの特集だ、見たら買っちゃうから見ない、なんてヘンに節約したりしていましたが、やっぱり買っちゃう。
まだバックナンバー置いてある書店に買いに行きます。
この写真の出し方、モノクロは意識的であとは狙いなし、なのだと思いますが、雑誌がほんの少し痛んでいるところとか、欅のテーブル(多分)との取り合わせとか、すこしづつ周りの空きがずれているところとか、素敵な組写真になっていますね。
しばし、見入ってしまいました。
投稿: うしろの正面 | 2007.07.12 13:16
elmaさん、おはようございます。
コメントを頂きありがとうございます。
写真の美しさ、構図、シャッターを押すタイミング、天性のものなのかもしれないと思ってしまいました。
インドを取材した写真は、感動ものでした。
満足していただけたとしたら、ご紹介できてうれしく思います。
投稿: elmaさんへ | 2007.07.09 08:22
こんばんは、makoさん!
今朝、makoさんのブログを拝見して、私も行ってきました。
とてもすばらしい展覧会でした。どの作品をとっても、すばらしい!!
大きな感激というより、静かな気分で幸せになれるような感激でした。いい作品ばかり・・・。やはり、モノクロはいいですね。
ありがとうございます。
投稿: elma(自分磨き) | 2007.07.08 20:58