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2007.05.27

藤森建築と路上観察展

Fujimori1

あの、樹上ハウスを作った藤森さんとその仲間たちの展覧会です。

何かとても、羨ましいおじさんたちの中にもぐりこんで楽しめる、そんな感じの展覧会です。

東京オペラシティーギャラリーで7月1日まで開催されています。

建築で一番大切なものは何かと問われれば、たいていの建築家は平面とか構造とかあるいは思想とか答えるだろう。私は違い、小さな声で”シアゲ”と答える。

と藤森さんは言っています。

展覧会では先ず、工具と素材の加工例が展示されています。

既成素材をいろいろな工具使い、削ったり、焼いたり、不規則に折り曲げたり。
素材も、貝殻を埋め込んだり、スレートや手で折り曲げた銅板で屋根を葺いたり。

次のコーナーでは、完成された建築写真のパネル展示と模型が並んでいます。

屋根にニラを植えたりタンポポを植えたり。

また、芝を埋め込んだり。

樹上ハウスのように、自然と共生するような建物の写真パネルが並びます。

細川元総理の工房も藤森さんの作品なんですね。

さて、メインは次のコーナーです。

靴を脱ぐように促されて、丸窓をくぐると草葺の模型作品が建ち並んでいます。

近未来東京の設計模型もあります。

そこでは、床に寝転んで、樹上ハウスの作成過程ビデオを見ている人がいたりします。

更に、竹と縄で編まれたドーム型シアターの丸窓をくぐると、路上観察学会作成の面白ビデオが画放映されています。

みんな楽しそうに見ています。

行くべきか否か迷った展覧会でしたが、何か一息つくことができる、そんな感じの展覧会です。

パンフレットが良かったので、そのまま使わせていただきます。

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Fujimori3


Fujimori4


Fujimori5

以下に、HPの解説文を引用させていただきます。

「見たこともないのに懐かしい」 藤森照信の「野蛮ギャルド建築」
屋根にタンポポやニラが植えられた住宅、皮付きの木材を柱にした巣箱のような茶室。藤森照信の作品は、建築の通念を軽やかに超えた新しさと、遠い記憶を呼び起こさせる懐かしさを併せ持った、きわめて独創的な建築として知られています。20世紀の近代主義が創造したのは科学技術に裏打ちされた機能的な建築でした。自然との関係や歴史性、地域性を排し、国際的普遍性を備えた建築は「インターナショナル・スタイル」と呼ばれ、新しい建築の方向性を示す運動として認められる一方、無機質な人工物を量産した結果、都市の表情を奪う要因ともなりました。現代の建築家がこうした矛盾を克服しようと未来に向かって模索する中、藤森は自然の素材、地域に残る昔ながらの技法など近代建築が排したものを取り入れた「過去に向かっての前衛」を試みました。国家や民俗、建築様式が生まれる以前の、いかなる枠組みにもとらわれないインターナショナルにしてヴァナキュラー*な藤森建築は、施工にあたり、藤森自身、友人、施主からなる「縄文建築団」が参加して手作りすることも特徴です。
会場では、処女作《神長官守矢史料館》から今年4月に竣工予定の最新作《ねむの木美術館》にいたる藤森の全作品が紹介されるとともに、ヴェネチアでも好評を博した竹と縄で編まれたドーム型シアターが更にスケールアップして「縄文建築団」によって再び制作されます。「自然素材と植物を使って建築と自然の関係を根本から考え直し、かつ人類がはじめて建築という人工物を作った時点に迫りたい」という藤森の試みは、手仕事で仕上げた壁面、屋根、木仕上(もくしあげ)の見本でも明らかにされ、空想上の建築と見まがうばかりの藤森作品をリアルに体感する場となります。


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コメント

うしろの正面さん、コメントを頂きありがとうございます。

私は、まったくの素人ですが、建築展にはよく行くほうだと思います。

私も作りたい!!
そんな気持ちにさせてくれます。
何にでも手を出したい、困った性格ですが、自分の
手で家を建てるとなると、少々覚悟がいりますね。

専門家にとっては物足りない展覧会かも知れませんが、私は楽しめました。

遊び心、大切にしたいですね。

若い方から、中高年まで、幅広い観客層でしたよ。


投稿: うしろの正面さんへ | 2007.05.30 12:31

藤森照信氏の建築探偵シリーズのお世話になっている(素人が建築に興味を持てるように易しく面白く書いてくれてる)ので、これは見にいかなくては、です。
makoさんご自身が楽しまれたのか、建築探偵シリーズを読むような味がするレポートですね。
実は昨日、ワタリウムでタウトを見てきたのですが、ぜーんぜんわかりませんでした。というか、タイクツ・・・。専門家の人にはたまらない展覧会だったのでしょうけど。こっちに行きゃ良かった・・・・。

藤森氏の建築って、いかにも遊び心のある「理系」の人の仕事、というイメージで、ほほえましい感じがします。
きっといつまで経っても少年なんですね。

投稿: うしろの正面 | 2007.05.29 15:40

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