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2007.04.15

中国憧憬 日本美術の秘密を探れ

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チラシに、探幽も大雅も版画が好きだったと書いてあります。

町田市国際版画美術館、開館20周年記念展です。
6月20日まで開催されています。

中国の温首相が忙しい日程を終えて、帰国されました。
政治の世界は、魑魅魍魎、奇奇怪怪ですね。
温首相にも観ていただきたかった、展覧会です。

如何に、中国の文化、地(西湖を中心として)、政治に憧れて真似てきたのか、よく分かる展覧会です。

先ずは、仏画の軸の美しさに感心します。
明兆(みんちょう)の三十三観音図、原在中の観音三十三身です。 
観音様のお姿の美しさ、その下には、法華経普門品の絵解き場面が.....。

六角寂済ほかの融通念仏縁起は良忍禅師の生涯と功徳を描いた絵巻物です。
明徳版本、応永版本、天保版本他が展示されています。

十牛図は展覧会でよく見かけますよね、禅修行の十段階を牛と牧童の関係でたとえた絵画です。
私には何のことかりません。解説書がありますので今度挑戦してみます。
狩野探幽の作品が展示されています。
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狩野探幽(1602-72) 十牛図


西湖図、西湖図屏風はまさに漢画そのものですね。
探幽、鴎斎の作品は雄大な景勝地を見事の描いています。
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西湖十景図(部分)


帝鑑図は中国歴代皇帝の善行81、愚考36の故事を収録したものですが。
このような作品は、お話としても面白いし、絵画としても楽しめます。
(チラシに使われている絵画)


蘭亭曲水図屏風は王義之が高士を招いて行なわれたもので、当時の優雅な遊びを思わせます。
狩野山雪の屏風がとても美しい。

更に、池大池、谷文晁、渡辺崋山の作品が連なります。

王概編、芥子園画伝は谷文晁旧蔵のものが展示されていて、参考にしていたことが分かります。
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円山応挙旧蔵の洪応明の仙仏奇そう(そうの字が変換されない)も展示されていて、矢張り彼らも手本にしていたのだなと分かります。

中国への憧憬が文字通り、分かりやすく伝わってくる、良い展覧会です。

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狩野山雪 四季耕作図屏風

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祗園南海 冬景山水図

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池大雅 大雅堂点景人物帖

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融通念仏縁起


以下はHP解説文の引用です。

2007年4月、町田市立国際版画美術館は開館20周年を迎えます。これを記念し、「中国憧憬 日本美術の秘密を探れ」展を開催します。
日本は古来より中国大陸の文化に多くを学んできました。もちろん、美術の分野においてもその通りです。中国美術といえば、水墨の山水画や豊かな色彩を持つ花鳥画などがまっさきに思い浮かびます。しかし、数多く摺られて流通した木版画の影響力は計り知れません。中国から日本にもたらされた木版摺りの書籍(版本・はんぽん)は、我が国の美術に大きな影響を与えています。中国の版本に現れる豊富な木版画が日本の図像表現のお手本となったのです。
本展では、平安~室町時代の仏画や絵巻物から、江戸時代の狩野探幽(かのうたんゆう)や池大雅(いけのたいが)、谷文晁(たにぶんちょう)らの作品まで、豊富な作例を展示し、版本を介した中国画題受容の様相を検証します。小さな木版の画面がまだ見ぬ中国のイメージを喚起し、新しい日本美術を生み出してきた歴史を、重要文化財9点を含む約110点の作品によってたどる試みです。どうぞご鑑賞下さい。

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コメント

はろるどさん、コメントを頂きありがとうございます。

なかなか、本で勉強という機会がないので、このような展覧会はありがたいです。

江戸絵画のルーツを垣間見たような気分です。
私にとっては、とてもいい展覧会でした。

投稿: はろるどさんへ | 2007.04.16 08:29

こんばんは。
この展覧会はチェックしておりませんでした。
江戸絵画好きには必見の展覧会かもしれませんね。
町田の版画美術館へは一度も行ったことがないので、
これを機会に足を伸ばしてみようかなとも思いました。
ご情報をありがとうございます。

投稿: はろるど | 2007.04.16 00:47

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