都路華香展
先週、東京マラソンで竹橋を通過する時に、来週はここに......と思いながら走りました。
都路華香の作品をまとめて見るのは初めてです、良い作品がたくさんありました。
3月4日まで竹橋の近美で開催されています。
入場してまず、迫力満点の嘯虎図があります。
華香の目の表現は、動物、人間にかかわらずとても魅力的です。鋭く、やさしく、すがすがしく....。
棒空喝
さて、私は吉野の桜、濤声、松風村雨、の3作品が展示されているコーナーで長い時間をすごしました。
明瞭な色彩で描かれた大観の夜桜を思いだしたのですが、霞がかかったようなこの桜は圧巻でした。
桜を描いた数ある作品の中でも私の中ではベストです。
波の描き方にこだわった華香ですが、濤声に描かれた波、松風村雨に描かれた波は、動と静を見事に描き分けられていると感じました。
松風村雨は、波の表現、女性の描き方共にすばらしい、物語性に富んだ作品です。
謡曲に取材しています。
解説を引用します。
在原行平が須磨に流された折、松風、村雨という海女と想いを交わす。やがて許された行平は、二人に形見として烏帽子と狩衣を与え、京に戻った。あるとき須磨に行く旅の僧の前に二人の海女が現れ、松風、村雨の霊であると名乗る。烏帽子と狩衣を身につけ狂おしく舞った松風は、夜明けが来ると僧に回向を頼みつつ消える。
他にも、良い作品がたくさんありました。前期を見逃したのが残念です。
スキャナーに取り込みづらい図録ですね、一部かけています、あしからず。
以下に、HPの解説を引用させていただきます。
都路華香(つじ・かこう、1871-1931)は、竹内栖鳳、菊池芳文、谷口香嶠とともに、「幸野楳嶺門下の四天王」と並び称された日本画家です。華香はさまざまな展覧会で活躍する一方、教育者としても近代京都画壇の隆盛を支えました。
華香は京都を代表する作家の一人でありながら、今や知る人ぞ知る存在といえるでしょう。その理由の一つには、主要な作品が散逸し各所に秘蔵されていたという事情があります。それゆえ、華香没後の昭和7(1932)年に、華香の弟子であった冨田溪仙の主導によって、大がかりな遺作展が開催されて以降、現在にいたるまで、本格的な展覧会は一度もおこなわれてこなかったのです。
このたびの展覧会は、京都国立近代美術館が中心となり、作品の所在を一つ一つ探し当て、調査をおこなうという地道な研究活動の末に初めて実現にいたったものです。
幼い頃から学んだ四条派の画風に、建仁寺の黙雷禅師に参禅して得た精神性をまじえ、新技法を積極的に取り入れた華香の画風は、現代の我々から見ても新鮮な魅力に満ちています。最近では、その画風が海外で愛され、アメリカに多くの作品が所蔵されています。
本展覧会では代表作を網羅する初期から絶筆《黙雷禅師肖像》までの作品約80点と、大下図、素描、資料等を紹介し、華香芸術の全貌に迫ります。
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コメント
elmaさん、コメントを頂きありがとうございました。
>「都路華香の作品」すごいですね。良い作品だと思います。
作品すべてが素晴らしいとは思いませんでしたが、良い作品が結構ありました。行かれるのでしたら、過度の期待はしないほうがいいかもしれません。
私は、満足しました。
日本画は、無意識の中に共通項があるようでとても好きです。
洋画もいいのですが......。
投稿: elmaさんへ | 2007.02.26 12:52
こんばんは、makoさん!
お久しぶりです。
「都路華香の作品」すごいですね。良い作品だと思います。
>入場してまず、迫力満点の嘯虎図があります。
>華香の目の表現は、動物、人間にかかわらずとても魅力的です。鋭く、やさしく、すがすがしく....。
絵を描くというのは、しっかり観て、しっかり描きあげる・・・この力量がすごいと思います。日本画では、ダマシがきかない・・・ここに魅力を感じます。
ありがとうございます。いつもすばらしい作品のご紹介。makoさんの審美眼に敬服!です。
来週、見られればと思います。
投稿: elma | 2007.02.25 23:07