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2007.01.06

ビル・ビオラ: はつゆめ

Biru1blog

副題に
「迫力、感動。幻想に包まれる空間へ
ヴィデオ・アート第一人者、「ゆめ」の全貌」
とあります。

そのとおり、期待に違わぬ、すばらしい作品群を観ることが出来ました。
また一人、目を離せない作家の出現です。

昨年早い時期から、前売り券を購入していて、とても楽しみにしていた展覧会です。
元旦から、とても良い刺激を受けました。

展覧会場に入ってすぐ、紅蓮の炎に包まれる人間、スクリーンの裏に回ると頭上に水滴が滴り、やがて洪水のような水流に包まれます、炎が消え、水が引くと人間の姿はありません。<クロッシング>
炎の美しいこと、光にきらきら輝く水も美しい。
音響効果も見事にマッチングしています。
はじめから圧倒されます。

全部で16作品の展示ですが、どれをとても、すばらしい、感動します。
約3時間かけて観て回りました。出来れば、その場に座って、もっとじっくり観たかった。
その場にいないとこの感動は伝わりそうもありませんので、感想はこれ以上記しません。
(あくまでも、私の感想ですので、つまらないと感じる方もおられるとは思いますが)
とにかくお勧めの展覧会ですが、8日で終了です。


以下、HPから解説文を引用させていただきます。(画像は、チラシからきり抜きました)

自分でも意識していなかった心の声を聞く。からだの奥底に眠っていた記憶が呼びさまされる。ここではそんな瞬間があなたに訪れます。
ヴィデオ・アートの第一人者ビル・ヴィオラ(1951年ニューヨーク生まれ)の作品がいよいよ森美術館の全空間を埋め尽くします。本展はヴィオラの世界的な活躍を知る人たち、また初めてヴィオラ芸術に出会う人びとにとっても、その活動の全貌と真髄を体感できる、アジア初の大規模な個展です。
暗闇の中、高さ4mもの両面スクリーンに炎に包まれる男と水に打たれる男が同時に現われ、ミステリアスに消えていく《クロッシング》(1996年)。巨大な空間に浮かぶ5つの映像が、星のように輝く水泡の中を漂う「天使」たちを神秘的に映し出す《ミレニアムの5天使》(2001年)。爆発的な感情が身体を駆け巡り、自己破壊に耐え再生する男女をスローモーションで描いた《静かな山》(2001年)。幻想的な「ゆめ」の世界は圧倒的な迫力で私たちの目や耳やからだを釘づけにし、ドラマティックな映像体験を与えてくれるでしょう。
荘厳で神秘的、そして時にショッキングな作品を通して、ヴィオラは命、誕生、死、再生、感情といった人間の根源に関わるテーマを常に追い求めます。それは、単なるテクノロジー・アートではなく観る人の数だけ余韻を残し、その捉え方をゆだねるアートなのです。
70年代のヴィデオ・アート創生期からヴィデオ制作を始め、80年代からはプロジェクターや大型スクリーンを駆使、近年ではプラズマや液晶モニターでの「動く絵画」とでも呼ぶべき作品を発表。「ビル・ヴィオラ:はつゆめ」ではテクノロジーの進歩とともに歩みを続けたヴィオラの過去25年の制作の中から90年代以降を中心に16点を紹介します。

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出品作品
はつゆめ|1981年|ヴィデオテープ、カラー、ステレオ | 56分
※ヴィオラ・チューズディでの特別上映のみ
ストッピング・マインド|1991年|ヴィデオ・サウンド・インスタレーション
天と地|1992年|ヴィデオ・インスタレーション
グリーティング/あいさつ|1995年|ヴィデオ・サウンド・インスタレーション
ベール|1995年|ヴィデオ・サウンド・インスタレーション
クロッシング|1996年|ヴィデオ・サウンド・インスタレーション
アニマ|2000年|ヴィデオ、液晶モニター3面、壁に設置
ドロローサ|2000年|ヴィデオ、自立式の液晶モニター2面連結
驚く者の五重奏|2000年|ヴィデオ、暗室の壁に設置されたスクリーンに背面投影
キャサリンの部屋|2001年|ヴィデオ、液晶モニター5面、壁に設置
ミレニアムの5天使|2001年|ヴィデオ・サウンド・インスタレーション
四人の手|2001年|白黒ヴィデオ、液晶モニター4面、棚に設置
静かな山|2001年|ヴィデオ、プラズマモニター2面、並列に壁に設置
サレンダー/沈潜|2001年|ヴィデオ、プラズマモニター2面、縦長に壁に設置
オブザーヴァンス/見つめる|2002年|ハイヴィジョン・ヴィデオ、プラズマモニター、壁に設置
ラフト/漂流|2004年|ハイヴィジョン・ヴィデオ、壁面投影、5.1chサラウンド・サウンド

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コメント

elmaさん、コメントを頂きありがとうございます。

最近、安直な作品をよく見かけますが、ビル・ビオラの作品には、研ぎ澄まされた感性と、表現するための執念のようなものを感じました。

「このような作品、作家を知らないなんて不幸だ」と思う展覧会に出会うと、何かうきうきとした気分になります。
この展覧会にも、そのような感想を持ちました。

貴blogの掲載記事拝見しました。
喜んで頂けた様子、私もうれしくなりました。

投稿: elmaさんへ | 2007.01.08 06:03

こんばんは!

私も行って来ました。とてもすばらしい映像でした。こんな映像を見たのは初めてです。

ご紹介がなかったら、行かなかったかもしれません。約4時間を過ごさせていただきました。なにかとてもショッキングな体験でした。(とても良い意味でです)

私も観たという記録としての簡単なメモをブログに記しました。もし、よろしければ、ご覧いただければ嬉しいです。

ありがとうございました。
(生きていることのありがたさを感じました)

投稿: elma | 2007.01.07 22:19

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