加山又造 アトリエの記憶Ⅱ
加山又造というと日本画家に分類されますが、この企画展シリーズを見ると実に、多彩な表現手段を持ていたことが分かります。
昨日の、スーパーエッシャー展の混雑と打って変わって、加山又造の世界を独り占めです。
展示作品点数が少ないこじんまりとした会場ですが、こちらのほうが、好きかもしれません。
美術館で2月25日まで開催されています。
昨年開催された、「加山又造 アトリエの記Ⅰ」では、素描(裸婦)が中心でした。
今回は、銅版画がメインの展示です。
日本画家ならではの作品、関連性をあまり感じない作品、それぞれ作成過程が分かる展示がされています。
原版、道具も展示されたいます。
ほね貝と千鳥/1972
雨/1998
薊/1996
花/1983
四曲一双の屏風作品「倣北宋水墨山水雪風景」は、前回も展示されていたと記憶しています。
大下絵、小下絵、及び、道具(筆、硯、墨)が展示されていて、製作過程が追認できる様になっています。
倣北宋水墨山水雪風景/制作年不詳
この画像は下絵です。
以下は、HPから引用させていただいた解説です。
加山又造(1927~2004)は、日本画家という言葉では括れないほど、多彩な表現を持ち合わせた作家でした。額装・屏風・軸装・扇面・陶磁器・染織・版画・デザイン・・・などといった、絵画という枠に囚われない表現形式に次々と挑戦し、常に作家自身の新しい分野を切り開くのと同時に、戦後の日本美術界に衝撃を与え続けてきました。2004年に逝去した後生前の作家の意志、またご遺族の協力によって5000点に及ぶ制作に関わる資料が多摩美術大学に寄贈され、それに伴い、2005年には加山又造研究会が発足しました。
本展では本学絵画学科版画専攻教授・渡辺達正による銅板研究の研究成果と共に「ほね貝と千鳥」等の代表的な銅板作品6点や、原版などがご覧いただけます。またこれらの貴重な作品及び制作資料を少しずつではありますが公開していくという目的に基づき、作家の様々な表現のうち銅板画と屏風に焦点を当て、屏風作品「倣北宋水墨山水雪風景」をはじめ、その制作資料の中から軸装を終えたばかりの大下絵や小下絵を、版画では、刷りの過程でできた色版やテスト刷りを展示します。一つの作品が出来上がるまでの道筋をたどっていただけることと思います。
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