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2007.01.12

スーパーエッシャー展 ある特異な版画家の軌跡

Essyatirasiblog


先週、土曜の夜行ってきたのですが、矢張り込み合って追いました。
何故、こんなに込み合っているのでしょうか.......。

この展覧会は13日までの開催です。

Esyabaruko


理由のひとつは、音声解説(任天堂DS)を無料貸し出し配布していたことにもあるようです。
ご経験済みの方も多いかと思いますが、音声解説のある作品の前で列を作っていることがよくありますよね。
何しろ、ほとんどの方がヘッドフォンを装着し、任天堂DSを首からぶら下げているという、何とも不思議な光景でした。

私は、音声解説を聞きながら、人の背中越しに作品を見て、さらにヘッドフォンをはずして、一巡という感じでした。
2時間かかりました。

会場は4章に分けて作品展示がされています。
第1章 身近なものと自画像
第2章 旅の風景
第3章 平面と立体の正則分割
第4章 特異な視点、だまし絵

私の好みとしては、第2章です。
10年ほど滞在したイタリアでの風景画の作品はとてもいいものでした。
オランダに帰ってもイタリアのような、画材となる風景を見出すことが出来ず、心象風景を描くことになったようです。

エッシャーといえば、だまし絵の類(見に来ておられた方も、(私も含めて))が注目されがちですが、私はイタリア時代の作品が好きです。

正則分割、だまし絵の世界は、エッシャー自身が一番楽しんでいたのかもしれません。

メビウスの輪を取り上げた作品がありましたが、先日たまたまNHK(教育テレビ)で白隠禅師の書画の解説をしている番組を見ました。
Essya7
メビウスの輪Ⅱ赤蟻 (板目木版)

なんと、メビウスがメビウスの輪を発表する100年以前に白隠禅師は禅画でその世界を描いていました、まさに色即是空、空即是色の世界を表現しているのだと思います。
白隠禅師恐るべし.....。


以下、HPの解説を引用させていただきます。画像はチラシからの切り抜きです。

一枚の紙の中に緻密に思い通りの世界を構築していく男。そこに無限を出現させ、不思議な秩序を操り、不可能を可能にしてみせてくれる男。オランダの版画家 M.C.エッシャー(1898年~1972年)が創り出したのは、かつてシュルレアリストが夢見た超現実世界とは別の、画面中で自立した「現実」であり、 閉じた小宇宙なのです。だから私たちはつい身を乗り出し、その調和や規則性に魅了され、遊び心に興奮させられます。
美術界の異端児と呼ばれながらも多くの支持者をもつエッシャー。17世紀以来のだまし絵とも一線を画したその特異な主題は、前人未到の分野であっただけに、むしろ数学や心理学といった他の分野からの関心を集めてきました。しかし美の技法的革命が進行する今、彼をその先駆者として捉え直すこともできます。その技術的制約ゆえにあえて版画にこだわったこの職人気質は、腕にものを言わせ、丹念に、ときには強引に、全ての法則を自らが律する思いのままの王国を築き上げたのです。
本展はオランダのハーグ市立美術館の約160点に様々な資料を加え、CGアートが美術界を席巻する21世紀における古典としての意味を考える、意欲的な、しかし相変わらず心躍らされる、画期的なエッシャー展なのです。

Essya1
バルコニー  (リトグラフ)

Essya2
昼と夜 (板目木版)

Essya3
相対性 (板目木版)

Essya4
描く手 (リトグラフ)

Essya6
滝 (リトグラフ)

Essya8
地下聖堂での行列 (板目木版)

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コメント

ハーグさん、コメントを頂きありがとうございました。

>錯覚体験の部屋等のアトラクションもありとても充実しています。

オランダ・ハーグのエッシャー美術館を真似たのでしょうか、こちらでも
数点ありました。

渋谷の展覧会場では、ほぼ全員、任天堂DSを首からぶら下げて鑑賞という一種異様な雰囲気でした。

チケットを買うのに40分待ちという大変な混雑でした。

投稿: ハーグさんへ | 2007.02.01 12:43

オランダ・ハーグのエッシャー美術館は、マウリッツハウス美術館の前の広場に面しています。3回ほど観賞に行きましたが、時代と共に変化する豊富な絵画のみならず、3Dグラフィック鑑賞設備、錯覚体験の部屋等のアトラクションもありとても充実しています。

小学生の子供に絵葉書を送ったら、子供もファンになりエッシャーの絵の本を買ってきてくれと頼まれて、英語版を探して買って帰りました。但し、紀伊国屋で念のためチェックしたら、同じ本の日本語バージョンがありましたけど。

絵葉書と幾つか気に入った絵の写し、それにエッシャーのパターン絵を濃紺とシルバーのラインで白磁に描いた花瓶(限定品)をお土産に買って帰りました。

投稿: ハーグ | 2007.01.31 00:29

うしろの正面さん、コメントを頂きありがとうございます。

>こんな写真が撮りたいと思うような風景がたくさん・・・。

うしろの正面さんの視点は何時もこうなるのですね。

だまし絵のような、考えさせる写真にも挑戦してみていただけませんか?
待っていますよ。

昨日、日本橋三越に行ってきましたが、天女は撮りませんでした。
うしろの正面さんよりうまく撮れるとは思うなかったからです。

投稿: うしろの正面さんへ | 2007.01.14 05:20

とうとう行かれましたね。
ウチのジイサンは私より1日早く正月休みが始まり、ひとりで朝一番で行きました。うーん、やっぱり理系はエッシャーがお好きのようです。
20年以上前やはり東京で展覧会がありましたが、あれをはるかに凌ぐ内容だったようで、大満足の様子でした。
図録見ましたけど、いい図録でしたね。
こんな写真が撮りたいと思うような風景がたくさん・・・。
エッシャーというとだまし絵、と思いがちですが、これだけの構図が出来るので、奥の深いだまし絵が描けるのだと改めて感じました。

投稿: うしろの正面 | 2007.01.13 12:32

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