坂本繁二郎展
雨が降り、風も強い日曜日でした。
開催期間終了一週間前、矢張り行かないわけにはいきませんでした。
ブリジストン美術館で8日(土)まで開催されています。
坂本繁二郎は、あの青木繁の同級生です。
海の幸を描いた布良に、福田たねと共に同行しています。
以前、拙blogで紹介しましたが、青木繁と福田たねの間に生まれた子は、音楽家の福田蘭童です。
福田蘭童は、クレージーキャッツで活躍した。石橋エイタロウの父親です。
さて、本題。
坂本繁二郎は、コローとクールベが好きだったようです。
初期の絵には、コローを彷彿させるような風景画がありました。初期の作品も好きです。
かなり、遅い時期にパリに赴きますが、その三年間の経験が彼の絵画に変化をもたらしたのは確かです。
時代に流されること無く、日本人洋画家の自分を見つめ続け、坂本繁二郎の個性的な絵画が完成されたようです。
同系色のを使い、色面を貼り付けるようにして描かれた作品は、坂本繁二郎の個性そのものです。
馬を描いた一連の作品群は、とても新鮮、感動的でした。
描く対象を光と空気の揺らぎで捉えて絵筆を走らせたのではないか、と考えました。
晩年の作品、これも良い。
むしろ、晩年の作品のほうが私は好きかもしれません。
以下は、チラシから切り取りました。
制作年代は順不同です。
次に、ブリジストン美術館HPの解説を引用させていただきます。
この展覧会は、明治の終わりから第二次大戦後まで、60余年にわたって絵ひとすじに生きた洋画家、坂本繁二郎の全貌を150点の作品と20点の資料で紹介する、24年ぶりの本格的な回顧展です。坂本繁二郎(1882-1969)は、日本の洋画が成熟へと向かう時代の流れのなかで、西洋の模倣ではない独自の道を選びました。彼はフランス留学を機に、日本の豊かな自然と奥ゆかしい人情、すぐれた美術を再発見し、自分が日本人であることに誇りと自覚をもちました。そして郷里の福岡県久留米市に近い八女市で、自然やものとじかに向き合い、創作に没頭します。彼が描いた題材は、人生の歩みとともに、日常のシーンから、牧牛、馬、身のまわりの生活用品、能面、そして月へとゆるやかに変化しています。その作品のどれもが、自然とさらに人間を見つめることから生み出されたものです。
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コメント
makoさん、こんばんは。
コメントとTBをありがとうございました。
馬をモチーフにした作品から引き込まれました。
晩年の静謐な作品もまた美しかったですよね。
月の作品は私も高島のそれが頭をよぎりました。
同郷の画家とは驚きです。
投稿: はろるど | 2006.07.06 21:26
elmaさん、コメントを頂き有難うございます。
坂本繁二郎晩年の作品に、月を描いた作品が多くあります。
実は、その絵を観ながら高島野十郎展のチラシの絵を頭に浮かべていました。
不思議ですね、そのような繋がりがあったのですね。初めて知りました。
情報をいただき、有難うございました。
高島野十郎展に行くのを楽しみにしています。
投稿: elmaさんへ | 2006.07.05 21:47
こんにちは、makoさん。
坂本繁二郎は久留米市の出身だそうですね。パリから帰国後、ずっと久留米に住み、筑後平野の自然を描いたとのこと。画風がやさしいですね。
高島野十郎も同じ久留米市の出身。描き方は違いますが、自然を描き、独自の画風を作りあげています。青木繁は、野十郎の兄、宇朗がめんどうをみていたようです。(この間、読んだ本の記憶です)
投稿: elma | 2006.07.05 12:40