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2006.05.02

藤田嗣治展

Tuguji


カレンダー上では、平日であること、暑いくらいの良い天気で皆さん、青空の下で行楽に出かけるのではと勝手に思い込んで、あまり混雑していないのではと・・・・・・
行列ができるほどではありませんでしたが、矢張り混んでいました。

期待が大き過ぎたせいかもしれませんが、大発見はありませんでした。

展覧会の構成と私の感想は次の通りです。

第1章 エコール・ド・パリ時代
私は、この時代の作品が好きです。時代の影響を受けた絵画が散見されます。
最も好きなのは、5人の裸婦(1923年)、構図が良い。
その他、自画像(1921年)、エレーヌ・フランクの肖像(1924年)、アンナ・ド・ノアイユの肖像(1926年)
眠れる女(1931)
が良い。 
01paris_s
《パリ風景》
1918年

02nude_s_1
《5人の裸婦》
1923年

Tapisuri
《タピスリーの裸婦》
1933年

第2章 中南米そして日本
私が、この展覧会で先ず、行ったのはこのコーナーです。藤田が、戦争をどのように描いたか、この展覧会を見る上での大きな目的でした。良い絵画でしたよ。構図が良いし、人物の表情が丹念に書き込まれています。所謂、戦争翼賛的な絵画では全くありません。これだけでも見に行った価値がありました。
中南米、沖縄で取材した絵画には、関心がもてませんでした。
他では、猫(1940年)が秀逸。
Kanibaru
《カーナバルの後》
1932年

Attu
《アッツ島玉砕》
1943年

第3章 ふたたびパリへ
どうでしょうか、藤田独自の絵画が完成されて、サチレーションした感じです。
私にはあまり、伝わってくるものがありませんでした。
特に、宗教画は、精神性のようなものが弱く、共感できませんでした。
それでも、よかった作品はあります、優美神(1946~48年)、かつて芸大の先生であった黒田清輝の、智・感・情と頭の中で比較していました。黒田は、藤田の学生時代の描き方を評価しなかったようです。
朝の買い物(1962年)、小さな主婦(1965年)
藤田の子どもに対する愛着が伝わってきます。藤田には子どもがいません。モデルも使いません。
Reihai
《礼拝》
1962-63年

Tannjyoubi
《誕生日》1958年

私は、数十年前、学生時代に、新宿の百貨店?で展覧会を観た記憶があり、そのときから、数作品程度を、何度も見てきましたし、気に留めていた画家でした。
見なければならない展覧会だと思っていたので、行ってきてほっととしました。

「猫と女とモンパルナス」という本があったと思いますが、藤田にぴったりの表題だと思っています。


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コメント

うしろの正面さん、コメントを頂き有難うございます。
うらやましい!!もったいない!!
当時の私は、図録を買う余裕などとてもありませんでした。私でしたら、絶対手放しません。35年前の週刊誌を持っているくらいですから。「あーあ」
今回も図録は購入しませんでした。印刷が気に入らなかったからです。
他に、装丁も、印刷も良い画集が販売されていましたが、2万円超はきついですね。

そうですか、うしろの正面さんも行かれましたか、どうも昔話には共通点が多々ありそうですね、嬉しいです。

投稿: うしろの正面さんへ | 2006.05.03 04:45

>私は、数十年前、学生時代に、新宿の百貨店?で展覧会を観た記憶があり・・
わー!それ、私も見ました。やはり、学生時代。
図録が紫色?の表紙でトレシングペーパーのような紙がかかっていて、ダンポールのようなサックに入っていませんでしたか?
今でこそ図録も凝ったつくりになっているものが増えましたが、当時としてはそのゴージャスさに驚き、さすがフジタの図録である、と勝手に感心したものです。手放してしまいましたが、長く、装丁の良い例として持っていました。

あれは、百貨店の展覧会としては中身が大変濃く、私にフジタの絵の入口を開いてくれました。
まさか、あの展覧会の話が出来るとは。
こういうの、初めてですが、嬉しいものですねえ!

投稿: うしろの正面 | 2006.05.02 12:26

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