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2006.04.15

ケーテ・コルヴィッツ 版画・素描・彫刻-平和な世界に祈りをこめて

Kete1blog
作品「死と女」の前にあるベンチに腰かけて、じっくり鑑賞していると、「この人すごい」と独り言を言いながら、私の前を、ご婦人が歩いていきました。
同感です。久しぶりに、強烈なメッセージが伝わってくる展覧会でした。
もっと、もっと評判になっても良い、展覧会だと思うのですが・・・・・・・

町田市立版画美術館で6月11日まで開催されています。

4部構成の展示です。

1部 ケーテの出発 (社会へのまなざし)
版画家として一躍注目された、連作「織工の蜂起」「農民戦争」他。
    
2部 日常の中の生、死 (暮らしを見つめて)
「女と死んだ子ども」、「女と死と子ども」
「死と女」(骸骨に羽交い絞めにされた女とその女にしがみつく子 どもという構図、なんとも刺激的な作品です)
「失業」、「クリスマスツリー」、「酔っ払った男」、「乞う女」

3部 戦争と飢餓 (歴史の渦の中で)
「戦死」、「女を膝に拘く死」、「寡婦」、「母親たち」、「遺族」ブロンズ「女たちの塔」

4部 別れ (来るべき世代にたくすもの)
生涯最後の連作「死」(鬼気迫る作品でした)
「パンを」、ドイツの子らは飢えている」、「仕事に慎重さを求める警告」

このコーナーに展示されているブロンズ「母と二人の子」はケーテが、第一次世界大戦で戦死した息子、第二次世界大戦で死んだ孫二人を両腕でしっかり包み込んでいるように思うました。

展示作品全体を通じて、「女性ならではの作品なのかもしれない」と感じました。

    
    
   

Kete2jiga
「正面向きの自画像」 1892年頃 素描

Kete2syokkou
「困窮」 連作「織工の蜂起」第1葉 1893-97年 リトグラフ

Kete2sionnakodomo
「死と女と子供」 1910年頃 素描

Kete2onnnakosi
「女と死んだ子ども」 1903年 銅版画

Kete2houki
「耕す人」連作「農民戦争」第1葉 1906-07 銅版画

Kete2pieta
「ピエタ」1937-38 ブロンズ

Kete2karu
「カール・リープクネヒト追悼」 1920年 木版画

以下、HP解説文からの転載です。

二つの世界大戦にわたる激動の時代を生き、ナチスへの抵抗を貫いたドイツの美術家ケーテ・コルヴィッツ(1867‐1945)。その作品、計165点により、民衆の貧困や飢えを見据え、反戦のメッセージを発し続けた生涯の全貌を紹介します。その力強い作品群は見る者の魂を揺さぶらずにはおきません。
コルヴィッツ自身の高潔な精神性が重要であることはいうまでもありませんが、本展ではむしろ、作品のもつ卓越した芸術性に焦点をあてることを主な目的として企画いたしました。代表作である連作を含む版画作品をはじめ、制作の過程を見て取ることができる貴重な関連素描、彫刻などにより、その創作活動の全貌に迫ります。本展によりコルヴィッツが試行錯誤を繰り返しながらさまざまな表現方法に真剣に挑み続けたその軌跡をつぶさに知ることができるでしょう。
本展が、第二次世界大戦終結から60年を経て、現代でもなお私たちに生きる指針を与えてくれるコルヴィッツの芸術をさらに深く知る機会となれば幸いです。ぜひご覧ください。

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コメント

どうぞお使い下さい。
画像は、町田市立国際版画美術館の企画展「ケーテ・コルヴィッツ 版画・素描・彫刻-平和な世界に祈りをこめて」の図録からの引用です。
よろしくお願いたします。

投稿: 志野さんへ | 2010.12.04 02:32

はじめまして、メールの送信ができなかったため、コメント欄から失礼します。
 
今度、大学のゼミにてケーテ・コルヴィッツについて発表することになり、その際の情報を探していたところ、こちらのページにたどり着きました。こちらに掲載されている画像がとても鮮明で綺麗なので、是非今度の発表で使用させていただきたいと思い、連絡させていただきました。
こちらのページのURLを記載するという条件で、画像の使用許可をいただけないでしょうか。

ご検討宜しくお願いします。
それでは、これにて失礼します。

投稿: 志野 | 2010.12.03 13:41

elmaさん、コメントを頂き有難うございます。
「ケーテ・コルヴィッツ」の作品は、初めて見ました。
作品のメッセージ性の強さにある種の驚きを感じました。
elmaさんは以前からご存知だったのですね。
知らない作家が沢山いますね。

投稿: elmaさんへ | 2006.04.17 12:40

こんにちは!

「ケーテ・コルヴィッツ」の名前を聞くのは、何年ぶりになるでしょうか。学生のころに聞いた(見た)ままです。私自身がこのような思想性からとおざかっていたからなのかもしれません。
「人の死と悲しみ」が伝わってきます。

投稿: elma | 2006.04.16 17:26

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