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2005.10.16

デ・キリコ展

blog
10月15日出光美術館で「京の雅び・都のひとびと--琳派と京焼き--」を観た後、大丸ミュージアムのデ・キリコ展に行きました。(このギャップもいいですね)
デ・キリコが生涯愛した言葉は、「謎以外に、一体何を愛せようか」だそうです。

4章に分けての展示です。

1章 メタフィジカ 認識の道(自己啓示)瞑想
2章 旅、歩みの隠喩あるいは道
3書 精神と物質の2元論、神秘的な水浴における精神と物質の二元論
4章 個(我)闘い、吟遊詩人、バルト、(古代ケルトの戦場の詩人、闘い、精神の表現

このような、分類に意味があるのか疑問に思いました。デ・キリコは自ら作品の製作年代を意図的に?いじったといわれていますので、展示方法に悩んだのかもしれません。

チラシに使われているように、一連のミューズ作品がまず眼に入ります。
沈黙のミューズ
不安を与えるミューズたち
ミューズたちの秘密
ミューズたちの会話不安を与えるミューズたち
ミューズの朝

キリコはミューズからの啓示をイメージしたのでしょうか、それとも自身をミューズになぞらえたのでしょうか。

イタリア広場を描いた作品が2点ありました。
夏の夢、アリアドネとイタリア広場
噴水のアルイタリア広場
キリコの白日夢でしょうか、遠くを走る汽車、陽光の強烈な陰影、色調からインパクトを受けます。
もう少しこの類の作品の展示がほしかった。

エブドロメスの帰還仮面も印象に残る作品でした。
展示会場を何度巡回したでしょうか、2時間半程度の夢空間でした。

後年のキリコ作品を評価しない向きもあるようです。ユトリロの例もありますが、天才芸実家の一生の作品をどう評価するか、難しいですね。

最後に、キリコの言葉を引用します

「未来の絵画の目的とは何か。それは詩、音楽、哲学にあっても同じである。これまで未知であった感覚を創りだすこと、美的総合のために、日常的なもの、かつ一般に容認されているもののすべて、さらにあらゆる主題から芸術を解き放つこと、人間を象徴と感情と思考の表現のための仲介者、あるいはそのための手段にきびしく抑制すること、彫刻をいつも拘束している擬人論から決定的に解放すること、あらゆるものを、人間でさえも「物」の質においてとらえることである。

これがニーチェの方法である。絵画に適用されれば、すばらしい結果を生むことだろう。わたしが絵画で示そうとしているものはこれである」 著作『ある画家の瞑想』1912

「およそ真剣な芸術作品には、必ず二種の孤独が含まれている」「巧みな構成と形態結合から生じる瞑想的な静けさ」『造形的孤独』 


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コメント

lysanderさん。コメント、T・B有難うございます。貴BLOGは内容が豊富でいつも楽しく拝見させていただいています。ユトリロの作品は初期の物が好きです。初期の絵肌の雰囲気は、後期の作品には見られないように思います。これからもよろしくお願い致します。

投稿: mako(雑感ノート) | 2005.10.17 12:41

こんばんは
TBありがとうございました。

> 後年のキリコ作品を評価しない向きもあるようです。
キリコという作家の作品をまとめてみたことがなかった
のですが、心にひっかかる作品がたくさんあったよう
に思います。

> ユトリロの例もありますが、天才芸実家の一生の作
> 品をどう評価するか、難しいですね。
本人がどう感じるか、なのでしょうが、先日、高島屋で
観たユトリロ展について、美術に詳しい知人がこてん
ぱんに言っているのを聞いて、ひやりとしてしまいまし
た。私はとても気に入った展覧会だったのですが...

私のブログではいろいろと勝手なことも書いています
ので、また、コメントなどもいただけると幸いです。
ではでは。

投稿: lysander | 2005.10.16 22:47

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» デ・キリコ展(大丸ミュージアム) [徒然と(美術と本と映画好き...)]
デ・キリコの展覧会、キリコといえば形而上絵画、そもそも形而上 ってどんな意味だっけ? > けいじじょう ―じやう 0 【形▼而上】 > 精神や本体など、形がなく通常の事物や現象のような > 感覚的経験を超えたもの。 なるほど... キリコの作品はひとつひとつのモノがパズルのように組み合わされ ている。イタリア広場を主題にした『夏の夢』と『噴水のあるイタ リア広場』、上空に行くにしたがって緑が深まる黄色... [続きを読む]

受信: 2005.10.16 22:39

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