佐伯祐三展
雨の日曜日、「遠いな」と思いながら、頑張って西武池袋線中村橋駅の近くにある練馬区立美術館に行ってきました。混んでいました。佐伯祐三は人気がありますね。
展示会場に入ると、まず 7枚の自画像が眼に入ってきます。続いて、裸婦、人物、静物画が展示されています。裸婦画はルノアールの絵 を彷彿とさせます。1階の展示場の風景画で既に佐伯らしさの片鱗を観ることができます。裸婦の一枚にはフォービズムの影響をもろに受けたと思われる絵もあります。
二階の展示室に移ると、白壁の建物の絵が並びます。ユトリロの構図を思い出します。更に、進むとがらりと作風が変わり、フォービズムの太い線、肉の盛り上がった絵肌の絵が並びます。ノートル・ダム寺院の絵画4枚です。
一時帰国して暮らした下落合での一連の作品は趣を変えて、それなりにいい絵画に仕上がっています。上板橋の橋の付近(1926)が大胆な構図と色使いで印象に残りました。
例の文字の羅列(広告)が際立つ絵画は最終コーナーに主に展示されています。
新聞屋、ガス灯と広告、ラ・クロッシュ、裏町の広告、バーの入り口、カフェレストラン、レストラン、テラスの広告、共同便所、いずれも1927年の作品です。
矢張り、佐伯の絵画は晩年の作品がいいと思います。
ピコン、白い道、煉瓦焼、扉いずれも1928年の作品です。
1点気になったのは、壁という絵には1925年10月5日と書いてありました。特別な意味があるとは思えないのですが.......
佐伯は、1924、1925年にルオー、セザンヌ、ゴッホ、ユトリロの展覧会を鑑賞しているようです。影響を受けたのは否めないのではないでしょうか?
日に何枚も作品を仕上げたようですが、必死に自身固有の画法を追及した人生だったのであろうと、この展覧会で観ることができたように思いました。
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