土門拳が撮った小林古径
これは土門拳「風貌」に収められた写真です。
撮影時のエピソードを下記に抜粋引用させていただきます。
古径先生は、別にご機嫌が悪いというわけでもなさそうだったが、むっつりとして、口をきかない人だった。僕たちが一時間ほどお邪魔していた間に、古径先生から言い出された言葉といえば、「どこで撮りますか」と言うひとことだけだった。その後は僕の話すことに、ただ、「はあ」とか、「ふーむ」とか、「そうですか」と口重たく答えられるだけだった。たとえば、「北京は東洋のパリですね」「ふーむ」。「紫禁城の瓦の色は綺麗でしたね」「はあ」と言った具合だった。まるで、壁の向こうにいる人と話しているみたいだった。
| 固定リンク
コメント