青木繁--《海の幸》100年
高島屋でユトリロ展を観た後、ブリジストン美術館に寄りました。到着した頃は、4時を過ぎていました。
青木繁の海の幸は、是非観たかったので......
20分程度展示作品を観た後、学芸員の貝塚氏のギャラリートークに参加しました。貝塚氏の卒論は、青木繁の海の幸だったそうです。思い入れたっぷりのお話が一時間以上続きました。良いお話でした。従って何時も楽しみに観ている常設展は。10分程度の鑑賞時間でした。
展覧会場に入ってまず、自画像(1903)が眼に入ります。並々ならぬ才能を感じます。輪転>(1903)、天平時代(1904)は揺れ動き、流れるような構図は独特な描法を感じさせてとても魅力のある絵です。 そして、点描で描かれた海の絵に挟まれて、海の幸(1904)が展示されています。
皆さん共通の印象をもたれるようですが、「意外と小さいな」と言う感じです。畳一枚ほどの絵です。前から7人目の女性の顔は、後に恋人の福田たねに書き換えられた等の逸話を聞きながらゆっくり観ることができました。不思議な魅力を持った絵ですね。
海の絵は、批評家?の方から、川端康成の手に渡り、その後、ブリジストン美術館が買い上げたそうです。
大穴牟知命(1905)、わだつみのいろこの宮(1907)はいずれも古事記に取材した絵画ですが、古事記の世界をうまく蘇えらせています。古事記に眼をつけたあたりも、着眼点としては素晴らしいのではないのでしょうか。
月下滞船図(1908)もまた、一連の作品と趣きが異なり新鮮な印象です。
第二展示室では、作品の光学的調査の資料展示がありましたが、あまり関心がもてませんでした。
作者不詳の模写がか展示されたいました、良く描けていますが矢張り違います。
28歳で亡くなったのですが、これだけ魅力的な作品を残されたのには感心してしまいます。
しかし、長命だとしても、その後どれだけの作品を残すことができたかは、未知の世界ですからね.......
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コメント
Tak さん。コメント、T・B有難うございます。
古事記の世界が描かれていて、とてもよかったですよね。物語を思い出しながら鑑賞しました。青木の凝縮された画家人生を堪能できる展覧会でした。
投稿: mako(雑感ノート) | 2005.10.17 12:47
こんにちは。
青木繁の描く「古事記」の世界
とても惹かれるものがあります。
TBさせていただきました。
投稿: Tak | 2005.10.16 13:03