目黒区美術館コレクション展
白金台でジェームズ・アンソール展を見た後、歩いて目黒美術館に行きました。
--新収蔵品を中心に--とパンフレットに書いてありますが、良い作品を収集するのに苦労しているようです。
展示場に入ると、直ぐ、藤田嗣治の<動物群>(1924・油彩)と国吉康雄<風景>(1929・油彩>が展示されていて、国吉と直ぐ分かる色使い、藤田の観察眼の鋭さに感嘆させられます。
その後、三箇所に分けられた展覧会場を回りましたが、インパクトのある作品に出会うことができませんでした。
(あくまでも、私の頼り無い観察眼でのことですので)
忘れてました、岡鹿之助の<信号台>(1926・油彩)はとても岡らしさげ出ていて印象に残る作品でした。(写真の絵画)
ところで、少々気になる文章がありますので、誤解を恐れず下記に引用してみます。
「岡鹿之助の油絵の修復を頼まれても引き受けないほうがよい。絵具の固着も悪く溶けやすい。岡氏は油絵具を紙の上に出し、絵の具の油を紙に吸わせて、ボソボソの絵の具を用いて点描している。絵具層が弱いのはそのためである」
この本で、歌田さんは明治後期の黒田清輝らの油絵の技法と材料の軽視を修復の観点から嘆いています。
詳しくは、歌田真介著「油絵を解剖する」(修復から見た日本洋画史)NHKブックス2002年第1刷発行をご覧ください。
帯には、高橋由一の魅力と黒田清輝の不手際と書いてあります。
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