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2004.10.02

喜びと悲しみについて

そこで一人の女が、「喜びと悲しみ」についてお話しください、と言った。 アムスタファは答えていった。 喜びの仮面をとれば悲しみ。 笑いのあふれる井戸は、しばしば涙で満たされる。 喜びと悲しみには、ほかにどんなかたちがあるというのか。

刻み込まれた悲しみが深ければ深いほど、喜びもまた大きい。
あなたがぶどう酒を注ぐ杯は、陶工の釜で焼き上げたあの盃ではないか。
あなたの心を慰める琴は、ナイフでくり抜いたあの木ではないか。

喜びにあふれるとき、心の奥を見つめなさい。そうすれば、悲しみをもたらしていたものが、今は喜びになっていることが分かるだろう。
悲しみに溢れる時、あなたの心をみつめなさい。そうすれば、前には喜びだったものに、今は涙していることに気づくだろう。

「喜びは悲しみに優る」という人がいる。また、「悲しみのほうが大きい」という人もいる。
だが私は言おう。喜びと悲しみは分かつことができないものだと。
喜びと悲しみは連れ立ってやってくる。喜びがあなたの食卓につくとき、悲しみはあなたの床(ベット)に横たわることを忘れてはならない

まことにあなたは、喜びと悲しみの間に渡された天秤のよう。
心が虚ろなときにだけ、じっと止まって均衡を保つ。
宝の持ち主が金と銀を計ろうとあなたを持ち上げるとき、あなたの喜びと悲しみは、上がり下がりするに違いない。

ジブラーン著 生きる糧の言葉
「喜びと悲しみについて」より

とてもいい散文詩集ですが、絶版になっているようです。
売っている書店があったら情報を頂けると嬉しいのですが...........

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コメント

ステキな詩ですね。
とても心を打たれます。

特に辛いときに心に響いてくるような気がします。
いつもいつも喜びと笑いに溢れているといいのですけど、
光あれば影もありますものね。

ありがとうございました。

投稿: mika | 2004.12.21 16:08

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