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2004.09.28

電車の中で読んだ本の一節

その日は冷たいみぞれ(あめゆき)が降っていた。八畳の病室には青い蚊帳がつられ、火鉢には炭火が真っ赤に燃えていた。その最後をみとった父が、何か言うことはないかと聞く。とし子は「また人に生まれてくるときは、こんなに自分のことばかりで苦しまないように生まれてくる」といった。

その晩、とし子の兄賢治は「永訣の朝」を書いた。

けふのうちに
とうくへいってしまうわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
うすあかるくいっそう陰鬱な雲から
みぞれはびちょびちょふってくる
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青いじゅん菜のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまえがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぽうのやうに
このくらいみぞれのなかに飛び出した
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
..................

宮沢賢治26歳、妹とし子24歳、大正11年11月のこと。

山折哲雄著 悲しみの精神史  
から引用、要約させていただきました。

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2004.09.26

岩田ガラスの世界

岩田ガラスの世界展のポスター3400.jpg

ガラス工芸のすばらしさに感心して、以前、このノート(雑感ノート)にエミール・ガレについて投稿しました。今回、町田市立博物館で開催されている”岩田ガラスの世界”を観てきました。久しぶりの感動でした。すばらしい!!
岩田籐七、久利、糸子、三氏の作品が展示されていました。籐七の作品では水指が、品のいい、色あいと造形で、とてもすばらしい。
そのご子息久利は、東京美術学校、東京工業大学等で学び、工学的学識も得て、色彩、造形が更に豊富に表現されています。ガラス工芸の芸術的可能性を発展させています。
その妻糸子は、世界的に岩田ガラスに発展させました。氏の作品は数点の展示でしたが、女性らしい色使い造形は、分かりやすくとても気分を明るくさせてくれます。
入館無料

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町田天満宮例大祭

町田繁華街に買い物に出かけたら
天満宮例大祭が行われていました。
天満宮境内は出店が所狭しと建ち並んでいました 200150.jpg    
舞台では若者のグループが
ブレークダンスを踊っていた。
時代も変わった2200150.jpg

可愛いお神輿が出発していきました勿論立派な神輿も150200.jpg

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2004.09.25

ニコール・キッドマン

ニコールキッドマン出演映画の中では”ある貴婦人の肖像”が良い。
三人の男に愛されながら、自由と自立を求め、揺れ動く貴婦人イザベル役。
キッドマンのすきっとした美しさは、誰もが納得すると思うのでうが.......

この手の、映画(大作家の小説の映画化)は、必ず映画化は無理という評を聞きますが
小説と映画は別物としてみるべきだと思います。この映画はいいですよ。

横着して以下に Amazonのレビューを転載させていただきます
冒頭「真実の愛に出会うと鏡が愛を照らし返す」という、本作のキーワードとなる言葉が心に響く。文豪ヘンリー・ジェイムスの大河小説を、あの『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督が完全映画化。彼女の心髄とする「真実の愛」や「生きる」ことが、まるで光と影のタペストリーのように描かれていく。時は19世紀、イギリス上流社会。自由と自立、そして何よりも生きることに夢と希望を抱く女性イザベル。3人の男に愛されながらも自らの道を歩むが、気がつくととんでもない男の籠の鳥に…。
物語の折々にまるで暗号のように現れる鏡。果たしてイザベルの鏡には何が映るのか。やはりこの監督はうまい! イザベル役の二コール・キッドマンも美しいが、舞台を彩る絢爛豪華な装飾品の数々も見逃せない

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2004.09.24

ジュリアンムーア

42丁目のワーニャのジュリアンムーアはとても美しい。彼女の魅力は.......
本当のジュリアンムーアは?と思わせるほど変幻自在、役になりきるところです。最近では、めぐり合う時間たちのダロウェイ夫人を読む自殺願望の主婦、シッピングニュースの彼女も実にいい、何か素朴さと悲しさと.......
日本の女優は......うーむ.....

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坂田栄一郎・天を射る

写真展のポスター   sakata152.jpg
東京都写真美術館で坂田栄一郎の写真展を観てきました。芸術家、政治家、スポーツマン、自然運動家等々の方々の肖像写真と自然を対峙させた展示になっています。プロの写真家の技術には、何時も感心させられます。
写真を至近距離で観ると、肌の弾力まで感じてしまいそうです。何か感じ取ろうと、被写体の目線に注目してみました。カメラ目線は、少なく、室伏選手、カストロ、ダライラマぐらいしか印象にありません。また、目線が下を向いている
写真もなかったように思います。斜め上目線が多いように感じました。
あらためて、写真は光の陰影の芸術なのだと納得しました。肖像写真は全てモノクロです。

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2004.09.23

映画”秘密の花園”

 秘密の花園、原作はバーネットの児童文学。
少女メアリーは、インドで地震により両親を失う。英国の伯父に引き取られるが、その館は、妻を失った伯父の悲しみに満ちた場所だった。その閉塞された生活の中で、メアリーは、花園の鍵を見つける。メアリーのの行動が、伯父、伯父の息子を含む館全体に奇跡をもたらす。単純明快、映像も美しい、学芸会のような映画と思われるかもしれませんが、私はこういう映画も好きです。しばし、幸せな気分に浸れます。
あなたにとっての、秘密の花園のキーがどこかにあって、見つかりますように...........

フランシスコ コッポラ総指揮、女性監督ホランドが撮ったハリウッド作品(1993年)

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2004.09.18

バネッサレッドグレーブと2本の映画

バネッサレッドグレーブはジュリア(1977年)でまさにジュリアを好演し、忘れがたい女優(映画)として印象に残っていました。反ナチ運動家としての彼女の輝くばかりの美しさは..........
ジュリアから丁度20年後の映画ダロウェイ夫人(1997年)を最近観ました。ケーブルTVの番組表を見ていたら、彼女の名前が出ていて、どうしても見たくなったからです。筋書きは、初老のご婦人(夫は国会議員)がパーティーを開く一日と、青春の思い出を絡ませ、歩んできた人生に思いをはせるという平凡な内容で、あまり感心しませんでした。ただ、彼女は、見事な年のとり方をしていました。彼女の知的なまなざしと、人をほっとさせる笑顔は健在でした。ジュリアから更に10年前の出演映画、欲望(1966年)も見ているのですが、印象にありません。何せ、子供だったもので.......
脇役での出演している映画も見ていると思うのですが、意外と気づかないで、後になって、あの映画にも出ていたのか、と思うことって結構ありますね。

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2004.09.03

情報流出のお詫び500円

株式会社ディーシーカードから”お客様情報流出のお詫び”の封書が届きました。流出内容は、名前、性別、生年月日、住所、郵便番号、電話番号、クレジットカード番号、利用料金の合計金額が含まれている可能性があるとのことです。なんと杜撰な管理をといわざるを得ません。500円のGIFT CARDが同封されていましたが、どういう意味でしょうか?アッカでも流出がありました、私は二度にわたり被害にあったわけです。もうIT社会から後戻りは出来ません。サイバーテロというより、革命を画策する輩も現れるかもしれません。世界中のネットワークを独占的に掌握操作する独裁者が出現するかも知れません。素人考えと思われるかも知れませんが、常人の考えの及ばないことをするから天才なのですから...........。

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