とても辛い話(捕虜への虐待)
イラク人捕虜に対する米兵と英兵による虐待報道はとても辛い話です。しかし、戦争には付き物である事も、我々は知っています(知らせれてきました)私は、このような話について意見を述べる自信などありませんので、以下に高橋和己のエッセイ「孤立無援の思想」からの抜粋を引用させていただきます。(1963年の雑誌に掲載されたエッセイ)
またたとえば現在のベトナムで戦われている戦闘についても、アメリカ側の北爆がいつ停止されいつ再会拡大されるか、フランスの仲介が功を奏するのか、中ソの対立の及ぼす等々を一喜一憂し、テレビのニュース解説者のごとく庶民同士が論じ合ってみても、本当のところは無意味である。むしろ日々泥土の内に死んでゆく兵士の死骸のみを非政治的にひたすら凝視すること、そしてみずからの無力感と絶望を噛みしめるほうが有意義である。なぜならそうすることによって、少なくとも二つの体制が対立しているゆえに戦われているという戦争の相とは別に、二つの体制が自己自身を保存するために、直接火の粉のふりかからぬ場所とその人民を犠牲にしている今一つの恐ろしい政治の相があきらかになるからである。
私の本棚から(関連本)
①会田雄二著 アーロン収容所 中公新書(昭和37年初版)
以下は帯ににある文章の書き出しです。
イギリスの女兵士は、なぜ日本軍捕虜の面前で全裸のまま平然としていられるのか、英軍は、なぜ家畜同様の食物を捕虜に与えて平然としていられるのかビルマ英軍収容所に強制労働の日々を送った歴史家の鋭利な筆は・・・・・・・・・②岡村昭彦著 南ベトナム戦争従軍記 岩波新書(1965年1刷発行) 以下は帯ににある文章の書き出しです。
インドシナの戦火は既に20年、南ベトナムの戦争だけでも12年にわたっている。人間が人間を殺すために巨額の金と武器を投入している戦争の現実は一体いかなるものか、それを目で見、皮膚で確かめようと、あえて戦場にみを投じた若き日本人カメラマンが......
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