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2004.05.16

<イエスの顔>

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このノート(雑感ノート)に先日、キリストを描いた映画という記事を載せました。そのなかで、キリストを描くのは難しいと書きました。あなたにとっての<キリストの顔>はどのようなものでしょうか?
以下に井上神父の書物のなかの<イエスの顔>という文章から引用させていただきました。信者ではない私でも印象に残った一文です。

キリストの顔

時代時代によって、その時代を代表しているような芸術家が描く<キリストの顔>が違う。その<キリストの顔>には、その時代の人々の苦悩と願いと希望とが込められているからなのだ。そう考えてみれば、西洋人には西洋人の<キリストの顔>があり、日本人には日本人の<キリストの顔>があるのは当然だろう。また、私自身を振り返ってみると、私個人の生活のうちにも学生時代から少しずつ私の心の中の<キリストの顔>が変わってきたような気がする。

--------中略------------
しかしキリストは、「だから私に従わなくてもよい」とは決しておっしゃらなかった。法や掟をを大上段に振りかぶって人をきめつけているのではなく、誰よりも優しい彼の心は、おそらく私たちの誰よりも、自分のとく福音のために苦しんでいるそれらの人の心を痛いまでに感じとられていたにちがいない。しかしキリストは黙ってそれに絶えておられた。所詮愛の極みとは沈黙ではなかろうか。
 ゲッセマネの園におけるキリストの苦悩とは、キリストのために苦しまなければならなくなったその人 たちの苦しみを、じっと沈黙のうちに耐えておられたキリストの苦悩ではないだろうか。すべてを心のうちにかみしめ、しかも「われに従え」、そうおっしゃるキリストの平和な顔------それが私の中の<キリストの顔>である。


以上は、井上洋司著 イエスのまなざし  から引用させていただきました。
写真は、国立西洋美術館で撮影した、ゲッセマネの祈りと題した油彩画です。(展示室での撮影は、許可されていることをHPで確認し、更に当日館員に確認した上で撮影しました。また、特定の営利団体や会社の広報に利用する以外はHPへの画像の利用は認められています)

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