8月花散歩 2024
今年の8月は、猛暑と”のろのろ台風”で日中に花を探して、野鳥を探して歩くという陽気ではありませんでした。
地球温暖化という言葉の切迫感が身に沁みました。
咲く花も7月の延長という感じでした。
スマホで撮った写真をまとめてみました。
今年の8月は、猛暑と”のろのろ台風”で日中に花を探して、野鳥を探して歩くという陽気ではありませんでした。
地球温暖化という言葉の切迫感が身に沁みました。
咲く花も7月の延長という感じでした。
スマホで撮った写真をまとめてみました。
社会的なメッセージとユニークさを併せ持つ機械彫刻や巨大彫刻で知られるヤノベケンジ。
GINZA SIX中央の大きな吹き抜け空間を、地球を含む銀河と捉え、無数の宇宙猫が空を舞い、浮かぶ宇宙船は「太陽の塔」へのオマージュ。岡本太郎の創作遺伝子を受け継いだヤノベケンジがビッグバンから現在までの宇宙のダイナミズムを新しい生命の物語として紡ぎ出します。(GSIXマガジンから)
GSIXマガジン新作吹き抜けアート「BIG CAT BANG」
(画像はクリックで拡大表示になります)
―GINZA SIXの解説パネルからー
私たちは、どのような「未来の物語」を歩むことになるのだろうか?
1990年代に、作品「タンキング・マシーン」で登場したヤノベケンジほど、私たちがこの時代に宿命的に生きざるを得ない「物語」を、現代アート作品として作り続けてきた作家はいない。大阪の茨木市という1970年の大阪万国博覧会の跡地に育ったヤノベケンジは、幼少期に「廃墟化した万博」を体験する。それは「未来の廃墟」に直面する原体験だったと彼は繰り返し語ってきた。そして廃墟の中に、そびえ立ち続ける岡本太郎の「太陽の塔」は、彼にとりクリエイションの起点となったのだ。
世紀末の予感の中、ヤノベケンジの物語の遍歴は続く。サバイバルからリバイバルへ。アトム・スーツを着てチェルノブイリへの彷徨。その後も阪神淡路大震災や東日本大震災に至るまで、その渦中に飛び込み、生み出し続けられてきた彼の作品の数々は、世界を震撼させたカタストロフのタイミングで生まれてきたものだ。しかし、それは「未来の廃墟」の後の世界を、いかに私たちが生き続けるかと言う、「希望の物語」の生成でもあったのだ。全地球レべルのカタストロフとなったコロナ禍が開けた2024年春のタイミングで、ヤノベケンジは、巨大な新作「BIG CAT BANG」を発表する。
【作品名】 BIG CAT BANG
【アーティスト名】 ヤノベケンジ
【展示場所】 GINZA SIX 2F 中央吹き抜け
【展示期間】 2024年4月5日(金)~2025年夏(予定)
【サイズ】 奥行860×幅630×高さ660cm
協力:岡本太郎記念館
岡本太郎記念館
ヤノベケンジ 太郎と猫と太陽と
会期 2024年7月12日(金)~11月10日(日)
「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」
会期 2024年6月29日(土)〜 9月16日(月・祝)
パナソニック汐留美術館
ポール・ケアホルムの作品は、
素材の特性をいかしたミニマリズムを極め、洗練された不朽の名作として、特に建築やデザインの分野で高く評価されてきました。
本展は国内美術館でケアホルムを本格的に紹介する初の展覧会として、代表的作品が一堂に会する貴重な機会となります。
北海道東川町が有する「織田コレクション」を中心に展示し、会場構成は、建築家の田根剛氏(ATTA)が行っています。
(画像はクリックで拡大表示になります)
「ポール・ケアホルムのデザインをめぐる言葉」作品リスト(パンフレット)からの引用です。
家具そのものも、空間を描写し構成するという意味では、彫刻です。デザインプロセスの中で、機能の分析と素材の扱いが終わった時点で、デザイナーは彫刻家とまったく同じように作品に取り組みます。(・・・)しかし最終的には、これは検知器化の仕事でもあるのです。
スチールの建築的な可能性だけが私の関心事ではありません。スチールの表面における光の屈折は、私の芸術的な仕事の重要な部分です。私はスチールを、木や皮と同じ芸術的価値を持つ素材だと考えています。
私はできる限り素地の自然な色を使います。心の奥底では、染めた革、特に黒に反対なのを隠すつもりはありません。しかし染みは嫌われるから、染料やニスを使わざるを得ません。
展覧会の構成です。
1.ORIGINS
木工と工業デザインの出会い
ケアホルムの原点と足跡、代表的作品を関連史料とあわせて紹介。
2.DESIGNS
家具の建築家
ケアホルムの初期から晩年までの家具デザインを年代順に展示しています。ディティールを写したスライド写真、ケアホルムをめぐる織田憲嗣音声とともに、360度からケアホルムのデザインの極みをご体験ください。
3. EXPERIENCES
愛され続ける名作現代におけるケアホルムの受容を見つめます。リデザインの系譜、現代建築の中のケアホルム、織田憲嗣が愛用するケアホルムが並びます。
展示風景
PK22 1957 スチール・籐
展示風景
PK54 メーブル 織田コレクション
PK54 1963 スチール・大理石 織田コレクション
PK101 1956 ステンレススチール 織田コレクション
Rouault Gallery
名作椅子で楽しむルオー・コレクション
座り心地、機能性も良かったです。
インテリアは直に配置されても死ぬことはない。結局のところ、部屋の中で動くのは人間自身なのです。当然ながら、座っている人が自分を取り囲む部屋を体験することも重要です。しかし、移動、部屋に対して他の人が動き回るのを見る経験、そしてその人自身が部屋の周りを動き回ることによって経験することは、取り組むべき絶対的なコンセプトであります。
ポール・ケアホルム
名作椅子で味わう ルオーコレクション リーフレット
この展覧会は、
7月20日(土)以降、土曜日・日曜日・祝日は日時指定予約(平日は予約不要)となっています、ご確認を・・・
創建1200年記念
特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」
会期 2024年7月17日(水)~ 9月8日(日)
東京国立博物館
平安時代、824年に正式に密教寺院となった神護寺創建1200年と空海生誕1250年を記念して開催されている展覧会です。
空海、最長の直筆、神護寺1200年の歴史、勧進に関わった人々、密教文化、彫刻などなど重量感たっぷりのトーハクならではの充実した企画展です。
圧巻は、「5章 神護寺の彫刻」の展示空間です。
中央に、”国宝薬師如来立像”、脇侍の”日光・月光菩薩立像”(ともに重文)、左右両側に”四天王立像”が二体づつ配置されています。
背景に並ぶ”十二神立像”は動的な彫刻の見事さに加え、玉眼がきらりとひかる見事な照明が素晴らしい空間を演出しています。
展覧会の構成です。
序章 紅葉の名所高雄
第1章 神護寺と高雄曼荼羅
第一節 草創期の神護寺 ー空海ー
弘法大師像 1面 鎌倉時代 14世紀 京都・神護寺
弘法大師空海の姿を一枚の板から浮彫で表した珍しい像。水瓶と五鈷杵の一部は別材を貼り付ける。「神護寺略記」に記される正安4年(1302)に性仁親王が発願した弘法大師像にあたると考えられる(キャプションから)
国宝 両界曼荼羅(高雄曼荼羅) 2軀 平安時代・9世紀 京都・神護寺
前期は両界曼荼羅、後期展示は金剛界曼荼羅のの展示です。
空海が直接制作に関わった現在最古の両界曼荼羅である。淳和天皇の願いにより空海が唐から請来した曼荼羅を手本に制作された。花鳥の文様が織り出された彩地に金銀泥で描かれる。空海在世時の極めて貴重な作品。(キャプションから)
(単眼鏡、双眼鏡?を持っていくのがお勧めですが、細部の、図柄、文様、配置などは隣のフロアで詳細なビデオで解説しています。)
第2節 院政期の神護寺 ー文覚、後白河法皇、源頼朝ー
国宝 伝源頼朝像鎌倉時代・13世紀 前期展示
後期は、日本画家林功によって写されたものが展示されています。
神護寺に伝わった伝源頼朝像。「神護寺略記」には、仙洞院という堂にこれらの肖像があったと記される。ほぼ等身大に描かれ、その大きさに圧倒される。(キャプションから)
第2章 神護寺経と釈迦如来像 ー平安貴族の祈りと美意識ー
国宝 釈迦如来像 1軀 平安時代 12世紀 京都・神護寺
赤い衣絵を着ることから「赤釈迦」の名で知られる釈迦如来像。繊細華麗な截金文様が大変美しく、平安貴族の美意識が感じられる。神護寺で行われた最澄創始の「法華会」本尊として制作されたか?(キャプションから)
重要文化財 大般若経 巻第一(紺紙金地一切経のうち)部分 1巻 平安時代 12世紀
鳥羽上皇が発願し、後白河法皇によって神護寺に施入された紺紙金地一切経。当初は5千巻を超えるものだったが、2317巻が現存する。経巻を包む経帙や、経巻をを納める経箱も伝わる点は大変貴重。(キャプションから)
第3章 神護寺の隆盛
第1節 神護寺に伝わった中世文書と絵図の世界
第2節 密教空間を彩る美術工芸品
国宝 山水屏風 6曲1双 鎌倉時代 13世紀 京都神護寺
もとは宮中や貴族の邸宅などで用いられた調度が密教の灌頂儀礼で用いられるようになった屏風。 細部まで非常に細やかに描かれている。現存する最古のやまと絵屏風としても極めて貴重な作である。(キャプションから)
第4章 古典としての神護寺宝物
第5章 神護寺の彫刻
「二天王立像」のみ撮影可でした。
二天王立像 2軀 平安時代 木造、彩色 12世紀 京都・神護寺
神護寺の楼門に安置される一対の二天王像。高雄山のふもとを流れる清滝川から参道を上ってきた人びとを迎える。2軀とも穏やかな造形を基調とする平安時代後期の作だが、造形や着衣の形式に異なる点があり、もとは別々に作られたものだろう。(キャプションから)
持国天
国宝 五大虚空蔵菩薩坐像 5軀 平安時代・9世紀 京都・神護寺
金剛・業用・法界・蓮華・宝光の各虚空蔵菩薩からなる五大虚空蔵菩薩坐像で、日本で制作された現存最古例である。脚部を含んだ一木造りで乾漆を併用する。肉感あふれる官能的表現を特徴とする。初期密教彫刻の傑作。(キャプションから)
国宝 薬師如来立像 1軀 平安時代 8~9世紀 京都・神護寺
仏とは見えない厳しい表情で、威厳に満ちあふれている。顔には細かな鑿跡が残る。全体を一木から彫り出すうえ重量感がある表現で、左袖には、深く重たい襞が刻まれる。前身の高雄山か神願時どこらかにあった像を、空海が神護寺に迎えた。(キャプションから)
―HPの解説ー
京都北郊の紅葉の名所、高雄の神護寺は、和気清麻呂(わけのきよまろ)が建立した高雄山寺を起源とします。唐から帰国した空海が活動の拠点としたことから真言密教の出発点となりました。本展は824年に正式に密教寺院となった神護寺創建1200年と空海生誕1250年を記念して開催します。平安初期彫刻の最高傑作である国宝「薬師如来立像」や、約230年ぶりの修復を終えた国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」など、空海ゆかりの宝物をはじめ、神護寺に受け継がれる貴重な文化財をご紹介します。
シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝
世界が注目するブラック・アーティスト、待望の日本初個展!
会期2024年4月24日(水)~9月1日(日)
森美術館
アフロ民藝とは、シアスター自身の経験や考えをもとに黒人文化と日本文化を掛け合わせた、新しい「美しさ」の提案です。
(リーフレット”アフロ民藝の歩き方”から引用してます;以下同じ)
本展の構成です。
「神聖な空間」
シアスターの作品と彼が尊敬するアーティストたちの作品が一緒に展示されています。
(会場風景)
床は、シアスターの作品《散歩道》、シアスターはふたつのことを考えていました。
レンガ職人だった多くの黒人労働者たちのこと、もう一つはこのレンガを作った愛知県常滑市の陶器職人のこと。
左の作品はシアスター・ゲーツ《アーモリー・クロス》
《ヘンブリー・コード》2022年
この作品に使われているハモンドオルガンB-3とレスリースピーカーは、黒人の人たちが集まる教会でよく使われているものです。
右上の作品は、リチャードハント《天使>
最も重要なアフリカ系アメリカ人彫刻家のひとり。ゲイツは本作品を展示することで、昨年亡くなったハントの功績を称えようとしています。
「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」
シアスターが住むシカゴのウエストサイド地区の空き家をリノベーションして、近くに住む人たちが集まったり、アートを楽しんだりできる場所に作り変えています。
地図を使った建築プロジェクトの紹介 。
ブラック・ライブラリー
シアスターが手掛けた建築プロジェクトには図書館もあります。
シカゴから20,000冊の本を運んで、展示室に図書館を再現しました。
「ブラックネス」
「ブラックネス」は、「アメリカで黒人として生きること」を意味します。
黒人としての経験を通して、シアスターが感じたことや考えたことが表現されています。
左の作品タール・ペインティングシリーズ《7つの歌》 2022年
中央《基本的なルール》 共にシアスタ・ゲイツ作品
《ドリス式様式神殿のためのブラック・ベッセル(黒い器)》2022-2023年
シアスターの陶芸作品(展示風景)
年表
ここでは複数の年表を通じて、ゲイツ自身と日本の繋がりを紐解くために、常滑の歴史、民藝の歴史、そして、アメリカ黒人文化史とゲイツの個人史をひとつの時間軸のなかで紹介しています。
「アフロ民藝」
シアスターが考える新しい美しさ「アフロ民藝」を表現している空間です。
小出芳弘コレクション(1941-2022年)
シアスターは、愛知県常滑市で活動していた小出さんの陶芸家として制作に向き合う姿勢に感動し、陶芸作品すべてを引き受けることにしました。
”みんなで踊ろう”
音楽を楽しんで踊れるダンスフロア空間設定。
お酒、貧乏徳利1000本、御猪口、バーカウンター、ミラーボールなどが・・
(踊ている人はいませんでしたが・・・・)
スマホで撮った写真をまとめてみました。
―HPの解説ー
世界が注目するブラック・アーティスト、待望の日本初個展!
陶芸、建築、音楽で日本文化と黒人文化の新しいハイブリッドを描く、壮大なインスタレーション
シアスター・ゲイツ(1973年シカゴ生まれ)は、米国シカゴのサウス・サイド地区を拠点とし、彫刻と陶芸作品を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、メディアやジャンルを横断する活動で国際的に高く評価されています。彫刻と都市計画の教育を受けたゲイツは2004年、愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初来日し、以来20年以上にわたり、陶芸をはじめとする日本文化の影響を受けてきました。日本やアジア太平洋地域での印象深い出会いや発見、そして米国ミシシッピとシカゴにルーツを持つアフリカ系アメリカ人として生きてきた経験が、彼の創作の礎となっています。アーティストとして文化的ハイブリディティ(混合性)を探求してきたゲイツは、アメリカの公民権運動(1954-1968年)の一翼を担ったスローガン「ブラック・イズ・ビューティフル」と日本の「民藝運動」の哲学とを融合した、独自の美学を表す「アフロ民藝」という言葉を生み出しました。ゲイツの日本初、そしてアジア最大規模の個展となる本展は「神聖な空間」「ブラック・ライブラリー&ブラック・スペース」「ブラックネス」「年表」「アフロ民藝」の各セクションで構成され、これまでの代表作のみならず、本展のための新作を含む日本文化と関係の深い作品などを紹介します。
これまで多数派の声のみが取り上げられてきたことが問い直され、視点の多様化が求められる昨今、グローバルなアートシーンでは、第一線で活躍する黒人アーティストたちの表現に見られる多層的な経験が注目されています。黒人の歴史は、日本人の一般的な知識としては馴染みが薄いかもしれませんが、本展はゲイツの多角的な実践を通し、世界で注目を集め続けるブラック・アートの魅力に迫ります。同時に、手仕事への称賛、人種と政治への問い、文化の新たな融合などを謳う現代アートの意義を実感する機会となるでしょう。
ーー当日の空と雲ーー 東京シティビュー(展望台)からです。
内藤コレクション
写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙
会期
2024年6月11日(火)〜8月25日(日)
国立西洋美術館
会場風景
本展は、内藤コレクションを中心に、国内の大学図書館のご所蔵品若干数や、内藤氏がいまでも手元に残した1点を加えた約150点より構成され、聖書や詩編集、時祷書、聖歌集など中世に広く普及した写本の役割や装飾の特徴を見ていきます。書物の機能と結びつき、文字と絵が一体となった彩飾芸術の美、「中世の小宇宙」をご堪能いただければ幸いです。
(本展解説パネルから引用、以下同じです)
写本とは、
15世紀に印刷技術が発明される以前、ヨーロッパの書物は、人の手で書き写された本、すなわち「写本」だった。写本には、羊や子牛など動物の皮を薄く加工して作った紙が使用された。
Ⅰ 聖書
聖書は中世ヨーロッパにおける最も重要なテキストであり、多数の写本が制作されました。
聖王ルイ伝の画家(マイエ?)「セント・オールバンズ聖書」零葉
フランス、パリ 1325-50年 彩色、インク、金/獣皮紙 内藤コレクション
Ⅱ 詩編集
神の栄光を讃える150編の詩からなり、旧約聖書の一書を構成する「詩編」は、修道院や教会の礼拝から一般徒の私的な祈りまで、古来キリスト教徒の祈りの重要な要素をなしてきました。
Ⅲ 聖務日課のための写本
聖務日課は決まった時刻に行われる一日8回の礼拝で、ミサとともに修道院や教会の典礼(公的な礼拝)の基本をなすものです。
フランチェスコ・ダ・コディヒゴーロ※ジョルジョ・ダレマーニャ
「レオネッロ・デステの聖務日課書」零葉 イタリア、フェラーラ 1441-48年 内藤コレクション
Ⅳ ミサのための写本
修道院や教会における中心的な典礼であるミサは、キリストの十字架上での犠牲と復活を再現し、記念する礼拝です。
ミサ典礼書零葉 ドイツ、オーバーシェーネンフェルトまたはアウクスブルク 1504年
彩色、インク、金/獣皮紙 内藤コレクション
Ⅴ 聖職者たちが用いたその他の写本
この章では、聖務日課やミサ以外の用途で聖職者たちが用いた写本由来の零葉、ないし親写本の用途を特定するのが難しい作品群をご紹介します。
司教定式書零葉 フランス、アビニヨン 1320年頃 彩色、インク、金/獣皮紙 内藤コレクション
Ⅵ 時祷書
聖職者や修道士の聖務日課に倣い、一般徒たちも日々8回、毎日定められた時間に私的な礼拝を行っていました。時祷書はこの礼拝で用いられた書物で、内容的には、聖務日課書を一般徒向けに簡略化したものとなっています。
リュソンの画家 時祷書零葉 フランス、パリ 1405-10年頃 彩色、インク、金/獣皮紙
Ⅶ 暦
第7章では、写本に収められた暦を特集します。キリスト教における日々の礼拝の内容は、教会暦(キリストの生涯を一年の周期にあてはめて編成した暦)に従って決まります。このため詩編集や聖務日課書、ミサ典礼書、時祷書などでは、巻頭に暦が所収されているのが通例でした。
Ⅷ 教会法令集・宣誓の書
教会法集とは、教父文書、公会議決議、教皇を中心に、カトリック教会が、その組織運営や信徒たちの仰、生活に関して定めた法文を所収した書物のことです。
Ⅸ 世俗写本
内藤コレクションの大多数を占めるのはキリスト教関連の写本零葉ですが、世俗的、すなわち非宗教的な内容をもつ作例も数点含まれています。
(HPの解説から)
当館では2015年度に、筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授の内藤裕史氏より、写本零葉(本から切り離された一枚一枚の紙葉)を中心とするコレクションを一括でご寄贈いただきました。その後も2020年にかけて、内藤氏ご友人の長沼昭夫氏からも支援を賜りつつ、新たに26点の写本リーフを所蔵品に加えています。
当館では2019-20年度に三期にわたり開催した小企画展で、内藤コレクションを紹介してまいりました。しかし、コロナ禍のさなかでもあったため、それらは小規模なものにとどまったと言わざるを得ません。こうした事情をふまえて、改めて内藤コレクションの作品の大多数を一堂に展示し、皆様にご覧いただくべく企画されたのが本展です。また当館はコレクションの寄贈を受けて以来、国内外の専門家の協力を仰いで個々の作品の調査を進めてきました。本展はその成果をお披露目する機会ともなります。
トーハクに行くと特別なことがない限り、最初に入るのが本館11室。
先日訪れた時に、
正面に”文殊菩薩騎獅像および侍者立像”が展示されていました。
たまにはと思って、スマホで仏像を撮ってみました。
展示期間 2024年7月9日(火)期~9月29日(日)
東京国立博物館本館11室
(画像はクリックで拡大表示になります)
善財童子 仏陀波利三蔵
文殊菩薩騎獅像および侍者立像
康円作 鎌倉時代・文永10年(1273) 木造、着色、玉眼 奈良・興福寺伝来
獅子に乗る文殊菩薩が、合掌する善財童子とインド人僧の仏陀波利三蔵、獅子の手綱を引く于闐王、頭巾をかぶる大聖老人という4人の従者をともなって海を渡る「渡海文殊」の群像を表します。銘文などから作者と制作年が判明し、興福寺勧学院の本尊だったことがわかる点は貴重です。(本展解説から)
ルーヴル美術館の銅版画展
会期 2024年6月28日(金)〜9月1日(日)
世界最高峰 美の殿堂「ルーヴル美術館」コレクションによる銅版画(カルコグラフィー)日本公開!
本展覧会では、ルーヴル美術館のカルコグラフィー室の銅版画コレクション約13,000点の中から、日本での特別公開のために、当時の版を使い刷られた銅版画100点余りをご紹介いたします。
カルコグラフィーとは、ギリシャ語で「銅(カルコス)に描いたもの」という意味で、ルーヴルでは銅版画とそのコレクションを原版とともに保存し、それをもとに版画を刷る場所を意味します。
(本展会場解説から)
八王子夢美術館
展覧会の構成です。
ルーブル美術館
ルーブル旧館正面の眺め 原作者 ジャック・リゴー
ヴェルサイユ宮殿
ルネサンス
モナ・リザ 原作者 レオナルド・ダ・ヴィンチ
美しき女庭師 原作者 ラファエロ・サンツィオ
ダビンチが開発したもののひとつに、ピラミッド構図がある。これは三角錐、四角錐などの幾何学的形態のなかに、複数の人物を収めるものである。ラファエロは、これをすぐに取り入れ聖母マリアの頭部を頂点とした幾何学的構図のなかに幼児キリスト、洗礼者ヨハネを描いている。ラファエロは、聖母マリアの崇高なる精神性と母としての人間性の調和を追求した。幼児キリストの背中に手を添えみつめる、その仕草と表情に注目したい。(会場の解説から)
バロック
フランス
フランドル
ベレー帽を被った自画像 原作者 レンブラント・ハルメネンス・ファン・レイン
若くして名声を博し、絶頂期のレンブラント。この作品の左隣には、妻サスキアの死後の愛人関係に対する、裁判所からの不義の認定。《夜景》の不評などから破産へと続く困難期を経たたレンブラントの《自画像》が展示されています。
ロココ
連作(四季-秋) 原作者 ニコラ・ランクレ
ランクレは宴会や村の結婚式などを主題に優雅な作品を制作した。彼は1738年に《四季》の連作を制作しており、そのうちのひとつが本作品である。ロココ美術は王侯貴族あるいはそれに列せられるブルジョワ階級を描いた作品が主流であった。しかし、ランクレは季節との関係から自然と密接な関係のある農民たちのピクニックを描いた。それでも優雅な雰囲気を湛えているところは、やはり18世紀フランスの時代精神をよく表している。(会場の解説から)
19世紀フランス絵画
出現 原作者 ギュスターブ・モロー
サロメは聖書では名前も出ていない端役の少女に過ぎない。モローは「サロメそれは、永遠に女性的なるものの象徴である。軽やかに飛ぶ鳥。だが多くの場合それは不幸を告げ知らせる鳥だ。彼女は花を掲げ持ち、漠然としながら、たいていは不吉な理想を求めている」と書き、独特の解釈を展開している。モローのサロメによって、19世紀末の重要なテーマである「宿命の女」が確立された。それは男を魅了し破壊・死に追いやる女である(会場の解説から)
20世紀絵画
イタリアの女(完全版) 原作者 アメデオ・モディリアーニ
ボタニカルアート
メーロー・ウルガーリス(メロン) 原作者 ニコラ・ローベル
7月は不安定な天気が続いて、雨の日、暑い日が多かったような気がします。
そんな日々の散歩道には、ひまわりが咲き、夏を象徴する大賀ハスが咲いています。
スマホで撮った写真をまとめてみました。
(画像はクリックで拡大表示になります)
髙田賢三 夢をかける
会期 2024年7月6日(土)~ 9月16日(月・祝)
東京オペラシティ アートギャラリー
パリオリンピックが始まりました。
高田賢三がデザインを手がけた、アテネオリンピック日本選手団公式服装から2点が展示されています。
高田賢三は、男性用4種、女性用5種をデザインしました。
2004年65歳のときです。
姫路市で生まれ育った高田賢三(1939~2020年)
幼少期、東京の文化服装学院で過ごした学生時代、パリに渡ってからの活躍、そして晩年の活動まで詳細な年表とそれぞれの時代におけるエピソード・トピックで高田賢三の人生を回顧します。
ドレス 1982-1983秋冬
全長200メートル使われたともいわれ、手仕事の贅が尽くされた、高田賢三の代表作のひとつである(キャプションから)
展覧会の構成です。
高田賢三のテーマと1970年代
ここでは、日本の布を使った作品のほか、ヨーロッパの伝統であるオートクチュール(高級仕立服)に対抗して作った「アンチクチュール」、各コレクションで発表し、毎シーズン人気のあったニット、たっぷりと布地を使った大柄なシルエットの「ビッグ・ルック」など、1970年代に発表されたテーマを取り上げて紹介する。(本展の解説パネルから)
しぼりやちじみ、つむぎや浴衣地などの日本の生地を使った作品、1970年のデビュー当時から話題となった。(キャプションから)
KENZOといえばニットといわれるほど、高田のニットは人気があった。(キャプションから)
プルオーバー、スカート 1979-1980秋冬 MENZO PARIS
1970年代最後となる1979-1980秋冬コレクションではそれまでとはまた趣向の異なるコレクションが発表された。
高田賢三のフォークロアと1980年代
ここでは、高田賢三のファッションの真髄とも言えるフォークロア調の作品を1980年代の作品を中心に俯瞰する。また、ヨーロッパの中世に見られた、チュニックのような服装をテーマにした「中世ルック」、ベル・エポックの時代の人形をイメージしてフリルをふんだんに使用した「ロマンティック・バロック」、ファッション界で黒色が流行する中で発表された、カラフルな配色と重ね着が印象的な「ニューカラー」など、高田の挑んだ新しいスタイルも含めて1980年代を振り返る。(本展解説からパネルから)
アフリカを旅した際に目にした、一枚の布を身体に巻き付けるようにして纏う民族衣装から着想を得たアフリカン・ルックは、1978年夏コレクションで発表された。(キャプションから)
ロシアやポーランドなど東欧地域のコザックの服装からイメージしたのが、1981-1982秋冬コレクションで登場したロシアンルックだった。(キャプションから)
「花柄は毎シーズンたくさん使っているが、花の形、配色はシーズンによっても変化する。平面になったり、壁紙風になったり、アフリカ風になったり、日本の布団柄になったり、カシミア風だったり・・」と高田は語る。1994春夏コレクションは「ジプシー」がテーマのひとつとして発表されている。(キャプションから)
写真撮影可でしたので・・・
撮った写真をまとめてみました。
特集 人間国宝・平田郷陽の人形―生人形から衣裳人形まで―
会期 2024年7月17日(水) ~ 2024年9月1日(日)
東京国立博物館 本館14室
二代平田郷陽は、1955年、重要無形文化財「衣裳人形」保持者(人間国宝)に認定された創作人形作家です。
平田郷陽の創作活動を4つのテーマに分類して展示する展覧会です。
展覧会の構成です。
1.創造の原点―生人形
武士姿折れ人形 伝二代平田郷陽作 昭和10~20年代 木、胡粉、絹ほか
三つ折とは、腕、肘、膝などの関節が曲がるような仕掛けをした人形(キャプションから)
薬玉 二代平田郷陽作 昭和8年(1933) 木、胡粉彩色、絹ほか
2.芸術としての人形を目指して
泣く子 二代平田郷陽作 昭和11年(1936) 木、胡粉彩色、絹ほか
一茶と雀 二代平田郷陽作 昭和15年(1940) 木、胡粉、絹ほか
3.写実からの解放
秋韻 二代平田郷陽作 昭和28年(1953) 木、胡粉、絹ほか
流れ 二代平田郷陽作 昭和37年(1962) 木、胡粉、絹ほか
4.人形芸術の大成
宴の花 二代平田郷陽作 昭和50年(1975) 木、彩色
平田郷陽の遺作
抱擁 二代平田郷陽作 昭和41年(1966) 木、胡粉、彩色 平田多恵子氏寄贈
平田郷陽の長男の妻が初産の年に制作されました(キャプションから)
撮った写真をまとめてみました。
―HPの解説ー
二代平田郷陽は、1955年、重要無形文化財「衣裳人形」保持者(人間国宝)に認定された創作人形作家です。その父・初代平田郷陽は、日本の伝統的な製作技法を用いて極めて写実的に造形する「生人形」作りを職業とし、二代目郷陽自身もまた、生人形作家として作家人生を スタートしました。しかし、人形もまた絵画や彫刻と同様に芸術としての価値があるという思いから、「創作人形」を志すようになります。1936年、改組第1回帝展に入選し、その後、帝展、文展、日展などで活躍するようになりました。郷陽の創作人形は、伝統的な「衣裳人形」の形態を採用し、生人形制作で培われた確かな写実性に基づきながら、人々の生活や心情を情趣ゆたかに表現しています。
戦後は日本工芸会を中心に、創作人形の第一人者として活躍を続けました。伝統的な衣裳人形からの脱却を試み、抽象的なフォルムを持つ木目込人形へと向かう姿勢には、時代とともに変化する芸術の動向に向き合う、郷陽の姿勢が垣間見えます。
本展では、作風の変遷に合わせ4つのテーマで郷陽の創作人形の世界を紹介し、郷陽がリードしてきた創作人形における伝統と革新の一時代を紹介します。
展覧会 いきもの賞玩
会期 令和6年(2024)7月9日(火)~9月1日(日)
全期 7月9日(火)~8月4日(日)
後期 8月6日(火)~9月1日(日)
皇居三の丸尚蔵館
(画像はクリックで拡大表示になります)
くさむらに潜む昆虫、野山を駆け回る小動物などの、生き物を表した工芸品や絵画、書跡などを、皇室に伝えられた作品のなかから紹介、展示しています。
詠む・描く
和漢朗詠集 巻上
尊朝法親王 安土桃山時代、天正18年(1590) 紙本墨書
『和漢朗詠集』(藤原公任撰)には、生き物も詠まれています。天台座主(延暦寺の住職)・尊朝法親王筆と考えられる温和な書で、展示中のページには、ホトトギスとホタルの詩歌が書かれています。(キャプションから)
綿花猫図 長澤蘆雪 江戸時代(18世紀) 絹本着色
かたどる・あしらう
羽帚に子犬 明治時代後期~大正時代(20世紀) 牙彫
刺繍 菊に鳩図額 四代 飯田新七 明治44年(1911) 刺繍
(部分)
七宝蜻蛉河骨図香炉 河出柴太郎 明治39年(1906) 七宝
いろいろな国から
皇室に、各国からその国の伝統工芸品や、国を代表する作家による美術品などが送られてきました。
(このコーナーでは、撮影禁止の作品が多数です)
インクスタンド 雛と蝸牛 20世紀初頭 真鍮、陶磁
撮った写真をまとめてみました。
―HPの解説ー
このたび、皇居三の丸尚蔵館しょうぞうかんでは、展覧会「いきもの賞玩しょうがん」を開催いたします。
本展では、地球上に生きる「いきもの」の姿を、数々の作品をとおしてご覧いただきます。
私たちの身近には大小さまざまな生き物がいて、生命を宿しています。
水の中の魚、叢くさむらに潜む昆虫、野山を駆け回る小動物など、特に小さな生き物は、置物や実用品として造形化され、
生活の中で目を楽しませてくれるものもあります。
そうした生き物を表した工芸品や絵画、書跡などを、皇室に伝えられた作品のなかからご紹介します。
また、皇室には諸外国との交流のなかで、各国の貴重な品々が贈られました。
そのような海外の作品も交えてご覧いただき、生きとし生けるものの力強さや愛らしさとともに、
命の等しさ、尊さに思いを巡らせていただければ幸いです。
企画展 歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界
会期 2024年6月1日(土)~7月21日(日)
泉屋博古館東京
館蔵の住友コレクションから、近世の人々の気分を映し出す歌絵、物語絵の優品を展示しています。
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展覧会の構成です。
第一章 うたうたう絵
和歌とは、人々の心に去来した感興を三十一文字のことがに託して表すものです。そこに欠かせないのが、日本の四季折々の自然や人々の営みでした。そして平安時代中頃、和歌の隆盛とともに広がったのが「歌絵」です(会場の解説から)
三十六歌仙書画帖
松花堂昭乗 江戸・元和2年(1616)
三十六歌仙とは藤原公任が選出した奈良・平安前期の優れた歌人を尊崇して称するもの。
松花堂昭乗(1584-1639)は男山の石清水八幡宮の真言僧。
寛永の三筆にあげられる書の名手。
寛永の三筆は、近衛信尹・本阿弥光悦・松花堂昭乗です。
柳橋柴舟図屏風(部分) 伝土佐広周 江戸時代(17世紀) 紙本金地着色 6曲1双 泉屋博古館
宇治が読まれた古歌が3首紹介されています。
その一首
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
あらわれたる 瀬々の網代木
藤原定頼(千載集)
第2章 ものがたる絵
物語りは元来、「語り」のことばどおり、音読を聞くことが中心だといい、巻物などに描かれた絵を前にして「耳」と「目」で味わう楽しみが早い時期からありました。やがて、ことば、書、絵からなる総合芸術に昇華した絵巻物から、冊子、扇、掛物、屏風はと、「物語絵」は広がります。(会場の解説から)
源氏物語図屏風(部分) 江戸時代(17世紀) 紙本金地着色 6曲1双 泉屋博古館
右隻に、桐壺、帚木、空蝉、若柴、紅葉賀、末摘花
左隻に、絵合、少女、朝顔、葵、胡蝶、蛍
の場面を描く。
重要文化財 是害房絵巻(部分) 伝土佐永春 南北時代(14世紀) 紙本着色 1巻 泉屋博古館
鴨川の湯を沸かし、是害房に湯治をさせる天狗たち。少し安らいだか、是害房はついでにかゆいところを掻くように依頼する。
第三章 れきし画
特別展示「没後100年 黒田清輝と住友」
ーHPの解説ー
古来、語り読み継がれてきた物語は、古くから絵巻物など絵画と深い関係にありました。和歌もまた、三十一文字の世界が絵画化されたり、絵に接した感興から歌が詠まれたりと、絵画との相互の刺激から表現が高められてきました。
物語絵や歌絵の特徴のひとつは、精細な描写と典雅な色彩。宮廷や社寺の一級の絵師が貴人の美意識に寄り添い追求した「やまと絵」の様式を継承することでしょう。そして、ストーリーに流れる時間を表すかのような巻物、特別な場面を抽出してドラマティックに描き出す屏風など、長大な画面にさまざまな表現が生まれました。古典文学は、後世の人々が自分自身に引き寄せて味わうことで、読み継がれ輝き続けてきました。それに基づく絵画もまた同様です。
本展では、近世の人々の気分を映し出す物語絵と歌絵を、館蔵の住友コレクションから選りすぐってご紹介します。雅やかで華麗、時にちょっとユーモラスな世界をお楽しみください。
会期 2024年4月27日(土)~8月29日(木)
東京都美術館
デ・キリコを象徴する?形而上絵画だけでなく。自画像・肖像画、彫刻、舞台芸術などにも相当な展示スペースを設けた展覧会。
デ・キリコの作品世界を網羅的に理解するいい機会かもしれません。
(画像はクリックで拡大表示になります)
風変わりで色とりどりの玩具でいっぱいの、奇妙な巨大ミュージアムを生きるように、世界を生きる。パリ手稿(1911-1914)より
展覧会の構成はつぎのとおりです。
第1章 自画像・肖像画
第2章 形而上絵画
形而上絵画以前
2-1 イタリア広場
沈黙の像(アリアドネ)1913年 油彩/カンヴァス ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館(デュセルドルフ)
デ・キリコは1921年から翌年にかけて、アリアドネの像のあるイタリア広場をいくつも描いている。ギリシャ神話の登場人物であるアリアドネは、敬愛するニーチェの詩から着想を得た主題だった。(キャプションから)
《バラ色の塔のあるイタリア広場》1934年頃 油彩/カンヴァス トレント・エ・ロヴェレート近代美術館(LFコレクションより長期貸与)
デ・キリコの初めて売れた作品《赤い塔のあるイタリア広場》(1913年》を、約20年たってから再制作した作品(キャプションから)
2-2 形而上的室内
2-3 マヌカン
《形而上的なミューズたち》1918年 油彩/カンヴァス カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(フランチェスコ・フェデリコ・チェッルーティー美術財団より長期貸与)(トリノ)
フェッラーラ期最後の代表作。三体のマヌカンが置かれている狭い室内は、この時期の特徴である。一方、以前よりも濃密かつ淡く美しい色彩形態を際立たせる明暗法には、古典絵画を研究した痕跡があり、この後の古典回帰の時代を予告している。(キャプションから)
《南の歌》1930年頃 油彩/カンヴァス ウフィツィ美術館群ピッティ宮近代美術館(フィレンツェ)
デ・キリコは1925年以降、シュルレアリストとの交流で形而上絵画を再び描くようになる。さらに1930年代初頭になると、20世紀の古典主義の先駆者と見なされていたルノワールの作品から学ぶようになった。本作でも、以前の均質な塗り方とは異なる、細かい筆致のルノワールの影響が感じられる(キャプションから)
《不安を与えるミューズたち》1950年頃 油彩/カンヴァス マチュラータ県銀行財団 パラッツォ・リッチ美術館
第2次世界大戦後デ・キリコは、自身が形而上絵画の創始者であることを示すために、過去の作品の再作を行った。本作も、フェッラーラ時代の形而上絵画の代表作を再制作した作品である。(キャプションから)
第3章 1920年代の展開
《谷間の家具》1927年 油彩/カンヴァス トレント・エ・ロヴェレート近代美術館(LFコレクションより長期貸与)
デ・キリコが幼少期を過ごしたアテネであH、地震が起きるたびに路上へ家具が運びだされていた。その記憶にくわえ、後に家具屋の店先に置かれた家具を見て、屋外に置かれた家具の奇妙な効果を感じ取り『谷間の家具』という主題を思いついたという。
第4章 伝統的な絵画への回帰ーー「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ
第5章 新形而上絵画
《オデュッセウスの帰還》1968年 油彩/カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)
長く苦難に満ちた旅路の果てに帰郷したギリシャ神話の英雄オデュッセウスがボートで漕ぐ姿が描かれる。舞台は室内で、右の窓の外には画家の故郷ギリシャの風景が見え、左の壁には形而上絵画がかけられる。室内の椅子や洋服ダンスなども、デ・キリコが過去に描いたモティーフである。画家は、英雄の旅路を自身の長く険しい人生と重ねている。(キャプションから)
TOPIC1 挿絵ーー(神秘的な水浴)
TOPIC2 彫刻
TOPIC3 舞台芸術
ーHPの解説ー
20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。彼が1910年頃から描き始めた「形而上絵画」(幻想的な風景や静物によって非日常的な世界を表現する絵画)は、数多くの芸術家や国際的な芸術運動に大きな影響を与えました。
本展では、デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの作品を余すところなく紹介。デ・キリコが描いた世界をたどる、日本では10年ぶりの大規模な個展となります。
6月は、
花菖蒲から紫陽花に花の盛期は移り変わり、
梅雨の季節に入って、大賀ハスの蕾が膨らみ、少しずつ咲き始めました。
散歩の途中、スマホで撮った写真をまとめてみました。
前半部分の満開の花菖蒲、黄色い”コウホネの花”は、皇居東御苑・二の丸庭園で撮ったものです。
二の丸庭園には、三の丸尚蔵館を訪れた時によく行きます。
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