2024.07.11

デ・キリコ展

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デ・キリコ展

会期 2024年4月27日(土)~8月29日(木)

東京都美術館

デ・キリコを象徴する?形而上絵画だけでなく。自画像・肖像画、彫刻、舞台芸術などにも相当な展示スペースを設けた展覧会。
デ・キリコの作品世界を網羅的に理解するいい機会かもしれません。

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(画像はクリックで拡大表示になります)

風変わりで色とりどりの玩具でいっぱいの、奇妙な巨大ミュージアムを生きるように、世界を生きる。パリ手稿(1911-1914)より

 展覧会の構成はつぎのとおりです。
第1章 自画像・肖像画
第2章 形而上絵画
    形而上絵画以前
2-1 イタリア広場
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沈黙の像(アリアドネ)1913年 油彩/カンヴァス ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館(デュセルドルフ)
デ・キリコは1921年から翌年にかけて、アリアドネの像のあるイタリア広場をいくつも描いている。ギリシャ神話の登場人物であるアリアドネは、敬愛するニーチェの詩から着想を得た主題だった。(キャプションから)

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《バラ色の塔のあるイタリア広場》1934年頃 油彩/カンヴァス トレント・エ・ロヴェレート近代美術館(LFコレクションより長期貸与)
デ・キリコの初めて売れた作品《赤い塔のあるイタリア広場》(1913年》を、約20年たってから再制作した作品(キャプションから)

2-2 形而上的室内
2-3 マヌカン
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《形而上的なミューズたち》1918年 油彩/カンヴァス カステッロ・ディ・リヴォリ現代美術館(フランチェスコ・フェデリコ・チェッルーティー美術財団より長期貸与)(トリノ)
フェッラーラ期最後の代表作。三体のマヌカンが置かれている狭い室内は、この時期の特徴である。一方、以前よりも濃密かつ淡く美しい色彩形態を際立たせる明暗法には、古典絵画を研究した痕跡があり、この後の古典回帰の時代を予告している。(キャプションから)

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《南の歌》1930年頃 油彩/カンヴァス ウフィツィ美術館群ピッティ宮近代美術館(フィレンツェ)
デ・キリコは1925年以降、シュルレアリストとの交流で形而上絵画を再び描くようになる。さらに1930年代初頭になると、20世紀の古典主義の先駆者と見なされていたルノワールの作品から学ぶようになった。本作でも、以前の均質な塗り方とは異なる、細かい筆致のルノワールの影響が感じられる(キャプションから) 

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《不安を与えるミューズたち》1950年頃 油彩/カンヴァス マチュラータ県銀行財団 パラッツォ・リッチ美術館
第2次世界大戦後デ・キリコは、自身が形而上絵画の創始者であることを示すために、過去の作品の再作を行った。本作も、フェッラーラ時代の形而上絵画の代表作を再制作した作品である。(キャプションから)

第3章 1920年代の展開
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《谷間の家具》1927年 油彩/カンヴァス トレント・エ・ロヴェレート近代美術館(LFコレクションより長期貸与)
デ・キリコが幼少期を過ごしたアテネであH、地震が起きるたびに路上へ家具が運びだされていた。その記憶にくわえ、後に家具屋の店先に置かれた家具を見て、屋外に置かれた家具の奇妙な効果を感じ取り『谷間の家具』という主題を思いついたという。

第4章 伝統的な絵画への回帰ーー「秩序への回帰」から「ネオ・バロック」へ
第5章 新形而上絵画
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《オデュッセウスの帰還》1968年 油彩/カンヴァス ジョルジョ・エ・イーザ・デ・キリコ財団(ローマ)
長く苦難に満ちた旅路の果てに帰郷したギリシャ神話の英雄オデュッセウスがボートで漕ぐ姿が描かれる。舞台は室内で、右の窓の外には画家の故郷ギリシャの風景が見え、左の壁には形而上絵画がかけられる。室内の椅子や洋服ダンスなども、デ・キリコが過去に描いたモティーフである。画家は、英雄の旅路を自身の長く険しい人生と重ねている。(キャプションから)

TOPIC1 挿絵ーー(神秘的な水浴)
TOPIC2 彫刻 
TOPIC3 舞台芸術

ーHPの解説ー
20世紀を代表する巨匠の一人、ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。彼が1910年頃から描き始めた「形而上絵画」(幻想的な風景や静物によって非日常的な世界を表現する絵画)は、数多くの芸術家や国際的な芸術運動に大きな影響を与えました。
本展では、デ・キリコのおよそ70年にわたる画業を「イタリア広場」「形而上的室内」「マヌカン」などのテーマに分け、初期から晩年までの作品を余すところなく紹介。デ・キリコが描いた世界をたどる、日本では10年ぶりの大規模な個展となります。

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2024.07.07

6月花散歩 2024

6月は、
花菖蒲から紫陽花に花の盛期は移り変わり、
梅雨の季節に入って、大賀ハスの蕾が膨らみ、少しずつ咲き始めました。

散歩の途中、スマホで撮った写真をまとめてみました。

前半部分の満開の花菖蒲、黄色い”コウホネの花”は、皇居東御苑・二の丸庭園で撮ったものです。
二の丸庭園には、三の丸尚蔵館を訪れた時によく行きます。



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2024.07.03

中村征夫写真展「海中顔面大博覧会」

 中村征夫写真展「海中顔面大博覧会」

会期 2024年6月14日(金)~7月4日(木)

フジフイルム スクエア

中村征夫写真展は何度も拝見していますが、
「海中顔面大博覧会」はキャッチ―なタイトル・・観に行きたくなりました。観に行ってきました。
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撮影可でしたので撮ってきました。
(画像はクリックで拡大表示になります)
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思わず二度見!
ジャノメガザミ 大船渡、越喜来湾、岩手県 2023
まるでコアラのような甲羅。人には愛らしく見えても、海の捕食者たちには、三つ目小僧のような妖怪に見えて、一目散に逃げかえるかもしれないね。

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君のひとみは10000ボルト
アオリイカ 大瀬崎、静岡県 2017
その瞳に射抜かれそう。

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密です
アヤコショウダイ ロロアタ島 パプアニューギニア 2005

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メスからオスに早変わり
アオブダイの1種 紅海、エジプト 2018
性転換したばかりのブダイの仲間。変幻自在のケレンは、さながら海の歌舞伎役者。

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あの子はいつも歌ってる
アゴアマダイの1種 石垣島、沖縄県 2015

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人間はそんなに偉いのかい!!
スジアラ レディエリオット島、オーストラリア 2009

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俺の目を見ろなんにも言うな!
エンマゴチ ロロアタ島 パプアニューギニア 2002
何か言い返したいんだけど・・・


撮ってきた写真をまとめてみました。



ーHPの解説ー
身近ですぐそばにあるのに「青い宇宙」と表現されるように遠い存在でもある未知なる海。その海に魅せられ、19歳のとき独学で水中写真に取り組んでから半世紀以上、今なお海と海に生きるものたちの撮影を続ける、水中写真の第一人者中村征夫氏。水深わずか数十センチの海辺から大洋へと広がる雄大で多様な海には、見れば見るほど、色彩豊かでデザイン的にも秀作ぞろいな生きものたちそれぞれが暮らすユニークな楽園(社会)が存在します。本展「海中顔面大博覧会」は、その楽園と生きものが一瞬見せた豊かな表情や思わず微笑んでしまうしぐさを捉えた写真1点1点に、ユーモアあふれる中村氏の言葉を添えて構成した写真展です。そして、1987年に発表し、大ヒットした写真展・写真集「海中顔面博覧会」の後、30余年脈々と撮り続けた続編にして新作です。(写真展に併せて写真集も発売予定です。)

「魚の顔はもちろん、海中の風景や流氷の造形だけでなく、サンゴ、ヒトデや海藻など、普段目につかないあるいはみんながうっかり見逃しがちな、海の役者たちの生きざまも撮影し続けてきました。長らく海に潜っていると、魚や生きものたちの顔、姿形から、思いがけないイメージをインスパイアされることがよくあります。そのとき被写体から受けた印象を崩さないよう心がけて、撮影に臨んでいます。」と語る中村氏。
圧倒的な海の楽園と海の美しさを味わいつつ、思わず笑顔になれるその住人が織りなす「大博覧会」をご覧ください。

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2024.06.30

かつて ここで--「エビスビール」の記憶 TOPコレクション時間旅行 展示第3室 

TOPコレクション 時間旅行 千二百個月の過去とかんずる方角から

東京都写真美術館

会期 2024年4月4日(木)~7月7日(日)

本展の第三室の展示”かつて ここで--「エビスビール」の記憶”
”いろいろな記憶”がよみがえり懐かしく観賞してきました。

かつて、エビスビールの工場、お化け煙突は、この地域の”ランドマーク”のような存在だったと思うのですが・・・
アメリカ橋も・・・

はたして、恵比寿の町は魅力的な街に変貌したのでしょうか?
ちょっと複雑な気持ちになります。

(画像はクリックで拡大表示になります)
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黒岩保美《D51 488 山手貨物線(恵比寿)》 


目黒のビール工場(サッポロビール恵比寿工場)
1889(明治22)年、東京府下原三田村(現・目黒区三田)に日本麦酒醸造株式会社がビール工場を設立、翌1890(明治 23)年に「恵比寿ビール」が発売された。現在、恵比寿ガーデンプレイスのある場所はかつて「目黒のビール工場」として知られた。
1914(大正3)年現在の東京都写真美術館の場所に「製麦棟」が建造。その特徴的な4本の通風筒(カブト煙突)は 1973(昭和48)年に解体されるまで地域のランドマークであった。1971(昭和46)年「サッポロビール恵比寿工場」に工場の改称。1988(昭和63)年に工場閉鎖。時の「カブト煙突」の先端部はモニュメントとしてサッポロビール本社前に保存展示されている。(会場解説パネルから)

目黒工場(恵比寿工場)の写真資料 明治-昭和初期(1880-1970s) 画像提供:サッポロビール株式会社
から・・・(部分)
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旧恵比寿駅? 旧目黒駅?


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《エビス・サッポロ・ユニオンビール》 昭和初期(1920-30s)

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「エビスビール」を中心とした
大日本麦酒株式会社のビール広告(複製) 明治-昭和初期(1900-1930s)
画像提供:サッポロビール株式会社 

 

展覧会の構成です。
第一室 1924年—大正13年
第二室 昭和モダン街
第三室 かつて ここで—「ヱビスビール」の記憶
第四室 20世紀の旅—グラフ雑誌に見る時代相
第五室 時空の旅—新生代沖積世


―HPの解説ー
本展覧会は「時間旅行」をテーマとする東京都写真美術館のコレクション展です。人が様々な時代を自由に旅する「時間旅行」という発想は昔からよく知られたSF的なファンタジーですが、想像の世界や芸術の領域では、人は誰でも時間と空間の常識を飛び越えることが可能なのではないでしょうか。
詩人で童話作家の宮沢賢治が1924(大正13)年に刊行した『心象スケッチ 春と修羅』では、宇宙的なスケールの時間感覚の中で「わたくし」の心象、言葉で記録された風景、そして森羅万象とがひとつに重なりあったような「第四次延長」という世界が描かれます。その世界観は当時の最先端の科学や思想から影響を受けた宮沢賢治の想像力が生み出したものです。しかし百年前の詩人の言葉とそれを生み出した想像力には、現代という分断の時代を生きる私たちの心にも響く何かがきっとあるはずです。
本展は百年前である1924年を出発点として、「1924年–大正13年」「昭和モダン街」「かつて、ここで」「20世紀の旅」「時空の旅」の5つのセクションに分け、37,000点*を超える当館収蔵の写真・映像作品、資料を中心にご紹介します。「時間旅行」をテーマとする本展で鑑賞者は、それぞれの時代、それぞれの場所で紡ぎ出される物語と出会うことができるでしょう。また、本展は宮沢賢治による『春と修羅』序文の言葉をひとつの手掛かりとして、戦前、戦後そして現代を想像力によってつなぐ旅でもあります。写真と映像による時空を超えた旅を、どうぞお楽しみください。(*2023年3月末時点)

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2024.06.26

幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻

幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻

会期 2024年6月1日(土)~9月1日(日)

町田市立国際版画美術館


ただただ、展覧会を見に行くだけで、本は読まないし、学ばない自分には苦手な作品が並ぶ展覧会ですが、
”ときに難解で半分も理解できなかった解説”が、わたしの鑑賞の助けになったことは確かです。

所蔵作品のみで、これだけの展覧会を企画できるのは流石、版画美術館だと思いました。

フラヌールとは”遊歩者”を意味するようです。

”独自の世界をさまよう〈フラヌール(遊歩者)〉ともいうべき版画家たちの作品は、過去や私たちの内に眠る原初的な記憶を呼び起こしながら現実世界の可能性、すなわち未来の姿をも浮かび上がらせる力を秘めているといえるのです。”(本展解説から)

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(画像はクリックで拡大表示になります)

展示構成です。(展示作家)
【刻線の魔力】
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・門坂流(1948-2014)
荒波 1993年 エングレービング

・木村茂(1929生)

・木原康行(1932-2011)

【〈エロス〉の形態学】
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・多賀新(1946生)
不安な室(むろ)1973年 エッチング、アクアチント、メゾチント

・パウル・ヴンダーリッヒ(1927-2010)

・ヨルク・シュマイサー(1942-2012)

 

【時空のアナモルフォーシス】
・星野美智子(1934生まれ)

・エリック・デマジエール(1948生まれ)

 

【神話のイマジネール】
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・蒲地清爾(1948生)
蜃気楼 1987年 エッチング、アクアチント

・エルンスト・フックス(1930-2015)

・藤川汎正(1940生)

 

【生・命・力―若きヴィジョネール/フラヌールたち】
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・池田俊彦(1980生)
嫗(老腐人-R) 2006年 エッチング、アクアチント、ドライポイント

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・山田彩加(1985生)
命の繋がり 2007年 リトグラフ

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・西村沙由里(1988生)
山越え 2012年 エッチング、アクアチント、ドライポイント

 

【語り、詠う幻像たち】
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・清原啓子(1955-1987)
領土 1981年(後刷) エッチング

・小林ドンゲ(1926-2022)

・アンティエ・グメルス(1962生)

 

【夢の敷居】
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・坂東壯一(1937生まれ)
星振る窓 1978年 エッチィング

・渡辺千尋(1944-2009)

 

【鏡像の宇宙】
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・加藤清美(1931-2020)
ちいさな自然C 1969年 エッチィング、手彩色

・日和崎尊夫(1941-1992)

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・柄澤齊(1950生)
肖像XVI マティアス・グチューネヴァルト 1983年 小口木版

 

【腐蝕の傷痕】
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・菊池伶司(1946-1968)
題名不詳 1968年 エッチィング、鉛筆

・ホルスト・ヤンセン(1929-1995)

 

―HPの解説ー
ときに鏡にたとえられる版画は、作者の夢想と見る者の願望を如実に映し出します。版面/紙面の不可思議なモチーフや奇妙なフォルムは想像力を否応なく刺激し、見慣れた現実をも幻想の世界に変容させる版画家たちの精神と手業は既成の概念を揺り動かし、私たちを別の世界へといざなうかのようです。
独自の世界をさまよう〈フラヌール(遊歩者)〉ともいうべき版画家たちの作品は、過去や私たちの内に眠る原初的な記憶を呼び起こしながら現実世界の可能性、すなわち未来の姿をも浮かび上がらせる力を秘めているといえるのです。
本展では企画協力に美術評論家の相馬俊樹氏をむかえ、幻想の力によって〈アナムネシス(記憶回復)〉を喚起する作品を、当館収蔵品から紹介します。版画/鏡を覗きこみながら作品のあいだを遊歩するうちにおのずと取り込まれる世界は、「夢幻」と「現実」、「作品」と「私たち」、そして「芸術のための芸術」と「生のための芸術」などの境界がとけあう場となるでしょう。

 

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2024.06.21

生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界

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正面玄関
ルネ・ラリックによるガラスのレリーフと・・

(画像はクリックで拡大表示になります)


生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界

会期 2024年6月1日(土) ~ 8月25日(日)

東京都庭園美術館

アールデコ様式の内装を施した旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)で竹久夢二(1884-1934)の作品と、その生涯をたどる。
夢二展のなかでも、本展は、ひときわ印象に残る企画でした。


展示風景です。
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大食堂

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小食堂(朝香宮邸では唯一和テイストの部屋)
展示作品は「湖畔舞子図」

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姫宮居間
展示作品は「千代紙」

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姫宮寝室
展示作品は「帯(いちご)」

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2階大広間
(封筒のデザイン)
夢二は絵画だけでなく、日用品のデザインにも力を注ぎました。夢二のデザインした商品は当時の女性たちに大人気でした。

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展覧会の構成は次の通りです。
1章 清新な写生と「夢二のアール・ヌーヴォー」
1-1 アール・ヌーヴォー時代からの出発
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帯「いちご」 大正前期 描絵、絹 夢二郷土美術館蔵

1-2 出版美術の革命

2章 大正ロマンの源泉ーー異郷、異国への夢
2-1 京都ーー1912-1918
2-2 新しい洋画の誕生
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アマリリス 1919(大正8)年頃 油彩、カンヴァス 夢二郷土美術館蔵
描かれた女性は、当時一緒に暮らしていた、職業モデルだった恋人「お葉」

2-3 エキゾチシズムーー江戸趣味と南蛮趣味
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宝船(やなぎや版) 1920(大正9)年 夢二郷土美術館蔵


3章 日本のベル・エポックーー「夢二の時代」の芸術文化
3-1 大正浪漫の立役者
3-2 郷愁と旅情
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憩い(女) 昭和初期 絹本着色 夢二郷土美術館蔵
二曲屏風が一対となった作品《憩い》にはそれぞれに洋装の男女が描かれ、西洋文化が人々の暮らしに入ってきた昭和初期の様相がうかがわれる。本作は二曲一双の屏風絵の右隻。(キャプションから)

3-3 挿絵ーー多様な画材と新しい表現
3-4 「どんたく図案」社と関東大震災


4章 アール・デコのの魅力と新しい日本画ーー1924-1931年
4-1 少年山荘
4-2 アール・デコの紹介者
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展示風景
雑誌「婦人倶楽部」表紙、口絵 木版、紙

4-3 日本画家としての成熟
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湖畔舞子図 昭和初期 絹本着色 夢二郷土美術館蔵


5章 夢二の新世界ーーアメリカとヨーロッパでの活動ーー1931-1934年
5-1 出発前夜
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立田姫 1931(昭和6)年 絹本着色 夢二郷土美術館蔵
「自分一生涯における総くゝりの女だ。ミス・ニッポンだよ」と夢二が語った夢二式美人画の集大成ともいえる晩年の代表作であり、外遊告別展出品作である。(キャプションから)

5-2 外遊と夢二の最期
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西海岸の裸婦 1931-32(昭和6-7)年 油彩、カンヴァス 夢二郷土美術館蔵

―HPの解説ー
「大正ロマン」を象徴する画家であり、詩人でもあった竹久夢二。
1884(明治17)年に岡山県で生まれた夢二は、正規の美術教育を受けることなく独学で自身の画風を確立し、「夢二式」と称される叙情的な美人画によって人気を博しました。
グラフィックデザイナーの草分けとしても活躍し、本や雑誌の装丁、衣服や雑貨などのデザインを手がけ、暮らしの中の美を追い求めました。夢二の作品は、没後90年を経た今もなお多くの人々を魅了し続けています。本展は、生誕140年を記念して、最新の研究に基づく新たな視点からその生涯をたどります。
このたび発見された大正中期の名画《アマリリス》、滞米中に描かれた貴重な油彩画《西海岸の裸婦》、そして夢二を看取った友人に遺したスケッチ帖や素描など、初公開資料を含む約180点の作品を夢二郷土美術館コレクションを中心にご紹介します。世の中のさまざまな価値観が劇的に変化しつつあった20世紀前半、時代の立役者となった竹久夢二の魅力を存分にご堪能ください。


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2024.06.16

「時代とあゆむ袋物商 たばこ入れからハンドバッグまで」

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「時代とあゆむ袋物商 たばこ入れからハンドバッグまで」

会期 2024年4月27日(土)~6月30日(日)
(前期:4月27日(土)~5月26日(日)後期:5月28日(火)~6月30日(日))

たばこと塩の博物館


(画像はクリックで拡大表示になります)


展覧会の構成です。
第一章 出かけるお供に袋物
たばこ入れを中心に、お出かけのお供として作られたさまざまなジャンルの袋物を紹介し、かつての日常にあった袋物の数々をご覧いただきます。(HPから)
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歌川国貞 市川団十郎 出村新兵衛 個人蔵 (七代目市川団十郎が前に提げているのが早道。) (右)鹿革早道
   

第二章 見どころだらけのたばこ入れ
用と美を兼ね備えた美術工芸品としてのたばこ入れを紹介します。さまざまな素材、さまざまな分野の職人が関わる手仕事の数々など、細部にわたる魅力をご覧いただきます。(HPから)

【八代目桂文楽旧蔵コレクション】
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第三章 時の流れと袋物
幕末から平成まで営業を続けた神田の山本袋物店で扱われた袋物(山本コレクション)と、明治末期から戦後まで活躍した金工・鈴木春盛の図案帳などを通して、時代の変化のなかで店と作り手に求められた商品の変遷を紹介します。(HPから)Img_2603
東京自慢名物会 竹本識太夫     手提袋各種【山本コレクション】

第四章 袋物商による袋物史
文人が東京美術学校(現・ 東京藝術大学)に寄贈した『囊物逸品集』と『日本囊物史』を通して、記録者としての袋物商を紹介します。(HPから)
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井戸文人著『日本囊物史』 東京藝術大学附属図書館蔵

【人気芸者のたばこ入れ −吉住はまコレクション−】
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スマホで撮った写真をまとめてみました。


―HPの解説ー
和装が主流だった時代、貴重品や懐紙、たばこなどを携帯する際には袋物が用いられ、江戸から昭和の初めごろまで紙入れやたばこ入れがその代表的な存在でした。これらは懐に収めたり腰から提げたりして用い、装身具としても重要なものでした。たばこ入れは構成部品が多く、各部品にさまざまな素材が用いられることから、凝った装飾のものが多く作られました。さらに明治9年(1876)に廃刀令が出されると、刀装具を製作していた腕のよい職人たちが袋物を含む日用品も手がけるようになり、たばこ入れは技術の粋を集めた美術工芸品として黄金期を迎えます。
明治維新後は、西洋を手本とした近代化のなかで、和装での暮らしに寄り添ってきた袋物にも機能や形の変化が求められ、西洋由来のハンドバッグなどに近づく流れも生まれました。この時流を感じ取った日本橋の袋物商・井戸文人(いどぶんじん/1874~1923)は、大正8年(1919)に袋物に関する初の通史『日本囊物史』を著しました。
本展は『日本囊物(ふくろもの)史』に沿って、袋物、職人や袋物商たちの歴史について4つの章で概観します。たばこ入れを中心としたさまざまなジャンルの袋物、金具などの部品、絵画資料や書籍など約300点の作品を通して、袋物の持つ用と美、時勢に呼応した変化、そして変わりゆく時代の需要に応え続けた職人や袋物商たちの仕事を紹介します。

 

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2024.06.11

三の丸尚蔵館の名品 第4期:三の丸尚蔵館の名品

三の丸尚蔵館の名品 第4期:三の丸尚蔵館の名品

令和6年5月21日(火)~6月23日(日)
※会期中、一部展示替えあり

皇居三の丸尚蔵館

新しく生まれ変わった皇居三の丸尚蔵館
本展は、今年11月に開館30年を迎える三の丸尚蔵館が、令和という新たな時代に、装いを新たに
「皇居三の丸尚蔵館」として開館することを記念して開催するものです。
約8か月にわたって開催する本展では、「皇室のみやび」をテーマに、
当館を代表する多種多彩な収蔵品を4期に分けて展示します。
これらは、いずれも皇室に受け継がれてきた貴重な品々ばかりです。
長い歴史と伝統の中で培われてきた皇室と文化の関わり、
そしてその美に触れていただければ幸いです。(HPから)

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(画像はクリックで拡大表示になります)


最終の第4期、人気”若冲の動植綵絵”の展示などもあり、当日予約で入場はできない状況でした。(全期間予約制です)
※現在の予約状況を確認したところ”お申し込み可能なチケットはありません”と表示されました。
HPでご確認ください。


第4期の出店リストです。
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以下の画像、ピントが甘かったです。ご容赦ください。

国宝 春日権現絵巻 巻一
高階隆兼 鎌倉時代 延慶2年(1309) 絹本着色
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(巻頭部分)
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(部分)
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(巻末部分)


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国宝 動植綵絵 伊藤若冲 江戸時代 18世紀 絹本着色
老松孔雀図 諸魚図 蓮池遊魚図 芙蓉双鶏図

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花鳥十二ヶ月図 酒井抱一 江戸時代 文政6年(1823) 絹本着色

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国宝 唐獅子図屏風
右隻 狩野永徳 桃山時代 16世紀 紙本金地着色
左隻 狩野常信 絵ぢ時代 17世紀 紙本金地着色

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閑庭鳴鶴 九重ノ庭之図刺繍屏風 高島屋呉服店 昭和3年(1928) 刺繍


スマホで撮った写真をまとめてみました。


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2024.06.08

画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎 「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで

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(画像はクリックで拡大表示になります)

静嘉堂文庫竣工100年 ・ 特別展
画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎
「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで

会期 2024年4月13日(土)~6月9日(日)

静嘉堂文庫美術館

武四郎が暁斎に初めて挿絵を依頼したのは明治五年『西蝦夷日誌』だった。暁斎は湯島に、武四郎は馬場崎門近くの岩倉邸長屋明治六年からは神田五軒町と近所に住んでいました。

お釈迦様になりきり、好物に囲まれシアワセなお昼寝
武四郎が自邸で昼寝をする自身の姿を釈迦入滅の情景に見立て、暁斎に描かせた一幅。

重文 武四郎涅槃囪
河鍋暁斎 明治19年(1886)松浦武四郎記念館
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お釈迦様になりきり、好物に囲まれシアワセなお昼寝
武四郎が自邸で昼寝をする自身の姿を釈迦入滅の情景に見立て、暁斎に描かせた一幅。愛用の丹前を着て、右を下に眠る武四郎の顔は実に穏やかだ。胸に自慢の大首飾り、腰に愛用の「火用心」煙草入。足をさすり泣き伏すのは黒付姿の妻・とう。満月に沙羅双ならぬ常緑の赤松が映え、天上から駆け付ける仏母・摩耶夫人一行ならぬ、古画から飛び出した遊女たち。武四郎の周囲の愛玩品は皆、悲壮な面持ちだ。武四郎と暁斎ならではの作。(キャプションから)

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大首飾り
縄文時代~近代 (公財)静嘉堂
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勾玉・管玉二四三個繋げて背丈ほどの首飾り
「蔵品目録」にも「勾玉首掛一連」と記され、65~67歳頃撮影した唯一の肖像写真にも、「武四郎涅槃図」でも身に着けている自慢の大首飾り。総数243点の玉を絹糸で繋げて一連としている。形態は、勾玉あり、管玉あり、材質も、硬玉、碧玉、瑪瑙、水晶、滑石、ガラスと多岐にわたり、それらを美しくつなげている。本品は「馬角」と墨書された、玉類の収納箱に入っていた。「馬角」は武四郎の号「馬角斎」のことで「ありえないこと」の意。(キャプションから)

伊勢撮革紙の袋に玉付けて「火用心」刻煙草入
重文 火之用心袋
巌谷一六 明治期(19C)松浦武四郎記念館
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展覧会の構成です。
第一章 暁斎と武四郎ーー『撥雲余興』まで
第二章 暁斎と武四郎ーー天神信仰と祈りの造形
第三章 暁斎✖武四郎=「武四郎涅槃図」
第四章 好古趣味の系譜ーー静嘉堂文庫と千歳文庫

―HPの解説ー
絵師・河鍋暁斎(1831~89)と、探検家で好古家、著述家、北海道の名付け親である松浦武四郎(1818~88)は、幕末から明治期を生きたマルチタレントです。二人の交流は明治の初め頃からあり、武四郎は愛玩品を集めた書物『撥雲余興(はつうんよきょう)』(当館蔵)等の挿絵を暁斎らに依頼しています。住いも近く、共に天神を信仰し、情に篤い二人の記念碑的作品は何と言っても「武四郎涅槃図」です。本展では、「武四郎涅槃図」とそこに描かれた、「大首飾り」(当館所蔵)をはじめとした武四郎愛玩の品々(武四郎記念館所蔵品と当館所蔵品)を同じ空間で展示し、「武四郎涅槃図」を立体的に再現します。さらに、武四郎の親友・川喜田石水(1822~79/川喜田家第14代)と実業家で陶芸も能くした川喜田半泥子(1878~1963/川喜田家第16代)、岩﨑小彌太(1879~1945/三菱第四代社長・静嘉堂初代理事長)との縁を紹介します。
幕末明治の多才な二人と、彼らを支えた人々の、古物(文化財)への情熱に思いを馳せる機会となれば幸いです。

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2024.06.05

第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」

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(画像はクリックで拡大表示になります)

第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで⽣きてる」

会期 2024年3月15日(金)~ 2024年6月9日(日)

横浜美術館、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、
クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路
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【横浜美術館】
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いま、ここで生きてる
展覧会の冒頭を飾るこの大きなスペースは、どこかキャンプを思わせます。自然に囲まれた楽しい キャンプ場のようにも、また人びとが身を寄せ合う難民キャンプのようにも見えます。

災害や戦争に巻き込まれ、避難し、逃亡し、さまよう――こうした「非常事態」は、わたしたちの日常のすぐそばにあります。実際、無数の人びとが難民キャンプをはじめとする厳しい環境のもとで暮らしています。ふだん意識せず何気なく日々を送るわたしたちにも、予期せぬ異常な事態がいつ訪れるかわかりません。

この章でご紹介するアーティストたちの作品は、こうした危機を象徴的に表しています。これらはわたしたちに、いつか来る非常事態を想像するための手がかりを与えてくれます。しかしまた、生の安全がおびやかされ、「生き延びたい」と願うこんなときこそ、わたしたちの創造の力が刺激され、生きることの可能性が大きく開かれるのかもしれません。

中央のテーブルには「日々を生きるための手引集」が置かれています。アーティスト、思想家、 社会活動家などがいまの時代や歴史、生について書いた、2000年代以降の文章を集めたもの です。そこには、傍観せずにまずは実践しようという呼びかけがあります。
(展示会場の解説パネルから)



ギャラリー1
鏡との会話
魯迅の詩集『野草』の中に不思議な一節があります。
なつめ 「わが裏庭から、塀の外の二本の木が見える。一本の木は棗の木である。もう一本も棗の木で ある。」★

魯迅はなぜ「二本の棗の木がある」とはせずこんな書き方をしたのでしょう。同じ種類の木なのにふたつある。ひとつのものがふたつに分離して向かい合っているようだ。そんなことを考えたの でしょうか。

作品とはアーティストの精神的な自画像です。それはアーティストの姿を鏡のように映し出しま す。しかし同時に、ひとたび制作されると、作品は独立した存在としてアーティストの前に立ち現 れます。

あるアーティストは歴史に入り込み、別のアーティストは自らを機械に変容させます。こうした行 為を通して、アーティストたちは、自分の魂を見つめ、自身を知るための秘密の通路を探り出します。そのために用いられるのは、観察、スケッチ、誇張、想像、類推、置き換え、象徴化といっ た手法です。こうして、自分で創造した「自己」たる作品が同時に見知らぬ「他者」でもある、とい う分裂した状況が生まれます。

鏡に映った自分の姿と対話すること。これは、自分を深く知り、同時にまだ見ぬ新しい自分を想像することでもあるのです。
★魯迅(竹内好訳)『野草』、岩波文庫、1980年
(展示会場の解説パネルから) 

 

ギャラリー2、5
わたしの解放
この章はギャラリー2とギャラリー5の2室による2部構成です。タイトルは、日本のアーティスト、富山妙子の自伝的エッセイ『わたしの解放辺境と底辺の旅』(1972年刊)に由来します。

ギャラリー2では、ウィーン在佳のアーティスト、丹羽良徳によるビデオ・インスタレーションと、台湾の台南を拠点とするグループ、你影視社(ユア・ブラザーズ・フィルムメイキング・グループ)の新作<宿舎>(2023年/2024年)をご紹介します。

丹羽の作品は、資本主義の論理を大げさに強調し、あるいはあいまいにぼかして、その本質を暴とうとします。丹羽の作品に向き合うことで、わたしたちは、自分も市場経済をまわすしくみにうまく組み込まれていることに気づきます。個人と国家の関係もまた、国の秩序と利益を守るととを前提に結ばれています。わたしたちは、ここからどのように自分を解放することができるでしょうか。

你哥影視社の作品は、2018年、台湾の新北市にある寮で、100人以上のベトナム人女性労働者がストライキを起こし、その様子がインターネットを通じて世界中に拡散された、という出来事に想を得ています。作品は、たくさんのワークショップやさまざまな職業の人びととのコラボレーションによりつくられました。
(展示会場の解説パネルから)

 

ギャラリー3、4
密林の火
この章では、いま現在の姿を映し出すものとして過去の歴史をとらえます。そして、まるで火打石 を打ちつけたときのように激しく火花が飛び散った歴史上の瞬間を現在によみがえらせます。

飛び散る火や火花とは、紛争や対立、衝突や事件のたとえです。この部屋には、そのような歴史的な出来事をふり返る作品と、こんにちの課題に向き合う作品を一緒に並べてあります。する と、過去と現在が混じり合って時代の違いが消え失せます。代わって、人びとの苦しみとそれに 立ち向かう行為とが、生きることの本質として浮かび上がってきます。

この章の作品は、もちろんそれぞれに異なるアーティストが創造したものです。しかしそれらは また、アーティストたちが人類に共通する視点をもって現実に反応した結果、生み出されたものでもあります。だからこそこれらの作品は、個々のアーティストが生きた時間と空間を飛び超えて、 今を生きるわたしたちのうちに共感と共鳴を呼び起こします。
(展示会場の解説パネルから)

 

ギャラリー6
流れと岩
「流れと岩」の章では、進む力とはばむ力がぶつかるところに生命力がほとばしるさまをご紹介し ます。

小川とは生命の絶え間ない活力であり、湧き上がる潜在的なエネルギーのようなもの。一方、 岩とは困難、停滞であり、頑固に立ちはだかる問題のようなもの。流れは岩にぶつかることで行く手をはばまれ、同時にそこでエネルギーを生み出します。

前進を続ければ、岩はやがてなめらかに削られ、流れはまた次の岩にぶつかるでしょう。中断や行き詰まりは、意味の連続性を断ち切ることもあれば、新たな意味を生み出すこともあります。 危機と回復はいつもとなり合わせ。この意味で「流れと岩」は、ごくふつうの人生のありようを描き 出しているとも言えます。

この章では、強い生命力のしるしとして、無邪気さ、若さ、気ままさ、高揚感、爆発、欲望、 穏やかさ、平凡さ、忍耐力などに注目します。そして、それらの要素が歴史的な、また現代の問題に力を及ぼすさまを考察します。決して枯れることのない若さは、困難に立ち向かう意志を生む源泉なのです。
(展示会場の解説パネルから)

 

ギャラリー7
苦悶の象徴
この章では100年ほど時をさかのぼります。タイトルは1900-1920年代に活動した日本の文筆家、 厨川白村の著作『苦悶の象徴」 (1924年刊)から採りました。1924年、魯迅は詩集「野草」を執筆 しながら、同時に白村のこの本を翻訳しました。この中で白村は次のように述べています。

「文芸は純然たる生命の表現だ。外界の抑圧強制から全く離れて、絶対自由の心境に立って個性を表現しうる唯一の世界である。」★

しかし続けて白村は、この自由な創造は何の制限もないところからではなく、前進する力と抑えつける力がぶつかるところからこそ生まれ出る、と語ります。この意味で芸術とは、まさに「抑圧強制」と戦って生じる「苦悶の表現」なのです。思えばふたつの力のぶつかりあいは、芸術の創造 に限らず、わたしたちが未来を切り開く力を生み出すための普遍的な条件なのかも知れません。

魯迅は1902年に日本に留学し、その後医学の道を捨てて文筆家になりました。帰国後、母国 の人々に近代的な考えを広めるため、版画を用いた活動を展開しました。魯迅の版画コレクショ ンには、ドイツの社会主義運動と共に歩んだ版画家、ケーテ・コルヴィッツの作品も含まれていま した。
★厨川白村『苦悶の象徴』1924年、改造社
(展示会場の解説パネルから)


【旧第一銀行横浜支店】
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【BankART KAIKO】
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すべての河 
旧第一銀行横浜支店とBankART KAIKOの二会場にまたがるこの章のタイトルは、イスラエルの作家、ドリット・ラビニャンの小説『すべての河』 (2014年刊)から採られています。イスラエルとパレスチナから来た二人の恋物語は、公的な出来事がいかに個人の人生を翻弄するかをわたしたちに教えてくれます。

旧第一銀行でご紹介するのは、この20年ほどの間に東アジアで活発化した、カフェや古着屋、 低料金の宿泊所、印刷所やラジオ局を運営する人々の動きです。彼らは「自治」「助け合い」「反消費」といった理念を掲げ、資本主義の論理や支配的な社会秩序の及ばないスペースをつくって、日々の暮らしの中に社会を変えるきっかけをもたらそうとしています。また街頭に出て活動し、人と人とを結びつけ、新たなコミュニティを創造しようとします。

あわせて、道をはさんで向かいのBankART KAIKOでは、東西冷戦が終結した1990年代以降、世界が経済優先、弱者切り捨ての方向に進む中で、それに対抗しようとする人々の動きをご紹介します。

これらの実践はわたしたちに、想像力を通じて互いにつながり、革命が起こるのをただ待つのではなく、自ら日常のうちに革命的な行動を持ち込もうと呼びかけます。
(展示会場の解説パネルから)


展示風景です。

 

セット券プログラム
BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」
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セット券プログラム
黄金町バザール2024 —世界のすべてがアートでできているわけではない
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2024.06.03

5月花散歩 2024

ぼたんなどの大きめの花が咲き、ますます華やかさを増した5月。

下旬には花菖蒲に続き、紫陽花も咲き始めました。

散歩の途中にスマホ撮った写真をまとめてみました。

 

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2024.05.31

和フリカ—第三の美意識を求めて―

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和フリカ—第三の美意識を求めて―

会期 2024年5月8日(水)~6月8日(土)

丸紅ギャラリー


「和フリカ—第三の美意識を求めて―」と題する本展は、パリを拠点に活動するカメルーン出身の現代アーティスト、セルジュ・ムアングの日本での初個展です。
本展では、日本とアフリカの文化的親和性について、心を弾ませるような新たなビジョンを示す彫刻や着物などの芸術表現作品、具体的には、日本の漆によってリ・イマジンされた伝統的アフリカのマスク、アフリカの布でつくられた着物、表象的なインスタレーションの代表作、本展のために特別に制作された作品、などを展示致します。ムアングの芸術は日本とアフリカの伝統を超えた「第三の美意識」へ私たちを誘います。
本展を通じて、皆さまが日本とアフリカの親和性を感じとり、アフリカ文化への興味を一段と高めて頂ければ幸いです。(本展チラシの解説から)


展示作品です。
和フリカ着物
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《”ケンテ”振袖》ケンテ(手織り綿)2023

漆彫刻写真

漆彫刻
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《お供え》2024 木、漆 

インスタレーション
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《ブラッド・ブラザーズ(血の兄弟)》2010 木、漆

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《セブンシシターズ(七人姉妹)》2010 木、漆

着物的スタイル素描

スケッチ

和フリカ着物「女王たち」


スマホで撮影した写真をまとめてみました。


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2024.05.27

特別展「法然と極楽浄土」

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(画像はクリックで拡大表示になります)


特別展「法然と極楽浄土」

会期 2024年4月16日(火) ~ 2024年6月9日(日)

東京国立博物館 平成館 特別展示室


本展の撮影可スポットです。
よく見かける仏涅槃群像(軸・平面画)の立体版は新鮮でした。
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仏涅槃群像
【釈迦)木造、金泥塗、玉眼
【その他】木造、彩色、玉眼(藤満・天龍八部等)、彫眼(動物)
江戸時代 17世紀 香川法然寺

法然寺は、高松藩初代藩主松平頼重(1622 ~95、徳川光圀の兄)が、法然上人配流の地 にあった寺を移して、寛文8年(1668)から3 年かけて造営した。十王堂、来迎堂などにも 群像があるが、圧巻はこの仏涅槃群像である。 大小あわせて82艇の中から26軀を展示する。(展覧会場の解説から)

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本展は、令和6年(2024)に浄土宗開宗850年を迎えることを機に、法然による浄土宗の立教開宗から、弟子たちによる諸派の創設と教義の確立、徳川将軍家の帰依(きえ)によって大きく発展を遂げるまでの、浄土宗850年におよぶ歴史を、全国の浄土宗諸寺院等が所蔵する国宝、重要文化財を含む貴重な名宝によってたどるものです。(HPから)


展示構成です。
第1章 法然とその時代
浄土宗の歴史のはじまりである、祖師・法然の事績や思想をたどります。
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重要文化財
選択本願念仏集(廬山寺本)
鎌倉時代・12~13世紀 京都・廬山寺蔵
(展示期間:4月16日~5月12日))

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国宝 法然上人絵伝(巻第六(部分))
鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院蔵
(展示替えあり)

 

2章 阿弥陀仏の世界
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国宝 阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)(部分)
鎌倉時代・14世紀 京都・知恩院蔵
(展示期間 4月16日~5月12日)

重要文化財 阿弥陀如来立像(部分)
鎌倉時代・建暦2年(1212) 浄土宗蔵
(展示期間 5月14日~6月9日)

法然上人像(隆信御影)(部分)
鎌倉時代・14世紀 京都 知恩院像

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重要文化財 阿弥陀三尊来迎図
鎌倉時代・14世紀 福島いわき市蔵
(展示期間:5月14日~6月9日)

 

3章 法然の弟子たちと法脈
法然のもとには彼を慕う門弟が集い、浄土宗が開かれました。法然没後、彼らは称名念仏の教えを広めようと、それぞれ精力的に活動をおこないます。
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国宝 綴織當麻曼陀羅
中国・唐または奈良時代・8世紀 奈良・當麻寺蔵
(画像提供:奈良国立博物館)
(展示期間:4月16日~5月6日)

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重要文化財 當麻曼荼羅図(貞享本)
青木良慶・宗慶筆 江戸時代・貞享3年(1686)奈良當麻寺像
(展示期間:5月8日~6月9日)

4章 江戸時代の浄土宗
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重要文化財 徳川家康坐像
江戸時代・17世紀 京都・知恩院蔵
(展示期間 4月30日~6月9日)

日課念仏
伝徳川家康筆 江戸時代・17世紀
東京国立博物館蔵

東京会場だけの展示 祐天寺
祐天上人坐像
祐天筆 六字名号

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第24幅 六道 地獄           第57幅 神通
五百羅漢図
狩野一信筆 江戸時代・19世紀 東京・増上寺蔵
(展示替えあり)

 

―HPの解説ー
平安時代末期、繰り返される内乱や災害・疫病の頻発によって世は乱れ、人々は疲弊していました。比叡山で学び、中国唐代の阿弥陀仏信仰者である善導(ぜんどう、613~681)の教えに接した法然(法然房源空、ほうねんぼうげんくう、1133~1212)は、承安5年(1175)、阿弥陀仏の名号を称えることによって誰もが等しく阿弥陀仏に救われ、極楽浄土に往生することを説き、浄土宗を開きました。その教えは貴族から庶民に至るまで多くの人々に支持され、現代に至るまで連綿と受け継がれています。

本展は、令和6年(2024)に浄土宗開宗850年を迎えることを機に、法然による浄土宗の立教開宗から、弟子たちによる諸派の創設と教義の確立、徳川将軍家の帰依(きえ)によって大きく発展を遂げるまでの、浄土宗850年におよぶ歴史を、全国の浄土宗諸寺院等が所蔵する国宝、重要文化財を含む貴重な名宝によってたどるものです。困難な時代に分け隔てなく万人の救済を目指した法然と門弟たちの生き方や、大切に守り伝えられてきた文化財にふれていただく貴重な機会です。

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2024.05.22

KAGAYA 星空の世界 天空の贈り物

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(画像はクリックで拡大表示になります)

KAGAYA 星空の世界 天空の贈り物

会期 2024年5月1日(水)~7月1日(月)

そごう美術館

―チラシの解説からー
世界中をかけめぐり、絶えず変化する星空を絵や写真、映像やプラネタリウム番組などさまざまなかたちで表現するKAGAYA。天文普及にも力を注ぎ、人々に星空の魅力を伝え続けています。
本展では、KAGAYAの代表的な写真作品、新作32点を含む約100点を「四季の星空」「月のある空」「オーロラ」「天の川を追う星の旅」
「一瞬の宇宙」、そして新章「天空を映す」のカテゴリーに分け、一挙に展示いたします。
あわせて、KAGAYAが撮影した迫力あふれる新作映像作品を体験できるコーナーを新設。美しい音楽とともに、16mの大画面で放映いたします。 美しい写真や、臨場感あふれる映像作品を通して、はるかなる星空の世界をお楽しみください。

映像作品上映スケジュール
A.新作 天空の贈り物(約10分)
B.新作 天空の贈り物(約10分)
C.一瞬の宇宙+天空賛歌(約10分) 

展覧会の構成です。
第1章 四季の星空
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春の軽便鉄道
千葉県、成田ゆめ牧場まきば線 2023年4月1日18時54分
宮沢賢治さんの時代の汽車がよみがえったかのような夜空の風景。まるで「銀河鉄道の夜」の世界。 

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夜の始まりの停車場
愛媛湾 2016年9月23日18時35分
ああ、次の列車もやり過ごそう。くもがあんまり綺麗だから。

第2章 月のある空
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残照の町
東京都 2017年1月30日17時55分
透明な冬の夕暮れ。街灯りの向こうに三日月と富士山。

第3章 オーロラ
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天空の庭
ノルウエー 2023年9月18日 20時21分21秒(UT)
北欧で見つけた天空の庭のような場所。磁気嵐の始まりを告げるオーロラが、空に大きく広がりました。

第4章 天の川を追う星の旅
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夢見るタウシュベツ橋 
北海道 2016年5月29日01時52分
月光を浴びて眠る鉄道橋。かつて汽車を走らせていたころの夢を見ているのでしょうか。

第5章 天空を映す
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銀河のほとりで
ボリビア、ウユニ塩湖 2016年1月15日07時25分
満天の星を映す天空の鏡。地球の裏側でたどりついた夢の光景。短い雨季にだけ現れる湖はごく浅く、その上を歩くことができます。

第6章 一瞬の宇宙
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満月彩花
新潟県 2023年8月2日20時07分
夏の宵、花束のように鮮やかな花火に彩られ、満月がゆっくり姿を現しました。


撮った写真をまとめてみました。


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2024.05.17

特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」

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特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」

会期 2024年3月16日(土)~6月16日(日)

国立科学博物館


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(画像はクリックで拡大表示になります)

”分類と系統から哺乳類の進化に迫る!”展覧会です。


展覧会の構成です。
第1章 哺乳類とは
荒野を駆け、地中を遣い、大洋を泳ぎ、夜空を舞う 体長はわずか5cmに満たないものから 30mを超えるものまで――。
とにかく、哺乳類は多種多様だ。 それでも、そこには共通点があり、つながりがある。

さまざまな空間で生き、極地から熱帯まで多様な環境に体や生き方を適応させた哺乳類。私たちヒトも含むこのグループは読んで字のごとく、母親が乳を与えて子を育てる脊椎動物の一群である。
哺乳類を定義する特徴は多数あるものの、本展示では「哺乳」を 含む5つの形態的特徴に着目して紹介する。心臓の構造や小さな耳の骨が、私たちが「なかま」であることを教えてくれる。(本展会場の解説から)

展示風景(シロナガスクジラの心臓(実物大レプリカ)
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第2章 分類と系統-わけるとつなぐ
比べて、分けて、つなげる。
分類額はあらゆる自然誌研究の基礎である。
その発展とともに、思いもよらぬ発見がもたらされることもある。

新種を論文に記載したり目の前の生き物が何なのかを結論付けたりする(同定する)工程は「分類」作業そのものだ。「種」や「属」同 士の関係性(系統関係)を見ることも、進化の過程を明らかにするうえで重要だ。

分類作業はビー玉や積み木を色や形ごとにわけて箱にしまう 行為と本質は変わらないが、生き物は見た目だけでは分類できないから面白い。哺乳類はこれだけ多様化した動物グループだからなおさらだ。

この章の終わりには「見た目は似ているけれど違う分類群」「見 た目は似ていないけれど同じ分類群」の事例を紹介するが、まずは なぜそのような結論に至ったのかを見ていこう。(本展会場の解説から)

展示風景
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哺乳類系統樹
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第3章 リアル哺乳類図鑑ーわけてつなげて大行進ー
国立科学博物館には、8万点以上の哺乳類の標本がある。
本章では、可能な限り多くの目・科の標本を選りすぐり、 第2章で学んだ分類・系統に沿って基本に忠実に紹介していく。
さあ、大図鑑と大行進のはじまりだ!

第2章で紹介したように1990年代後半からの分子系統解析を経て、現在哺乳類は27目に分類される。この27の「目」を系統別に 6つの分類群に分けるのが現在の主流である。6色の色分けにも注目しながら歩みを進めていこう。
壁沿いの展示は、図鑑をめくるように各目を1つひとつ紹介している。見た目以外の特徴もわかるよう、各所に展示された「骨格」や 「内臓」標本にも注目してみよう。「哺乳類大行進」ゾーンでは200体以上の剥製標本や骨格標本を間近で観察することができる。
理解への手助けとして、「コラム」コーナーの中では、特に収斂進化にまつわるトピックを展開する。合言葉は、「見た目にだまされるな」。
(本展会場の解説から)

”霊長目”展示風景
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”200体以上の剥製標本”展示風景
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第4章 哺乳類の分け方-過去から未来へ
最終章では、人類が哺乳類を観察し、分類を系統づけることで理解しようと試行錯誤してきた歴史を、最新の研究結果も含めて紹介します。(HPから)


撮ってきた写真をまとめてみました。

 

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