2019.10.13

塩田千春展:魂がふるえる

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「塩田千春展:魂がふるえる」は、
森美術館で開催されています。

会期 2019年6月20日(木)~ 10月27日(日)

塩田千春さんは、絵画塾に通うくらい、子供の頃から絵を描くのが大好きで芸術家に憧れていました。
東京の美大に進学したかったのですが、両親の反対もあって京都の大学に進学します。
ところが入学してすぐ絵を描くことができなくなってしまいます。「絵の中に自分の存在が感じられず、描く絵の軽さに耐えられなくなった」そうです。
在学中に交換留学生として、キャンベラのオーストラリア国立大学スクールオブアートで1年間学びます。
この経験で「自分のやっていることに自信が持てたこと」「海外に出るだけで、物事がこんなに自由で面白くなるのか」と実感します。
塩田さんはインスタレーション作品に活路を求め、制作に励みます。
大学を出たら海外に行くと決めていた塩田さん。曲折はあったものの、ハンブルク造形美術大学、ブラウンシュバイツ美術大学、ベルリン芸術大学で指導教授に教わります。
ドイツで暮らし始めて何度もの引っ越しを繰り返したのち、ベルリンに定住して、そのアトリエから代表作となる幾つもの作品が生まれます。
2000年頃からヨーロッパのあちこちの美術館やグループ展から声がかかるようになりました。
私が塩田さんの作品を初めて見たのはいつごろだっただろう?一度見たら忘れられない作品でした。
そしてこの最大規模の展覧会は、韓国、オーストラリア、インドネシア、台湾を巡回する予定だそうです。
現場での制作を伴う作品、今、一年の半分は、ベルリンの自宅を離れての生活だそうです。

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クロノジー 展示風景


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塩田千春 《内と外》 2008/2019年 古い木製の窓
Cc_20191013070801 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
ベルリンの工事現場で捨てられている窓を見ていると、人為的に28年にもの間、東西に別れ、同じ国籍の同じ言葉の人々が、どういう思いでこのベルリンの生活を見ていたのだろうと、その人々の生活を思い浮かべてしまう。(キャプションの部分引用です)


糸はもつれ、絡まり、切れ、解ける。
それは、まるで人間関係を表すように、私の心をいつも映し出す。ー塩田千春
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塩田千春《不確かな旅》展示風景 2019年 鉄枠、赤毛糸

塩田千春《不確かな旅》展示風景 2019年 鉄枠、赤毛糸
Ccこの写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

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塩田千春《静けさの中で》展示風景 2019年 焼けたピアノ、焼けた椅子、鉄、黒毛糸

塩田千春《静けさの中で》展示風景 2019年 焼けたピアノ、焼けた椅子、鉄、黒毛糸
Ccこの写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。


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塩田千春《集積-目的地を求めて》展示風景 2019年 スーツケース、モーター、赤いロープ
Cc_20191013070801この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
スーツケースの山を見ると、その数だけの人の生を見てしまう。
故郷を離れどこか目的地を求め、どうして旅に出たのか。
出発の日の朝の人々の気持ちを思い起こしてしまう。(キャプションの部分引用です)


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塩田千春《行くべき場所、あるべきものー写真》 2010年 スーツケース、写真、糸、ほか
Cc_20191013070801この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

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がんが再発して、2回目の手術を受けたのが、本展の開催打診が来た直後だったそうです。その為この個展の準備は、今までよりはるかに死と言うものを身近に感じながら進めたと仰っています。

展覧会の最後に掲げられたパネルの内容です。
ドイツで娘と同じ歳の小学生に聞いてみた。
魂(ゼーレ)ってなに?どこにあると思う?どんな色?
動物にも魂はあるのかな?植物にも魂はあるのかな?
そして、もし人が亡くなったらその魂もいなくなっちゃうのかな?

私の魂は肉体とともにある。肉体が無くなると魂も一緒に無くなるのか。
心にはいつまでも寄り添っていられるのか。
病気の再発を宣告されての2年間、個展構想をしながら、
私自身、生きることで精一杯だった。 

 

—HPの解説—
ベルリンを拠点にグローバルな活躍をする塩田千春は、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られています。個人的な体験を出発点にしながらも、その作品はアイデンティティ、境界、存在といった普遍的な概念を問うことで世界の幅広い人々を惹きつけてきました。なかでも黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせたダイナミックなインスタレーションは、彼女の代表的なシリーズとなっています。

本展は、塩田千春の過去最大規模の個展です。副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを伝えたいという作家の思いが込められています。大型インスタレーションを中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、25年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会になります。「不在のなかの存在」を一貫して追究してきた塩田の集大成となる本展を通して、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感していただけることでしょう。

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2019.10.11

マルク・シャガール — 夢を綴る

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「マルク・シャガール — 夢を綴る」は、
ポーラ ミュージアム アネックスで開催されています。

会期 2019年10月4日(金)〜11月4日(月・祝)

「ポーラ銀座ビル10周年記念展」ということで、ポーラ美術館所蔵のシャガールの秀品が揃いました。
警備員さんも一人常駐のようで、写真撮影も不可です。

シャガール版画作品の傑作といわれる「ダフニスとクロエ」
この展覧会で扉絵を含む20点(42場面の中から)が展示されています。

『ダフニスとクロエ』はエーゲ海に浮かぶ神々の島のひとつ、自然豊かなレスボス島を舞台に繰り広げられる少年ダフニスと少女クロエの恋の物語です。幼いころに捨てられたダフニスとクロエは、それぞれ島の羊飼いと山羊飼いの夫婦に育てられ、楽しく暮らしていました。やがて二人はお互いを意識するようになり、惹かれ合っていきますが、「恋」という感情を理解できずにいました。その後、妖精や牧神のパンたちの導きにより、様々な困難を一緒に乗り越えていくことで、お互いの想いを実感していきます。本当の両親との再会を果たした二人は、最後には皆から祝福を受けながら結婚します。純真な初恋が成就していく様子が叙情豊かに描かれている物語です。

シャガールは、この物語の挿絵を制作するにあたり、物語の舞台であるギリシャに2度取材に行きました。1952年、最初の取材後にグワッシュで下絵を制作し、2度目の1954年からリトグラフの制作に取り組みました。リトグラフとしては例外的に、20色以上もの色彩が用いられたこともあり、完成には4年以上の歳月が費やされました。挿絵本は全42図から構成され、本展ではその中から20点を抜粋して展示します。(パンフレットからの引用です)
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マルク・シャガール『ダフニスとクロエ』扉絵 ロンゴス著/テリア―ド社1961年刊 リトグラフ/紙

その他7点の油彩画が展示されています。
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マルク・シャガール《恋人たちとマーガレットの恋》1949-1950年 油彩/カンヴァス

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マルク・シャガール《私と村》1923-1924年頃 油彩/カンヴァス

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マルク・シャガール《町の上で、ヴィテブスク》1915年 油彩/厚紙(カンヴァスに貼付)
 
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マルク・シャガール《オペラ座の人々》」1968-1971年 油彩/カンヴァス

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2019.10.08

風景の科学展 芸術と科学の融合

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企画展「風景の科学展 芸術と科学の融合」は、
国立科学博物館 日本館1階企画展示室で開催されています。

会期  9月10日(火)~12月1日(日)

写真家上田義彦氏の世界各地の風景写真に、研究者が解説文をつけ標本とともに展示。グラフィックデザイナー佐藤卓氏の企画による美しい展示空間もみどころ。(HPより)

写真の構図とか、光の表現とか、色彩表現とか・・・を科学者が定量的に検証し解明するという企画展ではありません。

先日旅行した時にも、この展覧会とか、北海道に取材した画家の展覧会のことが脳裏に浮かびました。

例えば、先日撮ってきた青い池。

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この写真から・・・
「透き通るような青い水面に映る木立と朽ち果てようとする池の白樺。遊歩道には活き活きとした白樺の木」という感想もあるでしょう。
この展覧会の解説では、こうなるのかもしれません。
「この付近の湧水には水酸化アルミニウムなど、主に白色系の微粒子が含まれており、美瑛川本流の水と混ざることによって分散され一種のコロイドが生成される。水中に差し込んだ太陽光がコロイドの粒子と衝突散乱して水の吸収による青色の透過光が加わり、美しい青色に見える」(Wikipediaを参考にしました)

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この写真から、専門知識をもった科学者はこの様な連想をするのだな~
科学博物館ならではの楽しい展覧会だと思いました。全文を読んでいくとチョット疲れるかな~

以下の解説文は、展覧会場の解説パネルの内容の一部を、書き写したものです。
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グレンコー(スコットランド)
深淵たるバイソンの群れ
最終氷期である約2万年前、日本の本州北部では、この写真で見られるような環境があったはずで、そこには寒冷地域の草原や森林ステップに適応したステップバイソンが棲息していた。岩手県一関市花泉から保存状態の良いステップバイソンの化石が見つかっている。
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ステップバイソン肩甲骨


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ガンジス川(インド)多様な人類の集団の混合
アフリカで生まれた人類は、およそ6万年前に世界に旅立った。インドはアジアへの進出の起点となる地域だったので、その後、東南アジアや東アジア、オセアニアや南北アメリが大陸に進出した人々はみな、この地を通過したことになる。

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ガンジスガワイルカの頭骨
世界には本来は海に住む海棲哺乳類の仲間が棲息する大河がある。ガンジス川もそのひとつで、体長2.6m淡褐色のカワイルカであるガンジスガワイルカが棲息している。


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屋久島(日本)
屋久島の付着藻類被膜
日本のきれいな河川に見られる珪藻の多くは日本固有種である。日本国内でそれぞれの地域に固有の種が存在するかどうかは、まだまだ研究途上だが、屋久島の付着性藻類マットからは今のところ他の地域からの報告はない珪藻の固有種が見つかっている。



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東尋坊(日本)東尋坊風景
この写真で激しい波を打ち浴びている黒い岩石は「安山岩」という、日本にもっとも多く分布する火山岩である。東尋坊の安山岩は約1500万年まえに日本海が開いて日本列島がユーラシア大陸から分断されたとき地下が割れて噴出したマグマが固化したものである。

一例を記しましたが・・このような作品とその解説が続きます。

—HPの解説—
芸術家の目が切り取った風景に、自然科学の研究者は何を見るのだろうか。
本展では、写真家・上田義彦が撮影した写真を、国立科学博物館の研究者が解説し、対象物とともに展示する。
解説の多くは風景の背後にある時間の流れを意識したもので、瞬間を切り取った写真に
重層的な意味を付け加えている。風景に地球の歴史を感じることは、私たちの認識をより深いものにするはずで、
そこに「芸術と科学の融合」の目指す地平がある。 ―国立科学博物館 篠田 謙一

 

自由な芸術と、事実の科学。芸術と科学はまったく違うベクトルのように思える。
いつの間にか、そんな概念が我々に刷り込まれてはいないだろうか。しかし人は、意識と感覚を分けて
生きているわけではない。見るという意識の直後に、好き嫌い、気持ちいい気持ち悪い
という感覚が沸き起こる。その後に初めて、その感覚がどこから来ているのかを知りたいと思う。
「何だこれは?」という感覚的な興味が、「もっと知りたい」と事実を欲求するのである。
写真という芸術を入口に、科学の世界に誘う展示を、さてあなたはどう見るだろうか。 ―グラフィックデザイナー 佐藤 卓

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2019.10.03

観てきた展覧会備忘録 2019年9月

あそびのじかん
会期 2019年7月20日(土)〜10月20日(火)
東京都現代美術館

リニューアル・オープン記念展  コレクション展
MOTコレクション 第2期 ただいま/はじめまして
会期 2019年8月3日(土)〜10月20日(火)
東京都現代美術館


「入門 墨の美術 -古写経・古筆・水墨画-」
会期 2019年8月31日(土)〜10月14日(14月・祝)
静嘉堂文庫美術館

秋の優品展 筆墨の躍動
会期 2019年7月720日(土)〜10月20日(日)
五島美術館


美ら島からの染と織 ─色と文様のマジック
会期 2019年8月10日(土)~9月23日(月・祝)
松濤美術館


サントリー芸術財団50周年
黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶
会期 2019年9月4日(水)〜11月10日(日)
サントリー美術館


塩田千春展:魂がふるえる
会期 2019年6月20日(木)~ 10月27日(日)
森美術館

 

「PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス」
会期 2019年4月13日(土)~9月16日(月・祝)
六本木ヒルズ展望台 東京シティービュー


風景の科学展 芸術と科学の融合
2019年 9月10日(火)~12月1日(日)
国立科学博物館日本館1階企画展示室

 

「奥の細道330年 芭蕉」
会期 2019年8月31日(土)~9月29日(日)
出光美術館

 

第85回展覧会「大礼-慶祝のかたち」第1期
会期:令和元年9月21日(土)~令和2年1月19日(日)
第1期:9月21日(土)~10月27日(日)
三の丸尚三館


博物館でアジアの旅 LOVE♡アジア(ラブラブアジア)
会期 2019年9月10日(火) ~ 10月14日(月)
東京国立博物館東洋館

 

「円山応挙から近代京都画壇へ」(後期)
会期
前期:2019年8月3日(土) - 9月1日(日)
後期:2019年9月3日(火) - 9月29日(日)
東京藝術大学美術館

 

今月は、北海道東部を旅してきました。ので・・・
博物館 網走監獄

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2019.09.28

円山応挙から近代京都画壇へ

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「円山応挙から近代京都画壇へ」は、
東京藝術大学美術館で開催されています。


会期
前期:2019年8月3日(土) - 9月1日(日)
後期:2019年9月3日(火) - 9月29日(日)

この展覧会の主題は、応挙、呉春から戦前までの系譜を丁寧に追うことで、円山・四条派の全貌に迫るとともに、日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇の様相の一端を明らかにするものです。

ということで、先ずはHPの解説からです。
—HPの解説—
江戸時代、京都では、伝統的な流派である京狩野、土佐派をはじめとして、池大雅や与謝蕪村などの文人画、近年一大ブームを巻き起こした伊藤若冲や曽我蕭白、岸駒を祖とする岸派や原在中の原派、大坂でも活躍した森派など、様々な画家や流派が群雄割拠のごとく特色のある画風を確立していました。しかし、明治維新以降、京都画壇の主流派となったのは円山・四条派でした。円山・四条派とは、文字通り円山派と四条派を融合した流派です。

円山派の祖である円山応挙が現れたことで京都画壇の様相は一変しました。応挙が得意とした写生画は画題の解釈を必要とせず、見るだけで楽しめる精密な筆致が多くの人に受け入れられ、爆発的な人気を博しました。京都の画家たちはこぞって写生画を描くようになり、応挙のもとには多くの門下生が集まって、円山派という一流派を形成しました。
四条派の祖である呉春は、初め与謝蕪村に学び、蕪村没後は応挙の画風を学んだことで、応挙の写生画に蕪村の瀟洒な情趣を加味した画風を確立しました。呉春の住まいが四条にあったため四条派と呼ばれたこの画風は、弟の松村景文や岡本豊彦などの弟子たちに受け継がれ、京都の主流派となりました。呉春が応挙の画風を学んでいる上、幸野楳嶺のように円山派の中島来章と四条派の塩川文麟の両者に師事した画家も現れたこともあり、いつの頃からか円山派と四条派を合わせて円山・四条派と呼ぶようになりました。
応挙・呉春を源泉とする円山・四条派の流れは、鈴木百年、岸竹堂、幸野楳嶺等へと受け継がれ、それぞれの門下から、近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳、山元春挙、今尾景年、上村松園等を輩出しました。彼らは博覧会や、日本で初めての公設美術展覧会である文部省美術展覧会で活躍し、全国に円山・四条派の名を広めました。一方で、栖鳳たちは、自身の塾や、教鞭を執った京都府画学校や京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で多くの近代京画壇の発展に資する後進たちを育てています。
本展では、応挙、呉春から戦前までの系譜を丁寧に追うことで、円山・四条派の全貌に迫るとともに、日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇の様相の一端を明らかにするものです。

図録に掲載されている「江戸時代・京都、四条界隈再現地図」
赤文字で、絵師の名前が記されていますが、すいません読みずらいですよね!
呉春に始まる一門を四条派の呼ぶのは、門人の多くが四条通りに住んだことからです。

応挙は四条界隈を何度か引越しをしていますが最後の邸の近くには隣同士というほどの空間に伊藤若冲邸、松村呉春邸、があったことが分かります。(時代にズレがありますが・・)

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展示会場には「円山・四条派主要画家の系譜」が掲示されていて、その絵師の多彩さがよく分かります。
勿論それぞれの絵師の作品が展示されていてその継承と個性を楽しむことができます。

展示は、東京での展示が約10年ぶりとなる大乗寺襖絵から始まります。

山陰地方の真言宗の古刹大乗寺には、応挙と13人の弟子たちが絵筆を揮った障壁画面165面が現存しています。
大乗寺客殿孔雀の間を彩るのは応挙が死の3ヶ月前に描いた松に孔雀図です。部屋は西面にあり、光の当たり方によって孔雀の羽毛は青色に、松の葉は緑に見えるし、幹は茶色に見える・・・・とのことです。
私も、展示作品をあらゆる方向から観察してみましたが・・・・
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重要文化財 松に孔雀図 円山応挙 寛政7年(1795) 兵庫・大乗寺

その他の大乗寺襖絵展示。
少年行図 山本守礼 江戸時代後期 兵庫・大乗寺
採蓮図 亀岡規礼 江戸時代後期 兵庫・大乗寺
群山露頂図 呉春 天明7年(1787) 兵庫・大乗寺
四季耕作図 呉春 寛政7年(1795) 兵庫・大乗寺

続いての展覧会構成は次の通りとなっています。
すべては応挙にはじまる。
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重要文化財 写生図巻(甲巻)(部分) 円山応挙 明和8年~安永元年(1771-72) 株式会社 千總

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重要文化財 写生図巻(乙巻)(部分) 円山応挙 明和7年~安永元年(1770-72) 株式会社 千總


孔雀、虎、犬。命を描く。
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猛虎図 岸竹堂 明治23年(1890) 株式会社 千總

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春暖 竹内栖鳳 昭和5年(1930) 愛知県美術館(木村定三コレクション)

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薔薇蝶狗子図 長沢芦雪 寛政後期頃(c.1794-99) 愛知県美術館(木村定三コレクション)

 

山、川、滝。自然を写す。
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重要文化財 保津川図(右隻) 円山応挙 寛政7年(1795) 株式会社 千總

美人、仙人。物語を紡ぐ。
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重要美術品 江口君図 円山応挙 寛政6年(1794) 静嘉堂文庫美術館

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楚蓮香之図 上村松園 大正13年頃(c.1924) 京都国立近代美術館

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2019.09.26

奥の細道330年 芭蕉

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「奥の細道330年 芭蕉」は、
出光美術館で開催されています。

会期 2019年8月31日(土)~9月29日(日)

江戸時代前期に活躍した俳人・松尾芭蕉(1644 - 94)は、敬慕する西行(1118 - 90)らがめぐった「歌枕」を自分の脚で辿り、追体験することを目的として奥の細道の旅に出ます。(HPより)
私も真似っこで、松島(宮城)、平泉(岩手)、立石寺(山形)、出雲崎(新潟)をかつて訪れました。芭蕉の句を思いながら景色を旅したのは楽しい思い出です。

出雲崎は良寛の生誕地でもあり、私は良寛の史跡巡りもしてきました。この展覧会には、芭蕉と良寛に私淑していた小杉放庵作品の展示コーナーもあります。小杉放菴は好きな画家です。日光にある小杉放菴記念日光美術館館もお薦めです。

夏草や 兵どもが 夢の跡

閑さや岩にしみ入る蝉の声

荒海や佐渡によこたふ天河

俗に、芭蕉の句とされている『松島や ああ松島や 松島や』の句は、後世の人が、芭蕉が絶句した気持ちを詠んだもの。芭蕉は、松島では一句も詠んでいません。同行の曾良が一句詠んでいます。

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本展のハイライトは約20点もの貴重な芭蕉の自筆作品です。

さらに、以下の展示にも注目です。

芭蕉が最晩年に、自ら描いたとされる「旅路の画巻」

与謝蕪村の超大作「奥之細道図」(展示は下巻のみ、京都国立博物館蔵、重要文化財)
与謝蕪村は芭蕉を敬愛し、若いころに『奥の細道』をたどる旅に出ています。

芭蕉句を引用したした仙崖の作品も展示されています。仙崖さんらしくて楽しい絵と画賛です。

東の良寛、西の仙崖ですね。

展覧会の構成は次の通りです。
第1章 名句の響き ―芭蕉の筆跡を賞でる
第2章 旅の情景 ―奥の細道をめぐる
第3章 名所・旧跡をよむ ―歌枕の世界
第4章 思いを紡ぐ ―芭蕉から放菴まで

以下、展覧会場のキャプションを参考にしています。
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発句画賛「野をよこに」書 松尾芭蕉/画 森川許六 江戸時代
野をよこに    はせを
 むま引きむけよ
    ほとゝきす
奥の細道の旅中、黒羽を発って那須野の殺生石に向かう途中で馬子に乞われて馬上で詠んだ即興の発句を書いたもの。
芭蕉の門人許六が馬子にひかれる芭蕉の姿を画に描いている。

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発句短冊「枯朶に」 松尾芭蕉 江戸時代
枯朶にからすの
  とまりけり 秋の暮 
         華桃青
初冬の夕暮れの景色を詠んだ発句。 

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発句短冊「櫓声波をうて」 松尾芭蕉 江戸時代
櫓聲波を打て    はせを
  腸凍る夜や涙
「寒々とした深川の草庵で、櫓が波を打つ音を聴いていると腸まで凍えそうだ」と詠じている。

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発句短冊「ふる池や」 松尾芭蕉 江戸時代
ふる池やかはつ飛込水の音
          はせを
貞享3年(1686)の春、深川の芭蕉庵で「蛙」を主題とする句会が催されるが、その時の発句をしたためたもの。  

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発句自画賛「はまぐりの」 松尾芭蕉 江戸時代
はまくりのいけるかひ
      あれとしの
         くれ
         はせを
本発句は「活き貝」と「生き甲斐」が掛けられており、「自分も生き甲斐のある年を迎えたい」というしみじみとした歳末の気持ちが詠まれている。

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芭蕉像 松村月渓 江戸時代
よしのゝ花に句なし
   行はるに和哥浦
     にて追付たり
        はせを

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奥の細道 谷中 小杉放菴 昭和時代

全て出光美術館蔵です。

 
—HPの解説—
江戸時代前期に活躍した俳人・松尾芭蕉(1644 - 94)は、敬慕する西行(1118 - 90)らがめぐった「歌枕」を自分の脚で辿り、追体験することを目的として奥の細道の旅に出ます。門人・河合曾良(1649 - 1710)を随行し、元禄2年(1689)3月下旬に江戸を出立。白河の関を越えて、松島・平泉を巡り、出羽の各地を遊歴しました。その後、越後・越中・加賀・越前へと旅して、8月下旬には美濃大垣へと至ります。こうした約600里(2400キロ)の旅路は、半年にも及びました。行く先々で目にした景物を題材に優れた俳諧作品が生まれ、自筆の短冊や懐紙なども多く残しています。この旅をもとに、亡くなる元禄7年(1694)の4月に編まれたのが紀行文『おくのほそ道』です。
今年は、芭蕉が奥の細道の旅に出て、330年の記念の年を迎えます。これを記念して本展では、出光コレクションの中から芭蕉の自筆作品を厳選し、他館の名品もお借りして、約20点もの芭蕉の書をご紹介いたします。多様に展開する芭蕉の書の魅力をお伝えするとともに、芭蕉の真跡を捉え直す機会になれば幸甚です。また、『おくのほそ道』をめぐる名品や芭蕉を敬慕した者たちの書画作品も展示し、芭蕉や俳諧にまつわる美術をお楽しみいただきます。

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2019.09.18

美ら島からの染と織 ─色と文様のマジック

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「美ら島からの染と織 ─色と文様のマジック」は、
渋谷区立松涛美術館で回際されています。

会期 2019年8月10日(土)~9月23日(月・祝)

本展覧会の出品はすべて制作地に直接由来する沖縄からのものであり、この点が大きな特色となります。(HPより)
国宝を含めて素晴らしい作品が勢揃いです。
3期に分けて大幅な展示替えが行われました。
人間国宝平良敏子工房での芭蕉布作品制作過程を記録したビデオが放映されていますが、大変な工程を経て貴重な作品ができるのが実感できます。

展覧会の構成は以下の通りです。
第一章 紅型ー沖縄の至高の染織品
第二章 沖縄の織物
第三章 多彩な染織品の数々ー着物以外の染織品
第四章   沖縄染織の道具  
第五章 伝統を伝えてー現代の染織品>

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白地流水菖蒲蝶燕文様紅型苧麻衣裳 国宝 18-19世紀 苧麻 丈 134.3  裄66.0 那覇市歴史博物館

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白地松桜紅葉亀松皮菱繋文様紅型木綿衣裳 国宝 18-19世紀 木綿 丈146.7 裄69.0 那覇市歴史博物館

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《苧麻浅地雲取に枝垂桜燕文様紅型衣裳》 19世紀 (一財)沖縄美ら島財団蔵


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絽織染分地鶴と松梅菊文様両面紅型胴衣 19世紀 絹 丈95.0 裄77.0 一般財団法人 沖縄美ら島財団

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黄緑地芭蕉衣裳 18-19世紀 芭蕉 丈151.5 裄75.0 那覇市歴史博物館

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《桃色地経緯絣苧麻衣裳》18-19世紀 那覇市歴史博物館蔵

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木綿浅地格子に絣衣裳 20世紀初期か 木綿 丈118.6 裄59.0 沖縄県立博物館・美術館

 

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芭蕉・黄色地経緯絣衣裳(復元)
平良敏子(1921年−/ 重要無形文化財 芭蕉布 保
持者)作 1996年 芭蕉 丈147.6 裄68.4 一般財団法人 沖縄美ら島財団

 

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城間榮喜作 《縮緬灰色地雲鳳凰に松藤水辺鳥文様衣裳》 1955年頃 沖縄県立博物館・美術館蔵

 

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苧麻紺地紋入松竹梅模様チリデーウスーヤー 19世紀か 苧麻 縦78.9 横48.0 沖縄県立博物館・美術館

 

—HPの解説—
沖縄は明治時代以前には琉球王国として栄え、そこでは独自の染織文化が花開きました。本展では、紅型をはじめとする、最高の質を誇る国宝の琉球国王尚家伝来の染織品を中心に、芭蕉布、上布などの優品を展示し、同地で発達した高度な染織文化をご紹介します。
また紅型の道具や文様見本帖などによってその技法の一端にふれ、染織文化への理解を深めていただきます。そして、今日までこうした技術が伝承されてきていることをふまえ、人間国宝の作家らによる現代の最高峰の諸作品により、沖縄の染織の現状もあわせて展覧します。
本展覧会は、沖縄県立博物館・美術館、一般財団法人沖縄美ら島財団および那覇市歴史博物館の全面的なご協力とそのコレクションにより構成いたします。通常の展覧会では国内各所からの出品が多いなか、本展覧会の出品はすべて制作地に直接由来する沖縄からのものであり、この点が大きな特色となります。

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2019.08.30

科博NEWS展示「黒潮を越えた丸木舟 ~台湾→与那国島 航海の全記録~」

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科博NEWS展示「黒潮を越えた丸木舟 ~台湾→与那国島 航海の全記録~」は、
国立科学博物館「日本館1階中央ホール」で開催されています。

会期 2019年8月16日(金)~9月8日(日)

準備に3年、実行にさらに3年をかけた実験航海が今年7月に見事成功して話題になりました。この展示会場には今回の航海に使った丸木舟、櫂、旧石器時代の石斧レプリカなどが展示されています。
さらに初公開の短編動画、パネルで詳細を解説しています。

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日本旧石器時代の砥石 刀部磨製石斧(いずれもレプリカ)

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プロジェクトの歩み
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解説パネルの展示風景
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この実験航海は「日本人はどこから来たのか?」という命題の解を求める一連の研究の一つです。
チームリーダー海野陽介さんの著作でその全体像を知ることができます。

日本人はどこから来たのか?(文春文庫)
2019年2月10日 第1刷
著者 海部陽介
発行所 株式会社 文芸春秋
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日本人はどこから来たのか? (目次)

はじめに 私たちはどこから来たのか? 
遺跡調査は日本の国内で閉じているかぎり本当のことはわからない。本書は、海外の遺跡との比較とDNAの研究と言う重層的なこの10年の研究で浮かび上がってきた、人類がこの日本に到達するまでの新しい仮説である

第1章 海岸沿いに広がったのか?
私が強く違和感を抱いてきたのが、欧米研究者の間でいつのまにか定説となっている「海外移住説」だった。アフリカを出た人類は、中東から海岸沿いに広がっていったというものだが、はたしてそれは本当だろうか?

第2章 私たち以前の人類について
かつて私たちホモ・サピエンス以外にもいくつもの種類の人類がいた。北京原人やジャワ原人らの原人、より人間に近いネアンデルタール人らの旧人。これら滅びてしまった人類のことをまず、整理しておく必要がある

第3章 ヒマラヤ南ルート 
世界各地の遺跡年代をマッピングすると、ホモサピエンスは4万8000年前、ヒマラヤ山脈を隔てて、南北に分かれて拡散していったことがわかる。インドから東南アジアへ進んだ「南ルート」をたどった者たちを見る

第4章 ヒマラヤ北ルート
ヒマラヤの北ルートへ回った集団は予想外に早く南シベリアに進み、北極圏に至ったものまでいた。さらにモンゴルを経て、4万年前頃には中国、中国、朝鮮半島など東アジアに到達したらしいことが、石器の特徴から見えてくる

第5章 日本への3つの進出ルート
日本では3万8000年前に、突如人類遺跡が爆発的に現れる。それ以前の遺跡には確証がない。それまでいわば無人の野だった日本へ、対馬、沖縄、北海道の3ルートから別々に、初めて祖先が足を踏み入れた

第6章 対馬ルート、最初の日本人の謎
3ルートで最も早く日本に入ったのが対馬、学会では見過ごされてきたが、対馬から本州へは海を越える必要がある。しかし到来直後の遺跡からは、世界最古の往復航海を示す証拠が。最初の日本人は、航海者だったのだ。

第7章 沖縄ルート、難関の大航海
沖縄に来た祖先は誰だったのか。本州と全く異なる遺跡証拠は南ルートを示唆する。だがそれには台湾から黒潮を横断し100キロをはるかに超える航海が必要。その本当の困難さを知るには、航海の再現実験しかない

第8章 北海道ルート、シベリアからの大移動
北海道の人類出現は3ルートで最も遅い。すると彼らは大陸でなく本州由来の可能性もあるのか?だが北海道の2万5000年前の石器文化は北ルートと共通する。やはりシベリアから南下してきた祖先がいたのだ

第9章 1万年後の再会
対馬から入ってきた「最初の日本人」のルーツはどこなのだろう。今わかる証拠から考えられることはひとつ。ヒマラヤ南北ルートをたどったそれぞれの集団は、東アジアで1万年ぶりに再会し、混じりあったのだ

第10章 日本人の成立
3つのルートからそれぞれ日本列島に入ってきた3つのグループはいかにして今日の日本人までつながっているのだろうか? 朝鮮半島や中国で発掘される人骨や石器 などとの比較や、DNA研究でここまでわかった

第11章 ついに始動した「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」
アジア大陸と日本列島の間に広がる大きな海。3万年以上前に、祖先たちはこれをどう越えたのか? 謎を解くための壮大な実験プロジェクトが始まっている。数々の新しい発見を生み出した、プロジェクトの過去2年間を振り返る

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過去の関連投稿です。

ヒマラヤの北ルートへ回った集団は予想外に早く南シベリアに進み・・・・マンモスに遭遇した?
「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか-

北海道ルート シベリアからの大移動
北海道縄文人 全ゲノム完全解読(礼文島の船泊遺跡から出土した約3800年前の縄文人)

砂丘に眠る弥生人-山口県土井ヶ浜遺跡の半世紀-

沖縄の旧石器時代が熱い!

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2019.08.27

中村弘峰「SUMMER SPIRITS」

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中村弘峰「SUMMER SPIRITS」は、
ポーラミュージアムアネックスで開催されています。

会期 2019年8月8日(木)〜9月1日(日)

古の文化と現代を組み合わせて、時代のギャップを感じながら楽しませてくれる作品、そんな作品を作る作家は多く存在しますが、

中村弘峰の作品は、「子供成長を願ったお雛様や五月人形に代表されるような、人々が人形に対してい抱いてきた祈りや願いが込められており、今も昔も変わらない人間の普遍さも表しています」(HPから)
そこに子供の夢をプラスした様々な作品はわくわくするほど楽しいですよ。

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The Otogi League Allstars:Momotaro  陶彫彩色 2015 作家蔵
「私の息子の節句のために制作しました」こんなお父さん・・羨ましいですね。

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打刀 銘 青龍 木彫彩色 edition 1/1 

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一同 礼っ! 陶彫彩色 2019 edition 1/1

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白虎の剣 陶彫彩色 2019 edition1/3

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日はまた昇る2019 edition1/3

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この矢はづせ給うな 陶彫彩色 2019 作家蔵
作者が今年四月に生まれた次男に作った端午の節句の人形 

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御伽大熊猫 2019 edition 2/6 

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AIR不老Ⅰ 弁慶model 陶彫彩色 edition 1/1


—HPの解説— 
中村弘峰は、104年続く博多人形師の4代目として福岡に生まれ、東京藝術大学大学院を修了後、家業を引き継ぎながら、従来の概念に留まらない創作人形を発表しています。中村の斬新な作品は、江戸時代の人形師が、現代にタイムスリップしたらどうなるか、という視点から発想を得て制作を行っています。その緻密な文様や色彩の美しさは、思わず見ている者の目を奪いますが、現代風にアレンジされた表現とのギャップも魅力のひとつと言えます。ユーモアの中にも、子供の成長を願ったお雛様や五月人形に代表されるような、人々が人形に対して抱いてきた祈りや願いが込められており、今も昔も変わらない人間の普遍さも表しています。
本展覧会では人気の高いアスリートシリーズから動物シリーズまで、新作を中心に約40点を展示予定です。

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2019.08.24

北斎展 リ・クリエイト(複製画)で天才絵師、北斎の謎と技に大接近!

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「北斎展 リ・クリエイト(複製画)で天才絵師、北斎の謎と技に大接近!」は、
そごう美術館で開催されています。

会期 2019年7月27日(土)〜9月1日(日)

数年前の福岡伸一監修「フェルメールの大国」リ・クリエイトは評判でした。
今回は「葛飾北斎」です。
放映ビデオの中で福岡さんは、「フェルメールブルー」(ターバン着彩のラピスラズリ)、「北斎ブルー」ベロ藍のバリエーション、その魅力に言及しています。
人間には原初より、海の青、空の青がDNAに組込まれていると・・・
北斎に限らず、浮世絵の魅力の一つはベロ藍のグラデーションによる表現ですよね。

夏休み期間中とあって、子供たちが熱心にメモしたり、写真に撮っていました。
解説パネルの内容も充実しています。


このコーナーも人気があって、皆さん波間に入って記念撮影をしていました。
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以下展示風景です。
暖簾をくぐって・・・
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富嶽三十六景 拡大版(46点)
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復刻版浮世絵木版画 岩下書店の独自解釈による『富嶽三十六景』
この解説、勉強になりましたよ。
一例です(ピントがあまかったですね)
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北斎版画にみられる遠近法のパネル解説もあります。

北斎漫画(初編〜十五編)の展示も楽しいです。

「富嶽百景」(計102点)
名所絵として、ほとんどの図に場所の表記をもつ『富嶽三十六景』とは異なり、風景画色の強い図でも特定の地名表記が無いものが多い『富嶽百景は、単なる風景画にとどまらず、故事や説話の情景を富士にからめて描いた絵本であり、当時、江戸の人々から好評を博した。
しかし富士山を描き続けた北斎が70歳を過ぎて生み出した『富嶽三十六景』は広く知られた作品だが、その後、75歳になった北斎による『富嶽百景』は、その作品自体よりむしろ尋常ならざる図面への意欲を著した跋文の方が広く世に知られている。

北斎自身「画眞面目の畫訣この譜に盡せり。(私の絵画の真価はこの図面で極めた)」と語ったというから、その自信のほどがうかがえる。(展示解説より)

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パネルにしての展示もあります。(拡大版)
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この様な展示解説も・・・・ジャポニズムの影響ですね。
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版画の制作過程を道具などを展示して詳しく解説しています。

木版画体験ワークショップなどが行われていて、親子での観覧者も多い展覧会でもあります。
夏休み企画としていい展覧会だと思いながら観てきました。

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