2019.06.16

ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―

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ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―は、
パナソニック汐留美術館で開催されています。

会期 2019年4月6日(土)〜6月23日(日)


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《出現》 1876年頃 油彩 ギュスターヴ・モロー美術館蔵

ファム・ファタール(男にとっての「運命の女」の意味。男を破滅させる魔性の女のこと。)
出世作《出現》はモロー50歳の時の作品です。
サロメの物語を描いた有名な作品は数多く存在し、一定のパターン(お盆にのった生首)がありますが、

《出現》はモローならではの個性が魅了的な作品ですね。
光に包まれて宙に浮かぶ洗礼者ヨハネの首をサロメは上目遣いに睨んでいます。
この見つめ合う構図はモロー作品の特徴でもあるようです。
画面全体にインド・中国の装飾を取入て神秘性を持たせ、瀟洒な布をまとい妖艶と悪魔的なものをない交ぜにしたサロメ、そのフォルム・構成は丹念に素描、試作を重ねて得たものだそうです。

この展覧会で2人の女性が紹介されています。金銭から身の回りの世話までしていた 耳の不自由な母ポーリーヌ・モローと30年来の恋人・・修道女のようなアレクサンドリーヌ・デュルー。
生涯独身であったモローは、寝室の奥にアレクサンドリーヌのための秘密の、彼女の好きな調度品で飾られた部屋を設けていました。

モローが「私の最後のときには、あなたと二人きりになって手を握っていてほしい」と願ったアレクサンドリーヌも、母の死の6年後帰らぬ人となりました。モローは邸宅にこもって絵を描くことに集中します。

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《アレクサンドリーヌ》 インク・鉛筆/紙 

最愛の母ポリーヌ、修道女のような恋人アレクサンドリーヌと暮らしたモローとファム・ファタール。
モローが描いた女性像に焦点を当てた展覧会です。

展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 モローが愛した女たち
第2章 《出現》とサロメ
第3章 宿命の女たち
第4章 《一角獣》と純潔の乙女

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《24歳の自画像》 1850年 油彩/カンヴァス
素描による自画像は多く残したが、油彩による唯一の作品。

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《一角獣》 1885年 油彩/カンヴァス
モローのサインはあるが未完成の作品。一角獣は処女にしかなつかないという。瀟洒に飾った婦人たちと従順な一角獣が緑豊かな場所で親密な時を過ごす幻想的な風景が描かれる。(キャプションを参考にしました)

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《サロメ》 1875年頃 油彩/カンヴァス

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《エウロベの誘惑》 1868年 油彩/カンヴァス
オウィディウスの「変身物語」を描いた一場面。エウロベとゼウスを、モローが物語に基づいた略奪ではなく二人の関係を神聖なものとして描いた独自の解釈を見ることができる。(キャプションを参考にしました)

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《トロイアの城壁に立つヘレネ》 油彩/カンヴァス

— HPの解説 —
象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826‐1898)は、神話や聖書をテーマにした作品で知られています。産業の発展とともに、現実主義的、物質主義的な潮流にあった19世紀後半のフランスにおいて彼は、幻想的な内面世界を描くことで、真実を見いだそうとしました。本展は、そのようなモローが描いた女性像に焦点をあてた展覧会です。出品作品は、パリのギュスターヴ・モロー美術館が所蔵する、洗礼者ヨハネの首の幻影を見るサロメを描いた名作《出現》や、貞節の象徴とされた幻獣を描いた《一角獣》を含む油彩・水彩・素描など約70点によって構成されます。神話や聖書に登場する、男性を死へと導くファム・ファタル(宿命の女)としての女性、誘惑され破滅へと導かれる危うい存在としての女性、そしてモローが実生活において愛した母や恋人。展覧会では、彼女たちそれぞれの物語やモローとの関係を紐解いていき、新たな切り口でモロー芸術の創造の原点に迫ります。

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2019.06.11

トム・サックス ティーセレモニー

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トム・サックス ティーセレモニーは、
東京オペラシティ アートギャラリーで開催されています。

会期  2019年4月20日(土)〜 6月23日(日)

ジョニー・フォグ氏によるティーセレモニー デモンストレーションを見てきました。

トム・サックスに茶道を指導したジョニー・フォグ氏が来日。普段公開していないTea Houseの内部をオープンにし、実際のティーセレモニーを行います。抽選により毎回3名の参加が可能です。 (HPから)

この展覧会を観に行くのであれば、ティーセレモニー デモンストレーション実施日・時間帯がお勧めです。そのほうが面白いですよ。勿論参加も・・倍率高そうですが。

トム・サックスは完成形として連綿と続く茶の湯の世界を自ら学び、そして自分なりにアレンジしてみんなで楽しもう、茶の湯のその心を今風に引き継ごうという企画。

サックス自作の茶碗や釜、柄杓、掛軸、花入れをはじめ、電動で動く茶筅やショットクロック、電子式の火鉢などの、工業用素材や日用品といった身近な物で茶道具を自作し、独自の世界を創り出しました。

会場にはこれも手作りの三つの門に庭(内露地・外露地)、鯉の泳ぐ池(一匹では寂しかった)ボーイング747のトイレをアレンジした雪隠、つくばい、灯籠などが設けられ、そして合板外装の茶室があります。

展覧会入口
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Narrow Gate,2018         Torii(Middle Gate),2015

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Torii(Middle Gate),2015

鳥居?(中門)をくぐって
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手前(Pond Berm,2016)鯉が一匹泳いでました。 左(RAV,2014)雪隠です。 
中央奥(Tumon(Middle Gate),2014  その両脇の壁(Tadao Andou Wall,2019)安藤忠雄が多用する建築素材を意識?
右(Daisu,2013)

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Tumon(Middle Gate),2014   左手前(The Kiss,2019)

ジョニー・フォグさんによるティーレモニーデモンストレーションが行われています。
つくばい(手水鉢)で清めているところ。
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Tukubai,2014   Oke,2015    Ishidoro,2013

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Bonsai,2015 Tea House,2011-12    Mizuya,2015    Ishidoro,2013

茶室の前で・・・ジョニー・フォグ氏と参加した3人。
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茶事 お酒も?懐石も?供されます。電動茶筅登場・・・床の間の掛け軸などの紹介もしていました。(聞き取れなかったけど)
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茶道具
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最後に3種類の遊びを行って終了。
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釘曼荼羅(釘などで曼荼羅をつくる?)のようです。

こちらも見ましょう。
映像(上映時間13分41秒)Tea Seremony,2017  
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Movie Dome,2019   NASA Folding Chaire,2012

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Chasen, 2015.
Copyright Tom Sachs. Image Credit Genevieve Hanson.

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Shoburo, 2012.
Copyright Tom Sachs. Image Credit Genevieve Hanson.

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Pam, 2013.
Copyright Tom Sachs. Courtesy of Tomio Koyama Gallery.

 

— HPの解説 —
現代の資本主義社会へのアイロニーとユーモアが共存する奇抜で力強い造形作品によって、世界的に注目を集めるニューヨーク在住のアーティスト、トム・サックス(1966- )。本展は、独自のまなざしで日本の文化を見つめ、深いリスペクトを向けるアーティストが、ティーセレモニー(茶会、茶道)に取り組んだもので、2016年にニューヨークのイサム・ノグチ美術館で開催され、好評を博しました。日用品や工業用素材で作られた茶碗、釜、柄杓などの茶道具の数々。水屋、茶室、池なども配され、現代の日用品と「茶の湯」が出会う、ユニークで斬新な展覧会です。外国人アーティストの目に映る、真新しく、しかも楽しい日本の姿は、私たち日本人が見落としてきた価値観や世界観にあらためて気づかせてくれる貴重な機会となるでしょう。多様な価値観の共存が求められる今日、異文化交流の新たな可能性を提起します。

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2019.06.08

ルート・ブリュック 蝶の軌跡

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「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展は、
東京ステーションギャラリーで開催されています。

会期:2019年4月27日(土)〜6月16日(日)

観覧客の男女比がこれほど明確な展覧会も珍しいのでは?
あくまでも私が観に行った日の時間帯での感想ですが、9(女)対1(男)位の感じでした。01_36

さらに余談ですが、
本展は、当初全点撮影可でしたが、早々に「カメラのシャッター音に対する苦情が著しく多いため、3階展示室のみ撮影可能とし、2階展示室での撮影は禁止」になりました。この処置に関しては賛否両論ですね。ほどほどの気遣いは観覧者にも必要な気がします。

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ブリュックの発想、世界観は、独自の文化や生命観をもつフィンランドの風土と、家庭環境(父親が蝶類の研究者、画家)にあるようです。(夫は世界的デザイナー)

学生時代は建築家になりたいという夢を持ちますが、二人の兄に反対されて断念。グラフィックデザインに転向します。
ブリュック作品の世界観がアラビア製陶所の目にとまり、1942年に美術部門のアーティストとして入所します。

陶芸の経験も知識もなかったブリュックは懸命に技術を習得し、1950年前後に職人たちと共に独自の技術を開発しオリジナルの陶板をつくりました。静物や鳥、建築などのモチーフを描いた陶板作品はミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞するなど高く評価されました。

1950年代後半以降にブリュックの作品は具象から抽象表現に変化します。
もともと建築家志望であったブリュックは、1970年代後半から教会や市庁舎などの建築のための大壁画を手掛けます。膨大な数のタイルを手作業で組み合わせて制作したそのモザイク壁画はモチーフの存在感と場の空気を見事に伝えています。

展覧会の構成は次の通りです。
Ⅰ 夢と記憶
Ⅱ 色彩の魔術
Ⅲ 空間へ
Ⅳ 偉業を成すのも小さな一歩から
Ⅴ 光のハーモニー

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最後の晩餐 1950-51年頃
ブリュックは1951年のミラノ・トリエンナーレに、本作を含む作品群んを出品してグランプリを獲得。次の1954年のミラノ・トリエンナーレで教会が主催した特別展に招待されたのは、宗教的なテーマや荘厳な作風が評価されたためだろう。(キャプションを参考にしました)

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イースターの鳥 1950年
焼成後に生じるひび割れに色素を染み込ませることでそれを強調し、深みのある表現としている。ブリュックの作品には初期から鳥のモティーフが頻出し、多様なスタイル、多様な姿で陶板に登場するほか、鳥そのものを立体的に表した作品もある。(キャプションを参考にしました)

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ライオンに化けたロバ 1957年
1940年代末から実践してきた型取りによる鋳込み成形作品の到達点といえる秀作。イソップ童話に基づく作品名。一見強面だがやさしい夫がモデルだという説もある。(キャプションを参考にしました)

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お葬式 1957-58年
6名の黒衣の人物が、花輪で装飾された棺を担いでいる。1957年1月に父親を亡くしたブリュックの喪失感は大きく、この作品は彼女が自分自身のために制作したものといえる。花リネア(リンネ草)があしらわれている。ブリュックのミドルネーム「リネア」は亡き父フェリクスが娘に与えた。(キャプションを参考にしました)

夫妻で海外を旅して、多くの作品を残しています。
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シチリアの教会 1951年  1952-53年

家庭を大事にしたブリュックです。 聖母子それとも・・
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母子 1950年代

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蝶 1957年

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スイスタモ(部分) 1969年 

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都市 1958年

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黄金の深淵 1969年

―HPの解説—
北欧・フィンランドを代表するアーティスト、ルート・ブリュック。名窯アラビアの専属アーティストとして約50年にわたって活躍し、初期の愛らしい陶板から膨大なピースを組み合わせた晩年の迫力あるモザイク壁画まで、幅広い作品を手がけました。重厚でエレガントな釉薬の輝きと、独自の自然観にもとづく繊細な図や形態は、今も多くの人々を魅了しています。
本展は、約200点のセラミックやテキスタイルなどを通じて、その多彩な仕事を日本で初めて網羅する展覧会です。初期と後期でドラマティックに変わる作風の謎、たしかな伝統技術に裏打ちされた細やかな凹凸による動きなど、実物の作品は皆さまにいくつもの発見を促すでしょう。作品の空間効果にこだわったブリュックにちなんだ、ダイナミックな展示構成も予定しています。ブリュック没後20年、日本-フィンランド外交樹立100周年の2019年春。「明るく、かわいい」印象で語られがちな「北欧・フィンランド」のイメージを刷新する展示をご期待ください。

 

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2019.06.06

六古窯 —〈和〉のやきもの

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「六古窯 —〈和〉のやきもの」展は
出光美術館で開催されています。

会期 2019年4月6日(土)~6月9日(日)

中世から現在まで焼きもの作りが続く瀬戸(愛知) 、越前(岡山)、信楽(滋賀)、丹波(兵庫)、備前(福井)は六古窯と称され、小山富士夫が命名しました。圧倒的なシェアの美濃焼(岐阜)以外にも伝統的な焼き物があることを紹介する意味で・・・・

中世の人々にとっては必需品で三種の神器といえる壺・龜・擂鉢の素朴な趣は、桃山時代には茶の器としても注目され、近現代では、観賞用の陶器としても愛でられるようになりました。

本展では、奈良時代から江戸時代までの各地でつくられてきた陶器を中心に、中世の焼き物に影響を与えた朝鮮、中国の焼き物も交えて展示しています。

展覧会の構成はつぎの通りです。
第1章 中世陶器の系譜 ―瓷器系・須恵器系・土師器系
第2章 六古窯と中世諸窯
第3章 中世陶器の系譜から発展した茶陶
第4章 中世の人々が好んだ唐物
第5章 後世の眼が見た中世のやきもの

特集展示① 中世のひとびとの〈こころ〉
特集展示② おおきいやきもの
特集展示③ 茶入

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大壺 常滑窯 日本 平安時代後期 出光美術館
よく焼締った茶褐色の地肌の上に、肩から胴に黄緑釉の自然釉が勢いよく滴り落ちている。常滑窯で作られた粘土紐を積み上げて成型した大振りの壺。(キャプションから)

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壺 備前窯
日本 室町時代後期
兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション)  
本作品は長胴で口縁部は玉縁状を呈する備前の壺である。紐作り成形の後に胴部は横向きの箆けずりによる調整が行われている。堅牢で壊れにくい備前焼(壺・龜・鉢など)は日常生活具として需要が高く全国に流通した。(キャプションから)

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双耳壺 越前窯 日本 室町時代 福井県陶芸館
高さ40㎝を超える大型の越前窯の双耳壺である。熟練した作りてでさえもコントロールできない、土と炎の格闘の中で生み出された「やきもの」の姿を感じさせるうつわ。(キャプションから)

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 唐物肩衡茶入 銘 道阿弥 福建系 中国 南宋時代 出光美術館
 
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筒茶碗 信楽窯 日本 桃山時代 出光美術館 
信楽窯のものは、村田珠光が古市播磨に宛てた消息中の「志からき者」の言葉に見られるように、茶の湯のうつわの世界では備前窯同様に早くから用いられてきた。16世紀後半の天正年間頃まではもっぱら和物の中では信楽と備前が中心であった。(キャプションから)

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灰釉葦鷺文三耳壺 渥美窯 日本 平安時代 重要文化財
愛知県陶磁美術館(財団法人 松永記念館寄贈)

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青磁袴腰香炉 龍泉窯

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鬼桶水指 日本 信楽窯 桃山時代 愛知県陶磁美術館
鬼桶水指は麻の繊維(苧:かむらし)を水に浸けてほぐすための農業用具の「緒桶」を水指の見立て、それが「鬼桶」の名称がついたとされる。室町時代後期頃から、この様に日常用の質素な道具が茶の湯の道具として取り上げられるようになり、唐物至上主義からの脱却という新しい展開をみせている。(キャプションから)

 

展示概要(HPから)
素朴ながらも豪快で力強さを備える中世のやきもの。その表面は素材の土の色、窯の中で焼成(しょうせい)されるときに炎の熱を受けて生じた緋色、人智の域をこえて流れる釉薬(ゆうやく)の表情が特徴的です。まるで生命がやどっているかのような個性が魅力となっています。
なかでも平安時代後期から鎌倉・室町時代といった中世に生み出され、現代に至るまでやきもの作りが続いている瀬戸(せと)、常滑(とこなめ)、越前(えちぜん)、信楽(しがらき)、丹波(たんば)、備前(びぜん)は六古窯と称され、日本的なやきものとして親しまれてきました。2017年には文化庁の「日本遺産」にも選定されています。これらの中世のやきものは、伝統的な技術に加え、中国や朝鮮半島など唐物をはじめとする舶来の文物に影響を受けながらも、各地で独自のスタイルを生みだしました。
作られたやきものは、壺・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)など当時の人々の生活の必需品であり、中世の人々の生活にとっては三種の神器ともいえるものです。その伝統は桃山・江戸時代へ継承されていきます。一方で、日常のうつわであったものが、桃山時代には茶の湯のうつわとしても注目されました。さらに近現代においては実際に使用するわけではなく、鑑賞する陶器としても愛でられるようになります。このように六古窯に代表される中世のやきものは、各時代の人々の社会や日常生活の中に溶け込みながら、日本における伝統文化・価値観の中で美や魅力をみいだされてきたのです。
本展では、中世のやきものに影響を与えた青銅器、中国陶磁、茶道具などもあわせて展観し、中世のやきものの世界へ誘います。

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2019.06.03

観てきた展覧会備忘録 2019年5月

THE BODYー身体の宇宙ー
会期 2019年4月20日(土)〜6月23日(土)
町田市立国際版画美術館

町田市立博物館最終展—工芸美術の名品
会期 2019年4月20日(土)〜6月16日(日)
町田市立博物館

映画イラストレーター 宮崎裕治の仕事
会期: 2019年4月23日(火)〜8月25日(日)
国立映画アーカイブ

福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ
会期 2019年3月12日(火)~ 2019年5月26日(日) 
東京国立近代美術館

The 備前―土と炎から生まれる造形美―
会期 2019年2月22日[金]〜5月6日[月・休]
国立近代美術館工芸館

鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝
会期 2019年4月20日(土)〜6月23日(日)
三井記念美術館

束芋「透明な歪」
会期 2019年4月26日(金)〜6月2日(日)
ポーラミュージアム・アネックス

六古窯 〈和〉のやきもの
会期2019年4月6日(土)〜6月9日(日)
出光美術館

クリムト展 ウィーンと日本 1900
2019年4月23日(火)〜7月10日(水)
東京都美術館

六本木アートナイト2019
会期 5月25日(土)・26日(日)

印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション
会期 2019年4月27(土)〜6月30日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム

佐賀・長崎のやきものめぐり
会期 2019年4月6日(土)~6月20日(木)
戸栗美術館

美を紡ぐ 日本美術の名品 ー雪舟、永徳から光琳、北斎まで
会期 2019年5月3日(金)〜6月2日(日)
東京国立博物館

100年前の東京と自然 プラントハンター ウィルソンの写真から
会期 2019年4月13日(土)〜6月16日(日)
国立科学博物館

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2019.06.02

日本刀の華 備前刀

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「日本刀の華 備前刀」は、
静嘉堂文庫美術館で開催されています。

会期 2019年4月13日(土)~6月2日(日)

会期末が近い土曜日だからでしょうか?駐車場満車、チケット売り場に行列、ショップにも行列です。
勿論展示会場でも行列。

刀剣ファンに、特別展示の「国宝曜変天目茶碗」目当ての観覧客も加わってのことでしょうか?
「曜変天目」展示ケースの前にも行列ができていて、館員がストップウオッチ?片手に観覧客10人づつ誘導。確か制限時間一分程度だったと・・・
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国宝「曜変天目」 中国・南宋時代(12〜13世紀)

静嘉堂文庫美術館には頻繁に行っているつもりですが、これほどの盛況ぶりは初めての経験でした。

展示会場には、単眼鏡で熱心に鑑賞する刀剣女子?懐中電灯持参で、光を当て鑑賞する人も居て・・・・皆さん熱心。

刃長、反り、切っ先、刀文、身幅を中心に見てきましたが、身幅が狭く頼りないと思えるくらいな刀剣も数振りあって、その繊細な作り、景色が素晴らしかったです。身幅は細め(極端な細身ではなく)、適度な反り、そして刀文は直刀に小乱れが私の好みです。
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品の良い、素晴らしいの数々の刀装具も展示されています。
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後藤栄乗「二疋狗図二所物」 桃山〜江戸時代(17世紀)
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後藤「黄石公張良図鍔」(無銘) 江戸時代17世紀 

展示品一点一点に丁寧な解説と「見どころ」の図示があって、分かりやすい展覧会というのも静嘉堂文庫美術館の刀剣展示の特徴だと思います。

また、4頁の図説・刀剣観賞の手引き(毎回同じもの?)も頂け、鑑賞の参考になります。
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展覧会の構成は以下の通りです。
[ 古備前 謎多き刀工たち ]
日本刀の様式が確立した平安時代十世紀後半頃から鎌倉時代初期にかけて活躍した備前刀初期の数多の刀工たちを総称して「古備前」と言う。(キャプションから部分引用)

[一文字派 黄金時代の日本刀]
鎌倉時代初期、備前の則宗とその一門は、後鳥羽上皇に招聘され「御番鍛冶」として鍛刀し、名声を得る。一門は、天下一を意味すると言う「一」の文字を中心に刻んだことから一文字派と呼ばれた。(キャプションから部分引用)

 [長船派 不動の大工房] 
文字派全盛の鎌倉時代中期に登場し、非凡な才能を発揮した光忠は、長船に住して門下に優工を輩出し、一派を形成した。その作風は耽美的な一文字はと異なり、美と実用性を兼ね備えたという。(キャプションから部分引用)

 [鎌倉・南北朝の名工たち 国宗・畠田・鵜飼・元重・吉井 ]

鎌倉中期以降長船周辺を拠点としながらも、長船派とは系統・作風を異にした刀工たちが、直宗派の国宗や畠田派の守家、真守である。(キャプションから部分引用)


— HPの解説 —
日本刀の主要製作地(山城・大和・備前・相模・美濃)のうち、備前(岡山県南東部)は、上質な原料や水運の利に恵まれ、平安時代より優れた刀工を輩出し、圧倒的な生産量を誇ったことから、今日「刀剣王国」と称されています。備前刀の特徴は、「腰反(こしぞ)り」の力強い姿と、杢目(もくめ)を主体とした精緻な地鉄(ぢがね)に、「丁子乱(ちょうじみだ)れ」と呼ばれる変化に富んだ刃文とされています。その豪壮にして華やかな作風は、鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきました。
本展では、「備前刀の宝庫」として知られる静嘉堂の蔵刀を中心に、重要文化財4振、重要美術品11振を含む在銘作約30振を精選し、「古備前(こびぜん)」と呼ばれる初期の刀工群から、一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼など各流派による作風の展開をたどっていきます。あわせて、江戸時代に幕府の御用をつとめた後藤家歴代とその門流(脇後藤)による刀装具を展示します。さらに国宝「曜変天目(「稲葉天目」)」を特別出品いたします。

 

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2019.05.31

科博NEWS展示「さようならキログラム原器―「はかる」単位、130年ぶりの大改定」

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トーハクの企画展を観た後、国立科学博物館に寄り道したら興味を惹かれる展示がありました。

科博NEWS展示「さようならキログラム原器―「はかる」単位、130年ぶりの大改定」

6月16日(日)までの展示です。

科博の企画に関連する放送をNHKはよく行いますが、この件について「又吉直樹のヘウレーカ なぜ単位はいるのだろう?」の中で取り上げていました。(5月29日放送。再放送5月31日(金)午前0時15分〜)予告動画はこちら 

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色々と復習してみましたが、未だに今回の定義について理解しきれません。これも楽しいので、分かるまで頑張りますが自信ありません!

人工物は不変ではありません。絶対不変な定義(キログラムの定義にプランク定数)に130年ぶりに改定した所以ですね。

測定技術の進化が定義を変えます。

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2018年11月にフランスで開かれた第26回国際度量衡総会で、国際単位系(SI)の基本単位の定義変更が決まりました。新しい定義は今年5月20日から施行されます。

4つの単位の定義が同時に変更になります。
時代とともに単位も変わります。

長さや質量(重さ)など、さまざまな量を「はかる」には、基準となる「ものさし」が必要です。この「ものさし」は、国際的な研究協力を通じて少しずつ改定されてきた歴史があります。今回の改定は重要な「ものさし」であるキログラム、モル、アンペア、ケルビンという4つの単位の定義を同時に変えるもので、特にキログラムは約130年ぶりの見直しとなりました。

人工物から自然法則へ
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キログラム原器 レプリカ(展示品をスマホで撮影)
中央にある金属製の円柱が1kgである。日本のキログラム原器の実物は、メートル原器とともに、産業技術総合研究所(茨木間つくば市)に保管されている。

日本からの貢献
「1キログラム」はこれまで、国際キログラム原器と言う人工物の質量で定義されていましたが、今回の改定により、基礎物理定数の1つである「プランク定数」を使った定義に変わりました。モル、アンペア、ケルビンの新しい定義もそれぞれ「アボガドロ定数」「電気素量」「ボルツマン定数」という基礎物理定数にもとづいています。このうちキログラムの定義間改定には日本の産業技術総合研究所が大きく貢献しました。

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理解するために・・・・

つまり、ブランク定数の不確かさがゼロになったからということにより、

プランク定数に基づく定義では、静止エネルギーと質量の関係式 E = mc2 を用いて、ある振動数 ν の光子のエネルギー (E = hν) と等しい静止エネルギーを持つ物体の質量を1キログラムと定義する。すなわち、
キログラムは周波数が {(299 792 458)2/6.626 069 57}× 1034 ヘルツの光子のエネルギーに等価な質量である。

h = 6.62607015×10−34 J s (一秒あたりのエネルギー)

アボガドロ定数とは、物質量 1 mol を構成する粒子(分子、原子、イオンなど)の個数を示す定数である。国際単位系(SI)における物理量の単位モル(mol)の定義に使用されており、その値は正確に 6.02214076×1023 mol−1と定義されている。

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1、特別な球を用意する
アボガドロ定数を正確に決めるには、極めて純度の高い物質を用意し、その密度を正確に求める必要があります。密度は質量÷体積で、質量は天秤で正確に決められるので、体積を正確に「はかる」ことが重要になります。このために用意されたのが、特別なシリコンを材料とする、ほとんど完璧な球体です。
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単結晶シリコン球体 レプリカ(展示品をスマホで撮影)

極めて純度の高いシリコン(ケイ素)の単結晶を真球に精密研磨加工したもの。質量の単位「キログラム」の新しい定義の基礎になったブランク定数を測定するために、産業技術総合研究所で使用された。 

2.体積をはかる
球の体積を求めるために、レーザー干渉計という装置を使い、直径を正確に測ります。球を回転させ、さまざまな方向から直径をはかり、平均直径から体積を計算します。温度がわずかでも変わると球が膨らんだり縮んだりしてしまうため、球体の温度を一定に保ち、その温度も正確にはからねばなりません。
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(展示パネルから)
 

3.表面をはかる
球の表面は、シリコンが空気中の酸素と結びついた薄い膜で覆われています。膜の厚さはわずか数ナノメートルですが、アボガドロ定数を正確に求めるには、膜の部分を除いたシリコンのみの部分の密度をはからねばなりません。そのため特別な分析装置を開発して、膜を構成する物質の種類や膜の厚さをはかりました。
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(展示パネルから)

4.問われる総合力
当初、アボガドロ定数を決定する研究は、産総研を含む8カ国の研究機関が参加した国際プロジェクトによって行われました。しかし、最終的にアボガドロ定数を十分な精度で求められたのは産総研とドイツの研究機関だけでした。「はかる」ことは、実は、様々な技術を駆使して行う高度な科学研究でもあるのです。
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(展示パネルから)

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2019.05.29

トーハク特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」関連展示 密教絵画を中心として

密教となると、理解不可能と分かってはいますが・・興味はあります。先日観てきたトーハク特別展「国宝 東寺・空海と仏像曼荼羅」はとても素晴らしい展覧会で大いに刺激を受けました。

「国宝 東寺・空海と仏像曼荼羅」は会期末(2日)が迫っていることもあって、平成館前にはテントが張られて、入場待ちの行列ができていました。
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ということで、以下の関連展示も興味津々で鑑賞してきました。そしてスマホで撮ってきました。

 密教絵画を中心として

会期 2019年4月23日~6月2日

この展示期間は、絵画は特別展「国宝 東寺・空海と仏像曼荼羅」に関連した密教絵画を中心にした展示をします。
密教絵画に特有の曼荼羅図、曼荼羅の中に登場する菩薩や明王などを単独、あるいは何体か一組で描いた画像、密教の流れを示す祖師像、密教の影響を受けて日本の神を表した曼荼羅などを展示します。(キャプションを引用)

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両界曼荼羅図 絹本着色 鎌倉時代・14世紀 遠藤久雄氏寄贈

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重要文化財 弥勒曼荼羅図 絹本着色・13世紀 東京・霊雲寺

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重要文化財 虚空蔵菩薩 絹本着色 鎌倉時代/13世紀 武藤山治氏寄贈

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重要文化財 般若菩薩像 絹本着色 鎌倉時代・13世紀

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五代尊像 絹本着色 室町時代・15世紀

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(左)十二天像(毘沙門天)絹本着色 南北朝時代・14世紀
(右)十二天像(梵天)絹本着色 南北朝時代・14世紀

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熊野曼荼羅図 絹本着色 室町時代・15世紀 三重・西来寺伝来

 

本館14室で開催中の「密教彫刻の世界」もお勧めです!
会期  2019年3月19日(火)~2019年6月23日(日)

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2019.05.26

六本木アートナイト2019

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六本木アートナイト2019

会期 2019年5月25(土)〜26日(日)

夜の旅 昼の夢
六本木の街に拡がる現代アート、パフォーマンス、映像、音楽などの多様なアート作品。アートを巡る一夜限りの旅に出ましょう。街を彩るアートが創造するのは時空を超えた体験。この旅の終わりに見る夢はどのようなものなのでしょう。六本木の街なかを移動する赤い玉、巨大バルーン、光る鳥、浮遊する岩など、世界各地から集まった約80点のインスタレーションやパフォーマンスとともに「夜の旅、昼の夢」をどうぞお楽しみください。(今回の開催テーマから)

10回目を迎えた六本木アートナイト、私は皆勤ですが、いつもコアタイム(18:00〜翌日6:00)の始まり2〜3時間程度しか観ていないので、本当の楽しみ方は知らないのかもしれません。

午後の早い時間に、サントリー美術館にも行ったのですが、大変混んでいて見終わって美術館外に出ると、入場制限、行列ができていました。夕方以降はアートナイト鑑賞者が益々増えてきて今年も盛況でした。

今年も、撮影してきましたので、投稿します。
コアタイム・キックオフセレモニーの後に行われた公演の後半部分です。
スペイン・バスク地方の伝統打楽器チャラパルタを操るグループ。チャラパルタは一見ただの木や石の板だが、二人一組で対話をするように奏でることで複雑なリズムとメロディを生む。彼らのドキュメンタリー映画「Nomadak Tx」は14もの国際映画祭で受賞を果たした。2000年と2013年に来日公演を行い、2016年には新国立劇場のダンス公演、平山素子『Hybrid -Rhythm & Dance』の音楽を担当した。(HPから)

六本木アートナイトは六本木ヒルズ、東京ミッドタウン周辺を中心に各種パフォーマンス、インスタレーションが行われますが、私は先ず,国立新美術館→東京ミッドタウン→六本木交差点→六本木ヒルズの動線で移動します。その後は行ったり来たりです。
25日に行われたイベント、パフォーマンスを撮ってきました。

 

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2019.05.23

「町田市立博物館最終展 ―工芸美術の名品―」

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「町田市立博物館最終展 ―工芸美術の名品―」

会期  2019年4月20日(土)〜年6月16日(日)

町田市立博物館は、とてもよい企画展を多く開催してきた、こじんまりとした博物館という印象です。
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開館から45年を迎えた現在の建物で最後の展覧会です。
新たに「町田市立国際工芸美術館」として町田市国際版画美術館隣接地に2024年に開館する予定です。

ローカルなイメージの今の博物館が好きなんだけどな~

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第一展示室(入口から右、中央の展示ケース)

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第一展示室(左の展示ケース)

004_7  第二展示室への通路(休憩所)

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第二展示室(入口から右側の展示ケース)

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第二展示室(中央から左の展示ケース)

003_7  第二展示室(奥から入口方向を見た展示風景)

町田市立博物館の<コレクションのあゆみ>と作品鑑賞の要点を 紹介する展覧会です。
この博物館で開かれた過去の展覧会を懐かしみながら鑑賞してきました。
写真撮影可です(条件あり)スマホで撮りました。
 
以下は、展示室解説からの引用です。
<コレクションのあゆみ>
大津絵の蒐集 
太めのあじわいある描線、おおらかで明快な色彩、江戸時代に近江国・大津(現・滋賀県大津)で街道筋のみやげものとして売られていた大津絵は、どこか土臭くて暖かく、親しみのある庶民的な絵画といえます。
その始まりは江戸時代の初め頃の寛文年間(1624〜44年)、仏画を主体としたものでしたが、比較的早い時期に美人画や役者絵に通ずる世俗的な画題も見られるようになります。やがてこうした作品が主流となって風刺的な意味合いを込めたものや擬人化した猫や猿といった動物、鬼などの滑稽でユーモアにあふれた図柄も加わり、人気となっていきました。
町田市立博物館ではこうした素朴な味わいと江戸文化を伝える貴重な歴史資料として大津絵に注目して収集をすすめ、現代は50点に及ぶ貴重なコレクションを築いています。

ガラス作品の収集①
町田市立博物館では、1982年に開催された「チェコスロバキアのガラス展」で出品された作品の一部を購入したことがきっかけとなり、ガラス作品の収集を1983年から始めました。その後さるコレクターが中国ガラスの優れたコレクションを手放すと言う情報を得て、1987年から中国・清朝のガラス作品や鼻煙壺のまとまったコレクションを入手しました。1980年代に収集したチェコ・ボヘミアと中国のガラスは、当館のガラスコレクションの中核となっています。その後、チェコ以外のヨーロッパのガラスや古代のガラス、日本のガラスなどを少しずつ加えながら、博物館のガラススコレクションが形成されてきました。

錦絵の収集
日本のストーリー漫画の嚆矢と言われる「のらくろ」の作者田川水泡は、1969年に杉並区・高井戸から緑多い閑静な住宅街の町田市・玉川学園へと転居し、晩年の20年間を過ごしました。そこでは趣味の園芸を楽しみつつ漫画の仕事と滑稽の研究に打ち込みました。滑稽の研究とは長年滑稽な話の創作を職業としてきた水泡が、そもそも滑稽とは何かと思い立ち、始めたものでした。この研究は1981年と1987年に『滑稽の構造』『滑稽の研究』にまとめられて講談社から上梓されましたが、研究のために収集された江戸から昭和戦前までの版本や錦絵などの戯画や狂画、風刺画は研究が一区切りしたとのことから、550点が田川水泡コレクションとして当館に寄贈されました。

陶磁器の収集
町田市立博物館には約3500点の陶磁器が所蔵されていますが、これらの陶磁器コレクションは6人の方々による寄贈を基礎に成り立っています。1987年に町田市民の岩崎安吉氏から1420点の近代染付磁器を寄贈されたことが始まりで、1990年に山田義雄氏から東南アジア陶磁567点、氏の御遺族から1992年に中国陶磁等675点が寄贈・譲渡されました。この時点で当館は陶磁器の魅力を皆様にご紹介するに十分なコレクションを形成したといえます。
このような寄贈資料を活用した展覧会を30回ほど開催してきました。特に、東南アジア陶磁は他に類のない分野として評価され、1994年に中村三四郎氏から東南アジア陶磁626点、2008年に木内宗久氏から茶道具に用いた東南アジア陶磁265点、2013年に上神亮治氏から東南アジア陶磁と中国陶磁132点が寄贈され、1500点に及ぶ一大コレクションを形成するにいたりました。

ガラス作品の収集②
町田市立博物館がガラス工芸の展示・収集に力を入れている館であることが知られるようになってくると、次第に作品寄贈の申し出が増えてきました。2002年には旧岩田工芸硝子株式会社より、近代日本を代表するガラス作家である岩田藤七・久利・糸子の作品計100点が寄贈されました。2005年には個人コレクターの方から、中国・清朝のガラス、鼻煙壺を含む67点が寄贈されました。明治・大正期に精緻で優れたエナメル彩を制作していた松浦玉圃は、ガラス業界では知る人ぞ知る存在でしたが、2015年には松浦家に伝わった玉圃の作品8点が当館に寄贈されました。2016年には昭和を代表するガラス作家の1人である青野武市の作品87点がご遺族より寄贈され、2018年には国際的なガラス作家の大平洋一氏より、世界の最古のガラスの技法書とされる『ラルテ・ヴェトラリア』などの資料89点が寄贈されました。

 

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展覧会概要(HPから) 
開館45年を迎えた町田市立博物館は、本展覧会をもって現在の建物での展示事業を終了することとなりました。同時に町田市では、市立博物館のガラスや陶磁器などの工芸美術のコレクションを中心に展示する(仮称)町田市立国際工芸美術館の開館にむけて準備を進めています。
本展では市立博物館45年間の〈これまで〉を振り返り、ご愛顧への感謝の気持ちをお伝えするとともに、〈これから〉を(仮称)町田市立国際工芸美術館へとバトンタッチしようという企画です。本展は2部で構成され、第1部では市立博物館のコレクションのあゆみを名品約35点とともにたどります。第2部ではコレクションのなかでもガラスと陶磁器にスポットを当て、〈赤〉と〈青〉という象徴的な色に着目して選んだ古今東西の作品約100点によって、工芸美術の魅力をたっぷりとご紹介します。さらに近年所蔵となった世界初のガラス技法書『ラルテ・ヴェトラリア(L'Arte Vetraria)』も初公開します。

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