« マルク・シャガール — 夢を綴る | トップページ

2019.10.13

塩田千春展:魂がふるえる

002_20191012162501

「塩田千春展:魂がふるえる」は、
森美術館で開催されています。

会期 2019年6月20日(木)~ 10月27日(日)

塩田千春さんは、絵画塾に通うくらい、子供の頃から絵を描くのが大好きで芸術家に憧れていました。
東京の美大に進学したかったのですが、両親の反対もあって京都の大学に進学します。
ところが入学してすぐ絵を描くことができなくなってしまいます。「絵の中に自分の存在が感じられず、描く絵の軽さに耐えられなくなった」そうです。
在学中に交換留学生として、キャンベラのオーストラリア国立大学スクールオブアートで1年間学びます。
この経験で「自分のやっていることに自信が持てたこと」「海外に出るだけで、物事がこんなに自由で面白くなるのか」と実感します。
塩田さんはインスタレーション作品に活路を求め、制作に励みます。
大学を出たら海外に行くと決めていた塩田さん。曲折はあったものの、ハンブルク造形美術大学、ブラウンシュバイツ美術大学、ベルリン芸術大学で指導教授に教わります。
ドイツで暮らし始めて何度もの引っ越しを繰り返したのち、ベルリンに定住して、そのアトリエから代表作となる幾つもの作品が生まれます。
2000年頃からヨーロッパのあちこちの美術館やグループ展から声がかかるようになりました。
私が塩田さんの作品を初めて見たのはいつごろだっただろう?一度見たら忘れられない作品でした。
そしてこの最大規模の展覧会は、韓国、オーストラリア、インドネシア、台湾を巡回する予定だそうです。
現場での制作を伴う作品、今、一年の半分は、ベルリンの自宅を離れての生活だそうです。

001_20191012110401
クロノジー 展示風景


004_20191012164701
塩田千春 《内と外》 2008/2019年 古い木製の窓
Cc_20191013070801 この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
ベルリンの工事現場で捨てられている窓を見ていると、人為的に28年にもの間、東西に別れ、同じ国籍の同じ言葉の人々が、どういう思いでこのベルリンの生活を見ていたのだろうと、その人々の生活を思い浮かべてしまう。(キャプションの部分引用です)


糸はもつれ、絡まり、切れ、解ける。
それは、まるで人間関係を表すように、私の心をいつも映し出す。ー塩田千春
002_20191012152701
塩田千春《不確かな旅》展示風景 2019年 鉄枠、赤毛糸

塩田千春《不確かな旅》展示風景 2019年 鉄枠、赤毛糸
Ccこの写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

003_20191012160001
塩田千春《静けさの中で》展示風景 2019年 焼けたピアノ、焼けた椅子、鉄、黒毛糸

塩田千春《静けさの中で》展示風景 2019年 焼けたピアノ、焼けた椅子、鉄、黒毛糸
Ccこの写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。


005_20191012165401
塩田千春《集積-目的地を求めて》展示風景 2019年 スーツケース、モーター、赤いロープ
Cc_20191013070801この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
スーツケースの山を見ると、その数だけの人の生を見てしまう。
故郷を離れどこか目的地を求め、どうして旅に出たのか。
出発の日の朝の人々の気持ちを思い起こしてしまう。(キャプションの部分引用です)


006_20191013070501
塩田千春《行くべき場所、あるべきものー写真》 2010年 スーツケース、写真、糸、ほか
Cc_20191013070801この写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

がんが再発して、2回目の手術を受けたのが、本展の開催打診が来た直後だったそうです。その為この個展の準備は、今までよりはるかに死と言うものを身近に感じながら進めたと仰っています。

展覧会の最後に掲げられたパネルの内容です。
ドイツで娘と同じ歳の小学生に聞いてみた。
魂(ゼーレ)ってなに?どこにあると思う?どんな色?
動物にも魂はあるのかな?植物にも魂はあるのかな?
そして、もし人が亡くなったらその魂もいなくなっちゃうのかな?

私の魂は肉体とともにある。肉体が無くなると魂も一緒に無くなるのか。
心にはいつまでも寄り添っていられるのか。
病気の再発を宣告されての2年間、個展構想をしながら、
私自身、生きることで精一杯だった。 

 

—HPの解説—
ベルリンを拠点にグローバルな活躍をする塩田千春は、記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られています。個人的な体験を出発点にしながらも、その作品はアイデンティティ、境界、存在といった普遍的な概念を問うことで世界の幅広い人々を惹きつけてきました。なかでも黒や赤の糸を空間全体に張り巡らせたダイナミックなインスタレーションは、彼女の代表的なシリーズとなっています。

本展は、塩田千春の過去最大規模の個展です。副題の「魂がふるえる」には、言葉にならない感情によって震えている心の動きを伝えたいという作家の思いが込められています。大型インスタレーションを中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、25年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会になります。「不在のなかの存在」を一貫して追究してきた塩田の集大成となる本展を通して、生きることの意味や人生の旅路、魂の機微を実感していただけることでしょう。

|

« マルク・シャガール — 夢を綴る | トップページ

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« マルク・シャガール — 夢を綴る | トップページ