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2019.09.06

没後50年 坂本繁二郎展

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没後50年 坂本繁二郎展は、
練馬区立美術館で開催されています。

会期 2019年7月14日(日)~9月16日(月・祝)

坂本繁二郎というと「青木繁の同郷、同級生・・・・淡彩の色面で描かれた馬」というイメージで記憶している方も多いのでは。
2006年にブリジストン美術館で開催された「坂本繁二郎展」以来の纏めて鑑賞する機会になりました。

坂本繁二郎ほど、生活と制作が結びついた画家はいない。しかも同じテーマでくりかえし描いているため、それぞれの中で連作ができる。東京時代は主に牛をフランス時代は田舎の風景やモデル、老婆、乞食などの人物を、帰国後は馬、そして静物、晩年は月を題材としている。その時代の生活のまわりのものを描く、描くテーマが変わっていくのは自然のことだった。そしてついに何を描いても美しく感動を与える絵が描けるという自信を得たに違いない。(キャプションより)

展覧会の構成は次の通りです。
第1章 神童と呼ばれて 1897-1902年
坂本が12歳の時に描いた油彩画「夏野」などの展示と、少年時代の坂本と青木の指導をした森三美の作品が展示されています。

第2章 青春-東京と巴里 1902-1924年
1902年徴兵検査のために久留米に帰省中の青木に再開した坂本は青木の絵の上達ぶりに驚き、上京を決意します。ちなみに徴兵検査の結果は、青木は近視性乱視で、坂本は身長が3ミリ足らなくて入隊を逃れた(キャプションから)
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青木繁《朝日》(絶筆)1910年 油彩・カンヴァス 佐賀県立小城高等学校黄城会

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坂本繁二郎《張り物》1910年 油彩・カンヴァス 個人蔵
新婚の妻がモデルの作品。

第3章 再び故郷へ-馬の時代 1924-1944年
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坂本繁二郎《鳶形山》1932年 油彩・カンヴァス 個人蔵
川端康成は随筆の中で、「食パンを切ったような、十字型の雲、日本の夕空の色が心に沁みた」と言っている。

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坂本繁二郎《放牧三馬》1932年 油彩・カンヴァス 石橋財団ブリジストン美術館/石橋財団アーティゾン美術館
馬を題材とした初期の代表作。坂本は「光と色彩が混然と私に迫ってきました」と言っている。光つまり色彩の加減に苦心した。(キャプションから) 

第4章 成熟-静物画の時代 1945-1963年 
本、植木鉢、箱、果物など、身の回りの物を描いた時代。能面も多く描いた。
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坂本繁二郎《箱》1959年 油彩・カンヴァス 八女市(久留米市美術館寄託)

第5章 「はなやぎ」-月へ 1964-1969年
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坂本繁二郎《達磨》1964年 油彩・カンヴァス 個人蔵
ころんでも立ち上がる。この絵は坂本を慕う飲食店の主人を励ますために描かれた(キャプションより)

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坂本繁二郎《月》1966年 油彩・カンヴァス 無量寺院(静岡県立美術館寄託) 

—HPの解説—
坂本繁二郎(1882-1969) は福岡県久留米市に生まれます。同級生に青木繁(1882-1911) がおり、互いに切磋琢磨する青年期を過ごしています。20 歳で青木を追うように上京。小山正太郎の主宰する不同舎に学び、展覧会出品作が数々の賞を受けるなど順風満帆な画業をスタートさせます。39 歳の時に渡仏し3 年間の留学生活を終えると、その足で家族の待つ久留米に帰ります。以降、画壇の煩わしさを避け、郷里にほど近い八女にアトリエを構え、文人のごとき作画三昧の生活を送ることとなります。戦後になって、九州の彼の地で戦前と変らぬ穏やかさをたたえた作品を制作し続けていた坂本が“発見” されます。坂本の人となりと作品は瞬く間に人々の注目と喝采を浴びる存在となり、74 歳の時に文化勲章を受章するにいたります。
坂本は、ヨーロッパ留学までは牛を、帰国後は馬を、戦後は身の回りの静物、最晩年は月を主なテーマとして取り上げます。限られたテーマを描き続けた坂本の作品は、同じモティーフを取り上げながらも一つ所に留まることはなく、主題は平凡でありながら、精魂を傾け仕上げられた画面は厳かな静謐さを秘めています。「描きたいものは目の前にいくらでもある」という言葉は、奇をてらうことのなく、自然と向き合い対象を凝視する彼の作画態度を表した言葉といえましょう。
本展は、坂本の最初期作から晩年まで、彼の絵画が成熟していく過程を人生の歩みとともに明らかにしていくものです。約140 点の油彩、水彩、水墨画等に加えて、互いに磨きあい、支えあった盟友、青木繁の作品も合わせて展示します。

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