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2019.04.18

ラファエル前派の軌跡展

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ラファエル前派の軌跡展は三菱一号館美術館で開催されています。

会期 2019年3月14日(木)〜6月9日(日)

この展覧会の本来の企画意図は「ジョン・ラスキンとラファエル前派の軌跡展」のようです。
チラシの裏面には、「ラスキン生誕200年記念」と書いてあります。

ジョン・ラスキンは19世紀ビクトリア時代を代表する評論家・美術評論家、社会思想家です。
ターナーの作品を絶賛し、ロセッティ、ミレイ、ハントら同級生で結成されたラファエル前派の精神的指導者でもありました。
ラスキンの思想に影響を受けて芸術家を目指したバンジョーンズとモリスは、ラファエル前派の第二世代とされます。

ラスキンは、産業革命によってもたらされた「分業」による単純労働に警鐘ならしました。ラスキンの思想に共鳴したモリスは労働と芸術(美を創造する)が一体となった社会こそが理想だと考え、そのことがアーツアンドクラフツ運動につながります。 

また、「自然をありのままに再現すべきだ」という主張は、ラファエル前派の人気作品ミレイの「オフイーリア」などにみられる自然を丹念に描き込んだ作品に顕著ですね。

三菱一号館美術館で2012年に開催された「バン・ジョーンズ  ー装飾と象徴展」は記憶に残る良い展覧会でした。

日本との関係では、夏目漱石が、小説の中でラファエル前派やターナー作品を登場させています。かつて「ターナーと漱石」の関係を取り上げた企画展も開かれました。モリスと柳宗悦の民芸などなど、様々な考察が展覧会等で紹介されてきました。

複雑な交友関係(男女間も)を詳細に紹介した企画もありましたね。

「19世紀ビクトリア時代という時代背景とラスキンの思想、そしてラファエル前派の作品との関連を今一度考えてみる」そんな企画展です。

展覧会の構成は以下の通りです。
Ⅰ ターナーとラスキン
Ⅱ ラファエル前派同盟
Ⅲ ラファエル前派周縁
Ⅳ バーン=ジョーンズ
Ⅴ ウィリアム・モリスと装飾芸術

写真は内覧会参加時に、主催者の特別の許可を頂いて撮影しました。

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ジョン・ラスキン ティントレット《東方三博士の礼拝》(サン・ロッコ同信会館)よりマギの模写
1845年 鉛筆、インク・ウォッシュ ラスキン財団

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ジョゼフ・マラード・ウィリアム・ターナー カレの砂浜 ―引き潮時の餌採り
1830年 油彩・カンヴァス ペリ美術館


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ジョン・エヴァレット・ミレィ 滝 1853年 油彩・板 デラウェア美術館

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ダンテ・ゲイブルエル・ロセッティ ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)油彩・カンヴァス
ラッセル=コーツ美術館(ボーンマス)

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ダンテ・ゲイブルエル・ロセッティ 祝福されし乙女 1875-81年 油彩・カンヴァス
リバプール国立美術館


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アーサー・ヒューズ 音楽会 1861-64年 油彩・カンヴァス
リバプール国立美術館


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シメオン・ソロモン 中国の服を着た女性 1865年 水彩 グロウヴァナー美術館


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ジョジ・フレテリック・ワッツ エンディミオン 1868-73年 油彩・カンヴァス 個人臓


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フレデリック・レイトン 母と子(サクランボ) 1864-65年 油彩・カンヴァス
ブラックバーン美術館


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エドワード・バーン=ジョーンズ 赦しの樹 1881-82年 油彩・カンヴァス
レディ・リーヴァー・アート・ギャラリー(ポートサンライト)

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エドワード・バーン=ジョーンズ コフェテュア王と乞食娘 1883年頃 油彩。板 個人蔵

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モリス商会 3人掛けソファー他、展示風景

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ウィリアムモリスとモリス商会による装飾織物と関連書籍(展示風景)

 

開催趣旨(HPから)
1848年、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティらが結成したラファエル前派兄弟団は、英国美術の全面的な刷新をめざして、世の中にすさまじい衝撃をもたらしました。この前衛芸術家たちの作品は、観る者の心に訴えかけ、広く共感を呼びました。人々は、社会の基盤が移りゆくなかで、彼らの芸術に大きな意義を見出したのです。

その精神的な指導者であるジョン・ラスキンは、あらゆる人にかかわる芸術の必要性を説く一方で、彼らとエドワード・バーン=ジョーンズやウィリアム・モリスら、そして偉大な風景画家J.M.Wターナーとを関連づけて考察しました。

本展では、英米の美術館に所蔵される油彩画や水彩画、素描、ステンドグラス、タペストリ、家具など約150点を通じて、彼らの功績をたどり、この時代のゆたかな成果を展覧します。

 

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